「チップオーバーレイ」という言葉を聞いたことはありますか?
チップオーバーレイを取り入れると、自爪の強度が増して日常生活で欠けたり割れたりしにくくなるのが大きなメリットです。
ネイル検定1級の実技試験にも採用される重要な技術なので難しく感じる方もいるかもしれませんが、実はセルフネイルでも挑戦できる技法の一つ。
この記事では、セルフ派にも検定を目指す方にも役立つチップオーバーレイのやり方やコツをわかりやすく解説していきます。
セルフで挑戦したい方や検定対策を考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
- チップオーバーレイとは?
- ・チップオーバーレイが苦手な人が多い理由
- ・チップオーバーレイはセルフでの習得が難しい?
- スカルプネイルとの違いは?
- ・チップオーバーレイとチップラップの違い
- チップオーバーレイの手順とコツ
- 1. チップを選ぶ
- 2.チップを装着する
- 3.チップを削っ段差を整える
- 4. アクリルパウダーの色を選ぶ
- 5. アプリケーションしていく
- 6.ピンチを入れる
- 7.削ってフォルムを整える
- 8.磨く
- チップオーバーレイをきれいに仕上げるポイント
- ・グルーの塗布量に気を付ける
- ・チップは少し大きめを選ぶ
- ・扱いやすいミクスチュアの硬さを知る
- ・筆の角度を意識する
- ネイリスト検定1級チップオーバーレイ主な採点基準は?
- ・チップのサイズは合っているか?
- ・チップは曲がって装着していないか?
- ・チップの長さが揃っているか?
- まとめ
チップオーバーレイとは?
チップオーバーレイとは自爪にネイルチップを装着し、その上からアクリルをのせて補強する技法です。
人工的に長さや強度を与えられる施術の一つで、ネイル検定1級の実技試験にも採用される重要な項目になっています。
大きな特徴は、チップを土台にすることで安定感が出やすく、均一な厚みやなだらかなカーブを作りやすいこと。
スカルプチュアに比べて工程がシンプルなので、フォルムを整えやすく仕上がりも安定しやすいのがメリットです。
また、自爪の一部分に欠けや弱さがあっても補強でき、見た目の自然さを保ちながら美しいフォルムを演出できます。
ただし、チップの接着やグルーの塗布量、アプリケーション時のミクスチュアの扱いがうまくいかないと、段差や空気が入り取れる原因にもなります。
耐久性を高めるためには、一つひとつの工程を丁寧に進める意識が欠かせません。
チップオーバーレイが苦手な人が多い理由
チップオーバーレイは「工程が多い」「チェックポイントが細かい」という理由から、苦手意識を持つ人が少なくありません。/p>
チップのサイズ選びや装着位置がほんの少しずれるだけでサイドラインやキューティクルラインが不自然になり、全体のバランスが崩れてしまいます。
ネイルベッドに合わないチップを使うと段差や浮きの原因にもなるため、注意深く選ぶことが重要です。
さらに難しいのがアプリケーションの工程です。
ミクスチュアの分量や硬さを均一に調整できないとセルフレベリングがうまくいかず、表面にバブルや段差が残りやすくなります。
特にリキッドとパウダーの比率が安定しないと硬化不良や持ちの悪さにつながるため、練習不足のうちは失敗を繰り返しがちです。
加えて、グルーの塗布量やチップの接着角度などの小さなポイントをおろそかにするとコンタクト部分に空気が入り、強度が落ちる可能性もあります。
こうした「細部までの意識」が求められる点が、チップオーバーレイを難しいと感じる大きな理由といえるでしょう。
チップオーバーレイはセルフでの習得が難しい?
