ジェルネイルの中でも特に強度が高くツヤのある仕上がりが魅力の「ハードジェル」。
ただ「アセトンではオフできない」「セルフでは難しい」と不安に感じる方も多いでしょう。
サロンではマシンでのオフが一般的ですが、正しい手順を押さえれば自宅でも安全に落とせます。
この記事ではソフトジェルとの違いや特徴を整理しつつ、ファイルやニッパーを使ったオフ方法、マシンでのやり方まで丁寧に解説。
セルフオフのコツやネイルケアのポイントもあわせて紹介するので、ハードジェルを試してみたい方はぜひ参考にしてみてくださいね。
ハードジェルとは?

ジェルネイルに使われるジェルにはいくつか種類がありますが、その中でも特に強度が高くツヤのある仕上がりを叶えるのが「ハードジェル」です。
サロンワークではもちろん、セルフネイルでも取り入れる方が増えてきています。
ハードジェルの大きな特徴は、硬化後の強度と透明感。
通常のソフトジェルに比べて硬化したあとにしっかりとした硬さを持つため、長さ出しやスカルプの代わりとしても利用されます。
また、光を通すとガラスのようなクリア感が出るので、仕上がりに高級感やプロ仕様の美しさを演出できるのも魅力です。
耐久性が高い分、日常生活で欠けたり浮いたりしにくく、数週間にわたって美しい状態を保ちやすいのもメリット。
水仕事が多い方や爪が薄くて折れやすい方にとっては、心強い存在になることが多いでしょう。
硬化後の強度が高いため衝撃から爪を守りやすくツヤの持ちも良く表面が曇りにくいため、最後まで美しい質感を楽しめます。
ただし柔軟性が少ないため衝撃がそのまま自爪に伝わり、かえって負担になるケースもあります。
さらに、オフの際にアセトン(リムーバー)では溶けず、ファイルやマシンを使って削り落とす必要がある点もデメリット。
そのため「オフが難しい」「セルフで落とせないのでは?」と不安に感じる方も少なくありません。
ハードジェルは「強度」「ツヤ」「持ちの良さ」を求める方にぴったりのジェルです。
長さ出しやスカルプ風のネイルを楽しみたいとき、あるいは爪を補強したいときに選ばれることが多く、ネイルデザインの幅を広げる役割も果たしてくれます。
ただし、自分の爪の状態やライフスタイルに合わせて取り入れることが、長く快適に楽しむためのポイントです。
ソフトジェルとハードジェルの違い
ジェルネイルには大きく分けて「ソフトジェル」と「ハードジェル」があり、それぞれ性質や用途に大きな違いがあります。
どちらもライトで硬化させて美しいツヤを出す点は共通していますが、仕上がりやオフの仕方・持ちの良さに違いがあるため、自分に合った方を選ぶことが大切です。
まず一番大きな違いは硬化後の柔軟性です。
ソフトジェルは硬化してもある程度のしなやかさが残り、地爪に近い自然な付け心地を楽しめます。
日常の動きにもフィットしやすいため、爪先が柔らかい方やナチュラルな仕上がりを求める方に向いています。
ハードジェルはその名の通り硬さが特徴で、強度が高いため長さ出しやスカルプの代替としても利用可能。
割れやすい爪の補強としても重宝されますが、柔軟性がない分、衝撃が爪に直接伝わりやすい点は注意が必要です。
次に、オフの方法に違いがあります。
ソフトジェルは「ソークオフジェル」とも呼ばれ、アセトンを使えば比較的短時間で溶かして落とせます。
セルフネイル派に人気なのは、この「オフのしやすさ」も理由のひとつです。
それに対してハードジェルはアセトンでは溶けず、リムーバーで落とせないためファイルやネイルマシンで削ってオフする必要があります。
この点を理解せずに付けてしまうと「オフできない」と困ってしまうケースがあるので、セルフで挑戦する場合は特に注意が必要です。
仕上がりの質感にも違いがあります。
ソフトジェルはツヤが柔らかく、ナチュラルで軽やかな印象を与えます。
カラーバリエーションも豊富で、オフィスネイルや普段使いにもぴったりです。
