マニキュアとは異なり、自然乾燥では固まらず、ライトに当てることで固まるのがジェルネイルです。固まった後のジェルはカチカチで、プラスチックのように丈夫です。ジェルネイルはこの丈夫な性質が故に、2~4週間ほど爪につけたまま過ごせます。爪に硬い素材が密着するので、地爪から丈夫になったかのような仕上がりは、爪が薄い人も安心して過ごせます。マニキュアはキレイに保てるようそーっと過ごしても、1週間も経てば爪先から剥がれてしまいますが、ジェルネイルはその心配がないのです。ジェルネイルは最近だとセルフネイルで楽しんでいる方も多く、ネットショップやバラエティーショップで道具が気軽に購入できます。しかし気軽に購入できるが故に、いざはじめてみたら「うまく固まらない」「表面がデコボコになる」といったお悩みも出てきやすいようです。今回の記事では、セルフネイルでジェルが固まらない、表面がキレイに仕上がらないなど、「セルフネイルがうまくいかない」というお悩みに対して、解決方法をいくつかご紹介してまいります。
ジェルのセルフネイルがうまくいかない・・・
セルフネイルは誰でも気軽に始められます。人気のネイルデザインはInstagramやネイルブックなど、SNSやWEBサイトに沢山掲載されていますよね。また、実際に挑戦してみよう!と思った時は、WEBサイトにやり方や必要な道具が詳しく書いてあったり、You TubeやInstagramで丁寧なやり方の解説動画があったりもします。わざわざスクールなどに通わなくても、ネットだけで解決することがほとんどなのです。
また、ジェルネイルに使う道具は、プロ用にこだわらなければ安価に購入することが可能です。日本の有名な化粧品メーカーが販売しているジェルネイルもありますし、セリアやダイソーなどの大手100円ショップでは、カラージェルが1色100円で購入できます。ジェルを固めるためのライトも、ワット数にこだわらなければ1000円以下で売られているようです。このように、「セルフでジェルネイルをはじめてみたいな」と思ったら、安価で簡単にスタートできるのではないでしょうか。
しかし、ジェルネイルはメーカーが定める手順や、規定通りにライトに当てないと、キレイに仕上がらないことがあります。メーカーによってジェルネイルのやり方や手順が少々異なるというのは、セルフネイルを始めたてではわからないことです。ジェルネイルは、ただ爪に塗ってライトで固めるだけでは完成しないのです。
そこで、今回の記事では、セルフのジェルネイルでつまずきやすい点と、その解決方法についてご紹介します。うまくいかないからと諦めず、ポイントを抑えてキレイなセルフジェルネイルを楽しみましょう!
ジェルがベタベタして固まらない
「ジェルを塗る前にケアをして、キレイにジェルを塗って、ライトで固めたのに、うまく固まってない気がする・・・」と困っていませんか? もしかしたら、理由によっては、すでに正常に固まっているかもしれません。
●ライトで固めてもベタベタが残るのは正常
規定時間通りにジェルを固めたのに、なぜか表面がベタベタしている・・・。実は、その状態はジェルネイルでは正常なのです。
ジェルネイルの液は、ライトの光に含まれる紫外線や可視光線に反応して、プラスチックのように固まります。その時、空気にさらされている表面だけは固まりきらないので、少量のジェルによるベタベタが残ってしまうのです。表面に残ったベタベタのジェルは「未硬化ジェル」といいます。この未硬化ジェルがあることで、 ベースジェルのあとにカラージェル、カラージェルの後にトップジェルと、ジェルを重ね塗りしてもしっかり密着するのです。
しかし、トップジェルまで塗って完成させたのに、未硬化ジェルが残ったままでは困りますよね。完成時でも残っている未硬化ジェルは、コットンに下記のいずれかを含ませて拭き取ると、ベタベタがなくなってキレイに仕上がります。
- 消毒用エタノール
- ジェル専用の拭き取り剤
- ノンアセトンのネイルリムーバー
ジェルネイルのメーカーによっては専用の拭き取り剤が必要な場合もあり、エタノールやノンアセトンリムーバーといった違う溶剤を使うと曇ってしまう可能性もあります。拭き取りをする前に、ジェルメーカーの説明書きをしっかり確認しましょう。
ノンワイプジェルを活用しましょう
