法事は故人の冥福を祈るための行事です。お祝い事とは異なり、厳かな雰囲気の中で行われるため、服装はもちろんのこと、ネイルにもかなり気を使いますよね。
普段はジェルネイルやスカルプなどで華やかなデザインを楽しんでいる方も、法事の時はマナーに沿った指先に整えておきましょう。
今回は法事でのネイルマナーや、急なお葬式でネイルサロンに行けない時の対処法、セルフでジェルオフする方法などを詳しく解説していきます。
法事でネイルをするのはマナー違反?
現代は年齢に関係なくネイルをしている人がとても多く、その主流はジェルネイルです。
ジェルネイルは美しいツヤと持ちの良さが人気ですが、落とす時に手間と時間がかかります。
そのため急なお葬式あった場合、ネイルサロンでジェルネイルをオフする時間がない時は、ネイルをしたまま行くしかありません。
そこで悩むのが、
「お通夜や告別式にネイルをしたまま行っても良いのか?」ということ。
結論から言えば、ネイル自体は一切NGというわけではありません。
ただし、できればネイルは落としていくのがベストです!
やはりネイルをしていないことが一番ですが、近年はネイル人口が増えた影響もあってか、常識の範囲であれはネイルしたままでも大丈夫なことが多くなっています。
法事ではネイルを落とすのが基本マナーだが絶対NGではない
お葬式に参列することになった場合、ジェル・マニキュアに関係なく、ネイルはそのままにせず落とすのが基本マナーです。
その理由としては、「お通夜や葬儀は故人を偲ぶための場であり、派手な服装は控えるべき」とされているから。
ただ、前述の通り近年はネイルが絶対NGというわけではなくなりました。
しかしネイルはアクセサリーや装飾品と同じ扱いとなるため、華やかなデザインは避けるべきと考えられています。
一周忌などの法事にNGなネイル
基本的に法事の時も、ネイルを落として自爪の状態でいることが望ましいです。
故人を偲ぶ場で、派手なネイルアートやロングネイルは相応しくありません。
しかし、おしゃれのためだけではなく、爪を補強する目的でジェルネイルなどを施している方もいらっしゃいますよね。
自爪のままで過ごすと「爪が割れたり欠けたりして生活がしにくい」といったお悩みをお持ちの方も多いでしょう。
そのような場合は、必ずしもネイルがNGという訳ではありません。
普段からネイルをしている方は、法事の時は長さを短めにして、清潔感のある指先を心がけることがマナーです。
ここからは、法事でも浮かないネイルデザインについて解説していきます。
法事では派手なネイルは控える
当然のことではありますが、法事の時に煌びやかなゴージャスアートや、POPなデザインを施すのはNGです。
厳粛な儀式の中で、キラキラに輝くストーンアートやお花・ハートモチーフ、その他のトレンドアートなどを施していると、その場で浮いてしまう可能性があるので気をつけましょう。
やむを得ない事情でネイルを落とせない方は、クリアジェルのみでナチュラルな仕上がりを意識するのがおすすめです。
血色が悪いのが気になる方は、落ち着いたベージュや薄いピンクなど、限りなく自爪に近いカラーを選ぶようにしましょう。
以下で詳しくみていきましょう!
■キラキラするネイル
例えばカラーがどんなに上品なベージュであっても、キラキラするラメやストーンが付いているネイルは、華やかさやパーティー感が出てしまうのでNGです。
■肌なじみの良い色以外のカラー
手元をぱっと見たときに目立つ色、例えば、赤や黄色などの原色や人体の色にない青系カラー、また明るいカラーなどはNGです。
肌なじみの良いピンクやベージュ系ならとくに問題ありません。
■フレンチネイルやアートネイル
シンプルなフレンチネイルは一見問題なさそうですが、ネイルデザインとしての認識度が高く、ネイルしていることを強調してしまいます。
また肌馴染みの良いカラーを使っていても、ワンカラー以外のアート、例えばべっ甲やマーブルなども避けた方がいいです。
■アニマル柄
法事の時は動物の殺生を連想するような、アニマル柄も控えたほうがよいでしょう。
法事以外の場所でネイルを楽しむ時は、レオパードやダルメシアン、牛柄といったアニマル柄はおしゃれでハイセンスな印象を与えてくれます。
しかし、法事は決して自分のおしゃれを楽しむ場所ではありません。
法事の時にアニマル柄のネイルをしていると、「TPOをわきまえていない」といった見られ方をしてしまう可能性が高いので気をつけましょう。
■落ち着いた色味でもアートが多いとマナー違反かも
どんなに肌なじみが良い落ち着いた色味であっても、そこにアートが施されていることでマナー違反だと思われてしまう可能性があります。
前項でもお話した通り、法事の時にやむを得ない理由があってネイルが落とせない場合でも、アートはやめておいたほうが無難です。
基本的には控えめな色味で、ワンカラーやグラデーションにすることをおすすめします。
ペディキュアにも注意する
うっかりしがちなのがペディキュアの存在です。
場合によっては靴を脱いで室内に入る可能性があります。
喪服の足元は薄いタイツやストッキングを着用するため、靴を脱いた時に派手なペディキュアが透けて見えてしまうことがあります。
ペディキュアをしている方は、絆創膏を貼ったりフットカバーを履いたりと、対処できる準備をしておく必要があります。
おすすめは、指先が隠れるベージュのフットカバーをタイツやストッキングの下に履いてしまう方法です。
派手なネイルがNGの理由
葬儀ではネイルをしていないに越したことはありません。
現代は、肌の色に近いシンプルなネイルなら特に問題ないとされています。
では、派手なネイルは何故NGなのでしょうか?