対してハードジェルは透明感と光沢が強く、ガラスのようなクリア感を楽しめるのが特徴。
ツヤの持ちも良いため、最後までプロ仕様の美しい仕上がりをキープしやすいのが魅力です。
持ちの良さも異なります。
ソフトジェルは約3週間、ハードジェルは4週間以上長持ちすることも多く、生活スタイルに合わせて選ぶのが理想です。
サロンでは「オフィスでも違和感のない自然さ」を求める方にはソフトジェル、「強度と華やかさを重視する方」にはハードジェルが提案されることが多いでしょう。
ソフトジェルとハードジェルはどちらが優れているかではなく「どんな仕上がりを求めるか」「オフをどうするか」によって選ぶのがおすすめです。
それぞれの特徴を理解して、自分のライフスタイルやネイルデザインに合うジェルを取り入れてみてください。
ソフトジェルとハードジェルの違いはこちらの記事で解説しています♪
ハードジェルをセルフオフするやり方(マシンなし)

ハードジェルはアセトンでは溶けないため、セルフでオフする場合はファイルやニッパーを使って物理的に削り落とす必要があります。
削る作業はどうしても爪に負担がかかりやすいので、焦らず少しずつ進めることがポイントです。
ここでは、マシンを使わずに行う基本的な手順を解説していきます。
用意するもの
- ニッパー
- ゼブラファイル 100G
- ゼブラファイル 180G
- エメリーボード
- ダストブラシまたはペーパータオル
- ネイルオイルやハンドクリーム
1.長さ出しがある場合はニッパーでカットする
まず最初に、スカルプやチップで長さを出している場合は、ニッパーで余分な部分をカットしておきましょう。
そのまま削り始めるとファイルに時間がかかってしまいます。
ニッパーを使う際は、自爪まで一気に切らないよう注意が必要。
ジェルの厚みを確認しながら、端から少しずつ切り進めると安心ですよ。
一度に大きく切ろうとすると亀裂が入ったり、自爪に衝撃が伝わってしまうこともあるため控えましょう。
ネイル用の刃先が細いニッパーを選ぶと狙った位置をカットしやすく、仕上がりもきれいになります。
何回かに分けて丁寧に短くしていくのがポイントです。
2.ゼブラファイル100Gでトップとカラーを削る
ゼブラファイル100Gを使って表面のトップジェルとカラージェルを削っていきます。
100Gは目が粗いため削る力が強く、厚みのあるハードジェルを効率よく落とせるのが特徴です。
ただし力を入れすぎると自爪にまで到達してしまう危険があるので、ファイルは軽く当てる程度で十分。
力任せに動かすのではなく、一定方向にやさしく滑らせるのがコツです。
削る際は摩擦熱がこもりやすく、長時間同じ場所を削ると熱さや違和感を覚えることがあります。
熱を感じたら一度ファイルを離し、角度を変えて均等に削り進めましょう。
ハードジェルはソフトジェルよりも粉が多く舞いやすいため、マスクやペーパータオルを用意しておくと安心。
周囲に粉が散らばらないよう、作業スペースにキッチンペーパーを敷いておくのもおすすめですよ。
3.ゼブラファイル180Gに変えてベースジェルを削る
トップとカラーを落としたら、ゼブラファイルを180Gに持ち替えてベースジェルを削ります。180Gは100Gに比べて目が細かく自爪を傷つけにくいので、仕上げの段階にぴったり。
力を入れすぎず、爪のカーブに沿ってやさしくファイルを動かすのがポイントです。
完全に削り切る必要はなく、薄く一層だけ残すイメージで十分。
サロンでもベースをすべて取り除かず「フィルイン」という方法で付け替えることが多く、自爪への負担を減らす工夫がされています。
セルフで完全オフをしたい場合も、焦らず少しずつ厚みを落としていくことが大切です。
削りすぎを防ぐために、途中で爪表面をチェックしながら進めると安心ですよ。
4.エメリーボードで爪の形を整える