最近は未硬化ジェルの出ない「ノンワイプトップジェル」や「オールインワンジェル」が販売されています。ノンワイプトップジェルは、最後の仕上げに使うことで未硬化ジェルが出ず、拭き取る必要がありません。セルフネイルはもちろん、プロのネイリストも拭き取り作業をカットするためにノンワイプトップジェルを使っている人が多いので、通常のトップジェルに加えて持っておくと便利ですよ。
ちなみに、未硬化ジェルが出ないものに重ねてジェルを塗るのは、あまりおすすめしません。ジェルネイルは、ツルツルの面に塗ると剥がれやすくなって持ちが悪くなるからです。また、オールインワンジェルも未硬化ジェルが出ない商品だと、重ね塗りをしても一番上の層が剥がれてしまうかもしれないので、重ね塗りをしたい時は塗って良い商品か、予め確認してから使いましょう。
ネイリストのおすすめポイント:セルフネイルで人気のプチプラなジェルを数多く販売しているirogelのノンワイプトップジェルです。ハケ付きのボトルタイプなので、ノンワイプ用のジェル筆を用意しなくてOKです。透明度が高く、ツルツルの表面を長期間キープできます。
ネイリストのおすすめポイント:プロのネイリストも愛用者が多く、ジェルネイルの売上ランキングでは常に上位にいるのがプリジェルのキャンジェルシリーズです。ノンワイプトップといえばこれ!というほど使っている人が多いので、セルフネイラーにもおすすめ。ノンヒートタイプは、ノンワイプジェルで出やすい硬化熱を抑えた作りになっています。しかし、厚塗りすると硬化熱が出やすいので注意しましょう。
ジェルネイルがデコボコしている
ジェルネイルをライトでしっかり固めたはずが、「表面がデコボコ波打っている」「デコボコかつブヨブヨで水ぶくれみたいなものができている」といった現象が起こるようです。この「波打っている」と「ブヨブヨができている」というものは、それぞれ原因が異なるのでしっかり見極めて解決しましょう。
●ジェルネイルがデコボコと波打っている
しっかり固まっているけど、表面がデコボコと波打っているのは「トップジェルの量が少ない」「筆圧が強い」「地爪に凹凸がある」といった原因が考えられます。
最も多い原因は「トップジェルの量が少ない」です。トップジェルはコーティングの他に、爪のフォルムを作ったり・凹凸を修正する役割もあります。さらにジェルは爪に塗った後に少し待つことで、なだらかに表面に馴染む「セルフレベリング」という作用もあります。トップジェルは少し多めに塗って、塗った後少し時間を置くことで、自然に地爪の形になじんで、なだらかな表面を作ることができるのです。トップジェルはベースジェルやカラージェルよりも少し多めに塗るよう意識をしましょう。
またセルフレベリングはトップジェルに限らず、ベースジェルやカラージェルを塗る時から意識して活用するのがおすすめです。「ジェルを塗ったら、ライトで固める前に少し待つ」を癖づけてくださいね。
●ブヨブヨの部分ができて固まらない
ジェルネイルをライトで固めた後に、ブヨブヨの水ぶくれのような部分ができることがあります。これはジェルの内部が固まりきらず、表面だけが固まってしまった「硬化不良」という現象です。硬化不良には、以下のような原因が考えられます。
・カラージェルの塗布量が多い
黒や白をはじめ、透け感がないマットなカラーを1度にたっぷり使うと、ライトで固まりきらないことがあります。これはカラージェルに含まれる顔料が多く、ライトの光を邪魔してしまうからです。顔料が多いせいで、ライトの光がジェルの内部までしっかり当たる部分と、そうでない部分ができてしまい、固まりきった部分はカチカチに、固まりきらなかった部分は中身が「半生」のような状態でブヨブヨになってしまうのです。
半生の硬化不良を防ぐには、一度に塗る量を少なくすることが大切です。透け感のないマットなカラージェルは、一度目は量を少なめにして薄く塗り、完全に硬化してからもう一度薄塗りをして発色させましょう。どのカラーも、重ね塗りは少量で複数回繰り返すようにすると、ブヨブヨができずにつるんと仕上がりますよ。
・ライトが当たっていない、時間が足りない、パワー不足
ジェルを塗った指に対して、ライトの光がしっかり当たっていなかったり、時間が足りなかったり、ライトのパワーが不足していると、未硬化のブヨブヨができてしまいます。