それはマナーの問題です。
日本では葬儀の時に華美なメイクやファッションがマナー違反とされます。
そのためネイルに限らず、メイクやアクセサリーも極力控えめなものを選ぶ必要があるのです。
例えばメイクでいえば、普段から好んで赤い口紅をしている人も、葬儀の際には馴染みの良いピンク系にしたほうが良いでしょう。
またピアスや指輪などのアクセサリーが好きな人は、サイズの大きなピアスやゴールドのものは避け、控えめにパールを付ける程度が丁度良いのです。
たとえ自分は気にしてない、気にならない、そう思っていたとしても、葬儀とは故人を偲ぶために縁のある人々が集まるデリケートなところで、親族や他の参列者に対する配慮が必要な場所です。
派手な爪や華やかなメイクを見て不快になる人が出てくる可能性があります。
お葬式での派手なネイルはやはり避けた方が良いでしょう。
法事や葬儀でネイルをする場合のマナー
先ほども解説しましたが、法事の時はネイルをしないことが基本的なマナーです。
ネイルをしている場合は、できればオフすることをおすすめします。
お葬式・お通夜のように急なケースもありますが、一周忌や三回忌、七回忌などの法事の場合は、事前に日程が決まっていることが多いです。
そのため、早めにネイルがオフできるように準備しておくことが大切です。
しかし、爪が薄くてネイルをしていないと指先が使いづらいという方や、噛み癖を治すためにジェルネイルを施している方も多いと思います。
ここでは、そのような方に向けて法事でのネイルマナーを解説していきましょう。
自爪に近く目立たない色にする
事情があって法事でもネイルをオフできない場合は、ベージュ系の肌なじみの良いカラーを選択するようにしましょう。
ベージュ系のカラーにも様々な種類がありますが、特におすすめなのは自分の肌に最も近い色味です。
色白の方やもともと自爪がピンク色をしている方は、淡いピンクを選んでもOKです。
法事の時は、自分の肌に違和感なく馴染むカラーで控えめな印象に仕上げることをおすすめします。
■ナチュラルなシアーピンクを選ぶ
透明感のあるシアーピンクは、自然な血色感のあるネイルに仕上げることができます。
もともとの自爪がほんのりピンク色をしているかのようにも見えるので、法事や葬儀といった場面でも浮きにくいことが特徴です。
■落ち着いたベージュを選ぶ
肌馴染み抜群のベージュは、女性らしくて柔らかな雰囲気の指先を演出できます。
大人っぽさやエレガントさがありながら、決して主張するカラーではないので、法事・葬儀でも取り入れやすい色味です。
■清潔感のあるクリアネイル
クリアネイルは、清潔感のある控えめな印象に仕上がるのが特徴です。
うるっとした美しい光沢感が出ますが、色味がないぶん、法事や葬儀でも抵抗なく使うことができます。
とにかくナチュラルな仕上がりになるため、迷った時はクリアネイルを選ぶのがおすすめです。
■自爪風に仕上がるマットネイル
すりガラスのような質感のマットネイルは、ツヤ感が出ないため、自爪風の自然な仕上がりになります。
もともと控えめな淡いピンクやベージュなどのカラーも、マット仕上げにすることでさらに落ち着いた印象に見えるので、法事や葬儀でも取り入れやすいです。
お手持ちのマニキュアにマットコートを重ねるだけで、簡単にマットネイルにできるので試してみてくださいね。
フラットでシンプルなネイル
基本的に法事の時はネイルアートは避けたほうが良いでしょう。
法事の場合、周囲のほとんどの方が控えめな装いを心がけているため、さり気ないアートでも指先が目立ってしまう可能性があります。
小さなストーンや細いラメラインであっても目につきやすいので、マナー違反にならないように意識することが大切です。
特にお葬式にネイルをしていく場合は、フラットでシンプルなネイルが良いでしょう。
フラットなネイルとは、ラインストーンやネイルパーツなど、仕上がった時にネイルの表面が凸凹になるアイテムは使わないネイルです。
凹凸感のあるデザインは目立ってしまいます。
ジェルネイルがオフできない時の対処法は?