チップオーバーレイはセルフで挑戦することも可能ですが、完全に習得するには難易度が高い技法です。
独学の場合はチップの装着位置やサイドラインの角度などを「真上から見た時に並行か?」といったチェックを自分だけで行うのは難しく、仕上がりが左右にぶれやすくなります。
また、リキッドとパウダーの比率やミクスチュアの硬さは経験を積んで感覚で覚える部分が大きく、セルフだと適切な分量を判断するのに時間がかかることも多いです。
実技試験で求められる細かな減点ポイントを自分で意識するのも難しいため、練習しても「正しくできているかどうか」が分からないままになる可能性があります。
■ネイルスクールで学ぶのがおすすめ
チップオーバーレイは工程の多さや細かな注意点が多いため、独学だけでは感覚をつかみにくい技法です。
そのため、効率的に習得したい方にはネイルスクールで学ぶことをおすすめします。
スクールでは、プロの講師がリキッドとパウダーの適切な比率、ミクスチュアの硬さの目安、アプリケーションの筆の角度などを直接指導してくれるので、独学で陥りやすい失敗を早い段階で克服できます。
実技試験のチェックポイントや減点されやすい部分も詳しく教えてもらえるため、検定対策としても非常に有効です。
練習中の手元を講師にその場で見てもらえることで、自分では気づけないクセや改善点を確認できるのも大きなメリット。
セルフで学ぶよりも短期間で効率よく技術を身につけられるため、本番での合格やサロンワークにつながる力を養うことができるでしょう。
スカルプネイルとの違いは?
チップオーバーレイとスカルプネイルはどちらもアクリルを使用する技法ですが、土台となる部分に違いがあります。
スカルプチュアはフォームを爪先に装着し、そこへ直接ミクスチュアをのせて人工的に長さを作り出す方法です。
対してチップオーバーレイは、ネイルチップを自爪に装着して土台とし、その上からアクリルを重ねて補強するやり方になります。
スカルプは「何もないところから長さを作る」技法、チップオーバーレイは「チップをベースにして強度や長さを出す」技法という違いです。
スカルプは自由度が高い分だけ技術力が問われ、仕上がりの美しさに差が出やすいのが特徴。
一方でチップオーバーレイは、あらかじめ形のあるチップを利用するためフォルムを作りやすく、均一でなだらかなカーブを出しやすい点がメリットです。
検定対策としてはどちらも重要ですが、求められる技術やチェックポイントが異なるので練習方法も分けて考える必要があります。
チップオーバーレイとチップラップの違い
チップオーバーレイと混同されやすいのが「チップラップ」です。
どちらもネイルチップを自爪に装着する点は同じですが、その上にのせる素材が異なります。
チップオーバーレイではアクリルを使って厚みや強度を出すのに対し、チップラップではシルクやファイバー、リネンといった布素材を使用してチップを覆う技法です。
そのため、チップオーバーレイは強度重視、チップラップは補修やナチュラルな見た目重視という特徴の違いがあります。
例えば、爪先を1cm以上長くしたい場合は耐久性のあるチップオーバーレイが適していますが、小さなヒビの補強や自然な透明感を残したい時にはチップラップの方が向いています。
目的や仕上がりのイメージに合わせて選ぶことが大切です。
チップオーバーレイの手順とコツ
チップオーバーレイは、正しい手順を理解して一つひとつの工程を丁寧に行うことで美しい仕上がりと高い強度を得られる技法です。
特に検定対策では時間配分や減点ポイントも意識する必要があるため、基本の流れとコツを押さえておくことが重要。
ここでは代表的な手順と、それぞれの注意点を解説していきます。
1. チップを選ぶ
チップオーバーレイの仕上がりを大きく左右するのが、最初のチップ選びです。
ここで適切なサイズを選べていないとあとでいくら丁寧にアプリケーションしても自然な見た目にならず、強度も不十分になってしまいます。
目安としては、自爪よりわずかに大きめを選ぶのがコツ。
小さめだとサイドが覆えず隙間ができてしまい、逆に大きすぎるとサイドラインが広がって浮きやすくなります。