特にドーム型のライトで起こりやすいのが、親指の硬化不良です。ドーム型のライトは5本指を入れて一気に固めることができる優れものですが、親指は多少横向きになってしまいます。その結果、ライトがうまく当たらない部分が出来て、硬化不良を起こすこともあるのです。親指に塗ったジェルを固めるときは、ドーム型ライトの底面のフチに親指を引っ掛けるように置いてからライトをつけて、親指一本だけにしっかりライトが当たるよう、位置や向きを調整しましょう。
また、ジェルの規定時間通りライトに当てていなかったり、ライト切れやライトの劣化によるパワー不足も硬化不良の原因です。特にUVライトは、何度も使ううちに電球が切れてしまいます。また、LEDライトは電球が丸いタイプだと使っているうちに劣化する可能性があるので、電球やライトの買い替えを検討しましょう。UVライトよりも長持ちなLEDライトは、ドーム型の内部に四角いチップ型の電球が沢山付いているものが劣化しにくくおすすめです。また、UVライトの電球は半年くらいで交換しましょう。
ネイリストのおすすめポイント:安価ながらもチップ型LEDを採用しているライトです。36Wとパワーも十分で、UV対応ジェルも硬化できる優れものです。ライトの口が大きいので、ハンドのネイルはもちろんフットのネイルを固める時もスムーズに入れ替えができますよ。
ネイリストのおすすめポイント:シャイニージェルというメーカーが販売しているライトです。デジタルの大きなタイマー付きで秒数がわかりやすいのが嬉しいポイント。照射する秒数は5秒刻みで変えることができるので、仮硬化をしたい時は時間を短めに、厚みを出したジェルを硬化したい時は時間を眺めに設定しましょう。
セルフのジェルネイルがすぐに取れてしまうのはなぜ?
せっかくつるんとキレイに固まったジェルネイルも、持ちが悪くてすぐに取れてしまったら悲しいですよね。セルフジェルネイル初心者で、ジェルが取れやすいという方は、以下のポイントをチェックしましょう。
①爪先にバリがついていないか
ジェルを塗る前のケアで、爪先のやすりがけを終えた後に、薄い削り残しがついていることがありませんか?これは「バリ」といい、バリが残ったままジェルを塗ると、爪とジェルに隙間が出来て、剥がれやすくなります。爪やすりを使い終えたら、ブラシでダストを払い、バリがついていないか確認しましょう。付いているときは、スポンジファイル(バッファー)を使って優しくやすりを取り除いてくださいね。
ネイリストのおすすめポイント:プロも使用しているバイオスカルプチュアというメーカーのスポンジファイルです。細身の本体は爪が小さい方でも使いやすいですよ。面ごとに目の粗さが違うので、薄いバリがついている時や、地爪を軽くサンディングしたい時は180Gの面を使いましょう。また、厚いバリがついていたり、ジェルオフで使う時は100Gの面を使ってみてください。
②甘皮や爪の周りにはみ出していないか
ジェルのベースやトップ、カラージェルがはみ出したまま硬化していませんか?特にベースやトップなどのクリアジェルは、はみ出してもわかりにくく、キレイに仕上がって見えるかもしれません。しかしはみ出してしまうと、そこから隙間ができて、ジェルネイルが剥がれる原因になります。まずはライトで硬化する前にはみ出していないか確認して、はみ出しを見つけた時はウッドスティックで拭うようにしましょう。
ネイリストのおすすめポイント:使いやすい本数少なめのウッドスティックです。ファイルなどで丸く削ってから使いましょう。先端が汚れてきたら、ファイルで少し削るだけでもキレイになります。
③油分除去を行っているか
ジェルネイルを塗る前のケアで、最後に行うのが「油分除去」です。爪の表面に生活上でついた油分やネイルオイル・ハンドクリームの油分が残っていると、ジェルを弾いてしまい密着しにくくなります。消毒用エタノールや、「ネイルプレップ」という専用の拭き取り剤を使って、油分を除去してからジェルネイルを塗りましょう。
ネイリストのおすすめポイント:量の多すぎるネイルプレップは使い切らないうちに揮発する可能性が高いです。アクセンツのネイルプレップはセルフネイルでも使いやすい量なので1つ持っておくと便利ですよ。蓋を回して開ける必要がないので、片手で使えるのも便利なポイントです。
セルフネイルでジェルが固まらなかったり、ジェルの持ちが悪くなるのは、何かしら理由があります。手順を見直したり、1つずつ対策を施したりして、セルフでもサロン並の仕上がりを目指しましょう。