法事は事前に日程が分かっているケースがほとんどですが、お葬式・お通夜といった法事前の儀式は突然に訪れるものですよね。
そのため、急なお葬式やお通夜でネイルサロンに行けない場合もあるでしょう。
ここからは、ジェルネイルを落とす方法と、急なお葬式でネイルサロンに行けない時の対処法を解説します。
ネイルサロンでオフしてもらう
急なお葬式があっても、場合によってはネイルサロンに行く時間を作れることがあります。
ジェルネイルはセルフでオフすることもできますが、自分で落とすとなると時間がかかるため、可能であればネイルサロンで落としてもらったほうが効率が良いでしょう。
お葬式に参列することが決まったら、すぐにネイルサロンを予約するか、飛び込みでも施術してくれるサロンを探すことをおすすめします。
自分でオフする
急なお葬式でネイルサロンに行けない場合は、セルフでネイルをオフするという方法があります。
お葬式の時に慌てないよう、ジェルオフの道具をご自宅に用意しておくと良いでしょう。
また、オフの手順も今から覚えておくと安心です。
特にジェルネイルの場合は、ご自宅でも簡単にオフすることができるので、時間に余裕がある場合はチャレンジしてみましょう。
■セルフでジェルネイルを落とす方法
急なお葬式があっても、セルフでジェルオフする方法を知っていれば安心ですよね。
ここでは、ジェルオフで必要な道具や、1つひとつの工程を分かりやすくご説明します。
セルフでジェルオフする時の参考にしてみてくださいね。
ジェルネイルをセルフでオフする時は、以下の道具を用意しましょう。
- ジェルネイルリムーバー(アセトン)
- コットン
- アルミホイル
- アクリルファイル
- メタルプッシャーもしくはウッドスティック
いずれも、ネットショッピング、100均、ドラッグストア、バラエティショップなどで購入することができます。
■オフの仕方
- アクリルファイルで、ジェルネイルの表面を削ります。初心者さんの場合は、削りすぎて爪にダメージを与えないように注意しましょう。ポイントは、爪の丸みを意識しながら削ることです。
- コットンにジェルリムーバーを染み込ませ爪の上に置き、アルミホイルで指先を巻いて約10分〜15分放置しましょう。ジェルリムーバーは揮発性なので、アルミホイルに隙間ができないように巻くのがポイントです。
- アルミホイルを外し、メタルプッシャーもしくはウッドスティックで溶けたジェルをやさしくオフします。
- 3の時点でジェルがスムーズにオフできない場合は、無理やり剥がさず2と3の工程を繰り返すようにしましょう。
以上がジェルオフの工程です。
基本的にジェルオフは工程がシンプルなので、慣れれば誰でもきれいにジェルを落とすことができます。
初心者さんにありがちな失敗は、
・アクリルファイルで削りすぎて自爪まで傷つけてしまうこと
・ジェルがスムーズにオフできない時に、力を入れて無理やり剥がしてしまうこと
この2点です。
こちらの2点に気をつければ、セルフでも自爪を痛めずにジェルオフすることができますよ。
また、ジェルオフ後の指先はかなり乾燥しているので、ネイルオイルなどで保湿してあげてくださいね。
ベージュのマニキュアを上から塗る
ビビットなカラーやラメを使用した目立ちやすいネイルをしている場合は、ベージュ系のマニキュアを上から塗って隠す方法もあります。
派手なネイルを1日だけ隠すための、専用マニキュアも販売されているので用意しておくと便利です。
お葬式が終わった後は、剥がして元のネイルに戻せるアイテムもあるので、ぜひチェックしてみてくださいね。
ネイルを隠すための専用マニキュアは、アマゾンや楽天などのネットショッピングでも購入することができますよ。
ネイリストおすすめポイント:PROIDEA(プロイデア)カモフラネイルpetitは、お湯で剥がせるタイプのマニキュアのため、リムーバーが必要ありません。
ジェルネイルの上から塗ることができるので、派手なネイルを隠すことができます。
用事がすんだらジェルに影響することもなく、お湯ですぐに取ることができるのでおすすめです。
ネイルシールを貼る
マニキュアを乾かしている時間もないような人は、ベージュのネイルシールを貼っていきましょう。