選んだチップが爪のカーブに沿っているかどうか、真上やサイドから確認してフィット感をチェックしましょう。
また、検定対策では「チップのサイズが合っているか」は重要な採点項目の一つ。
コンタクト部分がネイルベッドに自然になじみ、左右のバランスが均一に整っているかを意識することが合格への第一歩になります。
2.チップを装着する
チップを装着する工程では、グルーの扱いと装着角度が重要なポイントになります。
グルーは多すぎると空気が入りやすく、少なすぎると接着が不十分になり取れる原因になるため注意が必要です。
コンタクトゾーンに均一に塗布し、自爪に対して真っ直ぐ並行にスライドさせるように装着すると、余分な空気を逃がしやすくなります。
装着後は10秒ほど静止させてしっかり圧着しましょう。
このときチップが左右にずれていないか、先端がストレートに揃っているかを確認するのも忘れずに。
ネイルベッドとの位置が合っていないと段差や浮きが出て、仕上がりや強度に影響してしまいます。
検定試験では「チップが曲がって装着していないか」が採点基準の一つになっています。
装着の瞬間にこそ落ち着いて手元を確認し、正しい位置に装着できるよう意識することが大切です。
3.チップを削って段差を整える
チップを装着したあとは、自爪とチップの境目にできる段差をなだらかに整える作業が必要です。
この工程を丁寧に行うことで表面が均一になり、アクリルをのせたときの仕上がりがぐっと美しくなります。
削る際は、ネイルファイルやバッファーを使用します。
力を入れすぎるとチップが薄くなりすぎて強度が落ちるため、やさしく均一に動かすのがコツです。
サイドやキューティクルラインを削ってしまわないよう、ファイルの角度にも注意しましょう。
段差が残っているとアクリルのアプリケーション時にラインが目立ち、実技試験では減点につながる可能性があります。
こまめに表面の状態を確認しながら、自然に繋がるようになだらかに仕上げることがポイントです。
4. アクリルパウダーの色を選ぶ
アクリルパウダーの色選びは、チップオーバーレイの仕上がりを大きく左右する大切な工程です。
検定対策では指定色の使用が基本となりますが、日常的な施術やアートに取り入れる場合も色の組み合わせ次第で見た目の自然さや華やかさが変わります。
一般的にはネイルベッドにはピンク系、フリーエッジ部分にはナチュラルやホワイト系、全体の補強にはクリアを使うのが基本的な流れです。
クリアは透明感と輝きを出しながら強度を補えるため、仕上がりを均一に整える役割があります。
色を選ぶときは、ネイルベッドとの境目が不自然に見えないように比率を調整するのがコツ。
1cm以上長さを出す場合はホワイトを多めにしてバランスをとり、逆にナチュラルに見せたいときはピンクやクリアを中心に使うと自然な仕上がりになります。
仕上がりをイメージしながら色を選ぶことで、試験対策だけでなくサロンワークやセルフネイルでも満足度の高い結果につながりますよ。
■一般的なパウダーの色の組み合わせ
検定試験では、チップに使用するカラーはナチュラル・クリア・クリアピンクと定められています。
チップオーバーレイもスカルプと同様に揃えて仕上げる必要があるため、自分が扱いやすい色の組み合わせを練習段階で見つけておくことが大切です。
代表的な組み合わせには次のようなものがあります。
- すべてナチュラル
簡単につくりやすく、統一感のある仕上がりになるのが特徴。ただし境目をきちんとぼかさないと色ムラが出やすいので注意が必要です。 - すべてクリア
作業が比較的簡単で、境目のラインが目立ちにくいメリットがあります。ただし、ネイルベッドのサイズが均一に揃っていないと全体がバラついた印象になりやすい点には気をつけましょう。 - 先端をナチュラル、ネイルベッドはクリアまたはクリアピンク
見た目が美しく仕上がりやすく、王道の組み合わせといえます。ただしアプリケーションが雑だとラインが崩れ、仕上がりが粗く見えてしまう可能性があります。
どの方法にもメリットとデメリットがあるため、練習を重ねて自分に合った組み合わせを見つけておくことが合格への近道です。
5. アプリケーションしていく