今は冠婚葬祭用のシールも売っているので、すぐに対応できます。
ネイリストおすすめポイント:貼るだけマニキュア インココ「セカンドネイチャー」シリーズは、シールを貼るだけの超時短ネイルが叶うネイルシールです。
爪やすりも付属されているので、その場ですぐに装着可能!マニキュアと違って臭いが出ないので職場でも気にせずネイルの上に貼って、隠すことができます。
乾かす時間も不要で塗りムラの心配もありません。
表面も滑らかで違和感なく仕上げることができます。
テーピングや絆創膏を貼って隠す
フラットなネイルは、ベージュのマニキュアやネイルシールで対応できることがほとんどですが、
ストーンや凹凸のあるネイルアートをしている場合、その指はテーピングや絆創膏を巻いて隠すのがおすすめです。
フラットでないネイルにマニキュアやネイルシールを貼っても、仕上がりに違和感が出ます。
だからといって、10本の指を全てを絆創膏で覆うのはあまりにも不自然です。
絆創膏だらけの手を見た人が心配してしまうなど、違った意味で目立ってしまう可能性も・・・。
また、指先が使いにくくなるため、お焼香の時にも不便です。
絆創膏を使ってネイルを隠すのは、2本〜3本までにするのが良いでしょう。
テーピングや絆創膏を使う時は、ストーンや凹凸のある指だけに使用するのがおすすめです。
■テーピング・絆創膏の選び方
テーピングには色々な種類があります。
ネイルを隠すのに向いているテーピングのポイントは、1肌の色に近い、2伸縮性がある、3水に強い、4自着性がある、この4点です。
4番目の自着性とは、テーピングと同時でないとくっつかない性質のものを指します。
自着性のものがおすすめの理由は、通常のテーピングをジェルネイルの上に貼ると、剥がした時に粘着剤がジェルや指に残ってベタベタするからです。
その点、自着性のものはテーピングにしかくっつかないので、ベタベタが残ることがありません。
そして絆創膏は、伸縮性と防水性のある肌色のタイプを選ぶようにしましょう!
黒の手袋をする
ネイルデザインによっては、黒い手袋で指先を隠したほうが良いケースもあります。
例えば、凹凸のあるネイルパーツをたくさん付けていたり、スカルプでロングネイルにしていたりすると、専用マニキュアで隠すのは困難です。
さらに、凹凸のあるアートやスカルプは、慣れない方がセルフでオフしようとすると、やや苦戦してしまう可能性があるでしょう。
そんな時は、黒い手袋を活用して全体を覆ってしまうのがおすすめです。
お葬式や法事でネイルを隠すための専用手袋も販売されています。
ネットショッピングなどで購入できるので、万が一のために用意しておくと安心でしょう。
フットネイルは落とすかタイツで隠れるようにする
お葬式の際にフットネイルを落とすかどうかは、靴を脱ぐ可能性があるかどうかによって判断しましょう。
靴を脱がないことが確実であれば、あえてフットネイルを落とす必要はありません。
ただし、少しでも靴を脱ぐ可能性がある場合は、フットネイルを落とすか、タイツで隠れるように工夫する必要があります。
タイツでフットネイルを隠す場合は、つま先が切り替えになっている「補強トウタイプ」がおすすめです。
特にデニールが高めの補強トウは、つま先部分の生地に厚みがあるため、フットネイルを隠すのに適しています。
逆に切り替えがないヌードトウタイプの場合、フットネイルが透けて見えてしまう可能性があるので気をつけましょう。
なお、補強トウタイツでもフットネイルが透けてしまう場合は、フットネイルをオフするほうが無難です。
まとめ
今回は法事でのネイルマナーや、急なお葬式でネイルサロンに行けない時の対処法、ジェルオフの方法などをお話しました。
普段は当たり前のように楽しんでいるネイルも、法事やお葬式では浮いてしまわないか心配になるものですよね。
記事内で解説した通り、事前にジェルオフの道具や専用のマニキュア・手袋などを用意しておくと、いざという時に役立ちます。
日頃からネイルを楽しんでいる方は、万が一のために必要な道具を今から揃えておくことをおすすめします!
その他、冠婚葬祭のマナーについてはこちらの記事で紹介しています♪
https://www.nailjoshi.com/97420/