アプリケーションとは、リキッドとパウダーを混ぜ合わせたミクスチュアをボール状に取り、自爪やチップの上にのせてフォルムを作っていく工程のこと。
チップオーバーレイの仕上がりや強度を決める最も重要なステップです。
ここでは1ボール目から3ボール目まで、それぞれの位置と役割を解説します。
■ミクスチュア1ボール目
1ボール目はフリーエッジから先端部分にのせ、爪先の強度をつくる役割があります。
特にフリーエッジは日常生活で最も欠けやすい部分なので、この工程でしっかり補強しておくことが大切です。
置いたミクスチュアは筆を軽くスライドさせながら左右に広げ、サイドラインまで均等に行き渡らせます。
厚みを出しすぎると不自然なフォルムになるため、横から見たときにストレートでなだらかなラインになるよう意識しましょう。
ここでフリーエッジ全体をしっかりカバーできているか真上から確認するのがポイント。
1ボール目の仕上がりが、その後のアプリケーション全体の安定感を決めます。
■ミクスチュア2ボール目
2ボール目はネイルベッドの中央にのせ、全体の厚みとハイポイントをつくる役割を持ちます。ここで形を整えることで仕上がりのフォルムが自然に見え、強度も安定します。
ミクスチュアは1ボール目より少し小さめを取り、中央に置いたら筆を使って境目をなじませるように広げましょう。
厚みを均一に意識し、サイドラインに沿って左右対称に整えるのがポイントです。
分量が多すぎるとバランスが崩れ、少なすぎると強度不足になります。
真上から見て、ハイポイントが中央にしっかり残っているかを確認すると仕上がりが安定します。
■ミクスチュア3ボール目
3ボール目はキューティクル付近にのせ、根元を自然になじませる工程です。
目的は厚みを出すことではなく、表面をなだらかに仕上げて全体のフォルムを完成させることにあります。
置く位置はキューティクルラインぎりぎりではなく、ほんの少し手前。
ごく少量のミクスチュアを置き筆先で軽く押さえながら左右に広げると、境目が自然に繋がります。
ここで量を多くしすぎるとキューティクルに流れ込み、浮きや剥がれの原因になるため注意が必要です。
根元がきれいに整うことで全体の仕上がりがぐっと美しく見え、検定試験でも高評価につながります。
6.ピンチを入れる
アプリケーションが終わり、アクリルが半硬化して弾力のある状態になったらピンチを入れます。
ピンチとは、サイドから軽く圧をかけて爪のCカーブを強調し、強度と美しい形状をつくるための工程です。
タイミングはとても重要で、硬化が進みすぎるとピンチが入らず逆に柔らかすぎると形が崩れる可能性があります。
目安はアクリルを軽く触って、指にほとんどつかない程度に硬化した頃。
だいたい装着から30秒〜1分程度が目安ですが、使用するメーカーや環境によっても変わるので自分の材料の硬化速度を把握しておくことが大切です。
ピンチを入れる際は左右から均等に圧を加え、真上から見て左右対称になっているかを確認しましょう。
Cカーブが整うことで耐久性が増し、見た目も引き締まった仕上がりになります。
検定試験でも美しいカーブは評価の対象となるため、何度も練習して感覚を掴んでおくと安心です。
7.削ってフォルムを整える
アクリルが完全に硬化したら、ネイルファイルを使ってフォルムを整えます。
ここでの目的は厚みや長さを均一にし、全体をバランスよく仕上げることです。
検定試験では「フォルムが整っているか」が大きなチェックポイントになるため、細部まで丁寧に削ることが欠かせません。
まずはサイドラインとフリーエッジを整え、長さを揃えます。
その後表面を削ってハイポイントを意識しながら、なだらかなカーブに調整しましょう。
削るときは力を入れすぎず、ファイルを一定の方向に動かすのがコツです。
バランスを確認する際は、真上・横・先端から見て均一になっているかをチェックすると失敗を防げます。
仕上げにバッファーを使って表面をなめらかにすると、アクリル特有の輝きが引き立ちます。
段差や凹凸が残っていると見た目も強度も落ちるため、最後まで集中して作業を行いましょう。
8.磨く
フォルムを整えたら、最後に表面を磨いて仕上げます。
ここではバッファーやシャイナーを使用し、表面の細かいキズを消してなめらかにすることが目的です。
まずはバッファーで表面全体を均一に整え、エッジやサイドに段差が残っていないかを確認しましょう。
次にシャイナーを使って磨き上げると、アクリルの持つ透明感や輝きがしっかり引き出されます。
力を入れすぎず、一定方向に軽く動かすのがポイント。
この工程を丁寧に行うことで、自然なツヤとプロらしい仕上がりが完成します。
検定試験では見た目の美しさも評価対象になるため、最後の磨きまで気を抜かないことが合格への近道です。
チップオーバーレイをきれいに仕上げるポイント
チップオーバーレイは正しい工程を踏むことが基本ですが、仕上がりの美しさを左右するのは小さなポイントへの意識です。
とくに検定試験ではグルーの扱いやチップのサイズ選び、ミクスチュアの状態や筆の使い方といった細部が減点につながる可能性もあります。
ここでは代表的な4つのチェックポイントと、その理由を解説します。
グルーの塗布量に気を付ける
グルーはチップオーバーレイの安定性を左右する大切な工程ですが、塗布量を間違えると失敗につながります。
量が少なすぎるとチップがしっかり接着せず、浮きやすくなったり短期間で取れる原因になりかねません。
逆に多すぎるとコンタクト部分に空気が入りやすく、バブルや段差が残ってしまい仕上がりの美しさを損ないます。
均一に薄く、必要な範囲だけに塗布するのが理想的です。
装着する際はチップを自爪に対して真っ直ぐスライドさせながら密着させることで余分な空気を押し出し、接着面をきれいに整えることができます。
グルーの扱いを安定させることが、美しいフォルムと耐久性のある仕上がりにつながるポイントです。
チップは少し大きめを選ぶ
チップオーバーレイでは、チップのサイズ選びが仕上がりの自然さと強度を大きく左右します。
小さめのチップを無理に装着するとサイドラインが足りずに爪の一部分が露出してしまい、そこから浮きや剥がれが起こる原因になります。
さらに、強度も不十分になり日常生活で欠けやすくなる可能性もあります。
少し大きめのチップを選んで自爪に合わせて削ればサイドまでしっかり覆えるため安定感が増し、見た目もバランスよく仕上がります。
サイズ調整はネイルファイルでサイドやコーナーを整えることで簡単に対応できるので、最初から小さめを選ぶより安全です。
サイドラインを覆えるサイズを基準に選ぶことが、美しく長持ちするチップオーバーレイの基本といえるでしょう。
扱いやすいミクスチュアの硬さを知る
チップオーバーレイでは、ミクスチュアの硬さをコントロールできるかどうかが仕上がりの質を大きく左右します。
硬すぎると素早く形を作らないと固まってしまい、なだらかなカーブや均一な厚みを出すのが難しくなります。
逆に柔らかすぎると流れてしまい、キューティクルラインやサイドに入り込んで汚れた仕上がりになる可能性があります。
扱いやすいのは「ゆるめすぎず、硬すぎない」中間の硬さ。
筆で軽く動かしたときにセルフレベリングしながら形が整っていく程度が理想です。
この状態ならアプリケーション中に余裕を持って操作でき、空気が入りにくくバブルも防ぎやすくなります。
メーカーやリキッドの比率によっても硬さは変わるため、自分が一番扱いやすい状態を練習で探しておくことが重要です。
筆の角度を意識する
アプリケーションの際に筆の角度を正しく意識することは、美しいフォルムと均一な仕上がりを作るうえでとても大切です。
筆を立てすぎるとミクスチュアが押し広がって厚みが不均一になり、逆に寝かせすぎると表面をなでるだけになってバブルが入りやすくなります。
理想的なのは、ミクスチュアを置いた後に筆をやや寝かせて真上から軽く押さえるようにコントロールすること。
これにより余分なリキッドを吸い取りながら、ゾーンごとに適切な厚みを保ちやすくなります。
サイドラインやエッジ部分は角度を細かく調整しながら流すことで、均一でバランスの取れたフォルムに整えられます。
筆の角度を常に意識することが、なめらかで自然な輝きを持つ仕上がりにつながるポイントですよ。
ネイリスト検定1級チップオーバーレイ主な採点基準は?
ネイリスト検定1級では、チップオーバーレイの仕上がりが細かくチェックされます。
単に人工爪をつけられればよいのではなく、サロンワークに通用する適切な施術と美しいフォルムが求められるのが特徴です。
採点基準を理解して練習を重ねることで、試験本番でも安定した技術を発揮できるでしょう。
ここでは、ネイリスト検定1級チップオーバーレイの主な採点基準を解説していきます。
ネイリスト資格の全知識|かかる費用やスクール・独学・就職の完全ガイド
https://www.nailjoshi.com/100323/
チップのサイズは合っているか?
チップのサイズ選びはチップオーバーレイの基本であり、検定でも特に重視される部分です。
チップが小さすぎるとネイルベッドを覆いきれず、サイドのコンタクト部分に隙間ができて強度不足になります。
逆に大きすぎるとサイドラインやキューティクルにかぶってしまい、自然な仕上がりにならなかったり施術後の浮きやすさにもつながります。
適切なサイズは左右のサイドラインにぴったり合い、エッジ部分まで均一にフィットしていることが目安です。
真上から見ても横から見ても違和感がなく、全体のバランスが取れているかを確認しましょう。
検定ではこうした細かなチェックポイントが採点対象になるため、サイズ選びの段階で妥協しないことが大切です。
チップは曲がって装着していないか?
チップを装着する際にわずかでも曲がってしまうと、全体のフォルムや仕上がりに大きな影響を与えます。
チップが左右どちらかに傾いていると長さや形状が均一に見えず、真上から確認したときにストレートラインが崩れてしまいます。
そのままアプリケーションを進めるとサイドのバランスが不自然になり、最終的に減点対象となる可能性が高いです。
検定では「チップが正しい位置に並行に装着されているか」が重要なチェックポイントの一つ。
装着後は必ず真上や横から見て、中心がフリーエッジと一直線になっているかを確認しましょう。
少しの曲がりでも仕上がりに影響するため、装着時には重力や角度を意識しながら丁寧に接着することが大切です。
チップの長さが揃っているか?
チップオーバーレイでは、全ての指のチップの長さが均一であるかどうかも大切な採点基準になります。
1本でも長さが揃っていないと全体のバランスが崩れ、仕上がりが不格好に見えてしまうため注意が必要です。
特に検定では「左右7本の長さが同じか」「フリーエッジの先端ラインがストレートに揃っているか」といった細部までチェックされます。
長さを合わせる際の目安としては、一般的に5mmや1cmといった規定の基準が設けられているので、ネイルファイルでカット&整えるときにしっかり測って調整しましょう。
真上からだけでなく横や斜めからも確認し、なだらかなラインで均一に見えるかを意識することがポイントです。
細部までそろった美しい長さは完成度の高い仕上がりを演出すると同時に、検定合格への大きな一歩になります。
まとめ
チップオーバーレイは自爪の補強とフォルムづくりを同時に叶えられる技法であり、セルフネイルから検定対策まで幅広く活かせます。
強度を増して欠けや割れを防ぎ、見た目も自然でプロらしい仕上がりに近づけるのが大きな魅力です。
ここまで紹介してきたように、サイズ選びや装着角度・グルーの扱い・3ボールのアプリケーションなど、工程ごとに意識すべきポイントはたくさんあります。
決して簡単な技術ではありませんが、細かなチェックを重ねながら練習することで仕上がりは確実に上達していきますよ。
検定に挑戦する方はもちろん、セルフで自分の爪をきれいにしたい方にとっても、習得すれば自信になる技法です。
自分の手で形を整え、美しいネイルを完成させられる達成感は格別。
ぜひこの記事の内容を練習に取り入れて、一歩ずつステップアップしてみてくださいね。
【簡単初心者向け】セルフでスカルプネイルの正しいやり方とオフの注意点
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