ジェルをほとんど削り終えたら、仕上げとしてエメリーボードで爪の形を整えていきます。
エメリーボードは目が細かく、爪の先端をなめらかに仕上げるのに最適なツール。
爪の形はスクエア、ラウンド、オーバルなどいくつかタイプがあるので、自分の爪質や日常の動作に合った形を選ぶと割れや欠けを防ぎやすくなります。
特に日常的にパソコンを使う方や水仕事が多い方は、引っかかりにくいラウンドやオーバルがおすすめです。
逆にスクエアはスタイリッシュな印象に仕上がりますが、角が残りやすいため少し扱いに注意が必要。
どの形でも両サイドを削りすぎると巻き爪や二枚爪の原因になることがあるので、角をほんの少し丸める程度にとどめるのがポイントです。
最後に削った部分を指で軽く触って引っかかりがないか確認しておくと、仕上がりの完成度がぐっと高まります。
5.ネイルオイルで保湿する
オフの仕上げには、必ずネイルオイルで保湿を行いましょう。
ジェルオフ直後の爪は水分や油分が奪われ表面が乾燥して弱くなっているため、放置すると二枚爪や割れの原因になりやすい状態です。
ネイルオイルを爪の根元やキューティクル周りに塗り込んで軽くマッサージをしながら血行を促すと、健康的な爪の成長もサポートできます。
爪の表面だけでなく裏側や指先全体に馴染ませることで、よりしっかりとした保湿が可能に。
仕上げにハンドクリームを重ねれば、乾燥を防ぐダブルケアになります。
日常的にネイルオイルを使う習慣をつけると爪の回復が早まり、次に塗るジェルやマニキュアの持ちも良くなるのが嬉しいポイント。
オフの後はもちろん、普段から取り入れることで健やかな指先を維持できますよ
ネイルマシンでハードジェルをオフする場合

ハードジェルはアセトンで溶けないため、サロンではネイルマシンを使ったオフが一般的です。
セルフで行う際も、正しいビットと手順を押さえれば効率よく安全にジェルを削り落とせます。
まず使用するビットは、カーバイドビットやセラミックビットのコース(粗目)がおすすめです。
削る力が強いので、トップジェルやカラージェルの厚みを短時間で落とせます。
最初から細かいビットを使うと時間がかかり摩擦熱もこもりやすいため、粗目からスタートし、仕上げにミディアム~ファインビットに切り替えるのが基本です。
削るときは、一定方向に軽く当てて、マシンを動かし続けることが大切。
同じ場所に長く当てると摩擦熱が発生し、自爪や皮膚にダメージを与える原因になります。
圧をかけず、ビットの重さを活かして表面をなぞるように動かしましょう。
トップとカラーが取れたら180G相当のファインビットに持ち替え、ベースジェルを少しずつ薄く残すイメージで削ります。
サロンでも「フィルイン」と呼ばれる技法でベースを完全に削り切らずに次のジェルを重ねていくケースが多いため、セルフでも無理に自爪を出さない方が安全です。
粉じんが多く舞うのでマスクやゴーグルを着用し、換気の良い場所で作業することも忘れずに。
マシンの回転数は高すぎると扱いづらく、低すぎると逆に引っかかるため、15,000~20,000回転前後を目安にすると安定しやすいです。
マシンを使えばファイルだけの作業に比べて時間短縮が可能ですが、慣れないうちは自爪を削りすぎるリスクもあるので気をつけましょう。
最初は慎重に少しずつ練習していくのがおすすめです。
ハードジェルに関するQ&A

ハードジェルは強度やツヤの面で魅力が多い一方で、「オフできないのでは?」「セルフでは扱いが難しい?」など疑問を持つ方も少なくありません。
特にソフトジェルとの違いやオフ方法に関しては、サロンでもセルフでもよく質問されるテーマです。
ここでは、実際に多く寄せられる疑問を取り上げながらネイリストの視点でわかりやすく解説していきます。
付け替えをするときの手順は?
ハードジェルの付け替えでは「不要な部分だけを削り、必要なベースを残す」ことがポイントです。x
浮きやリフトがなければ、自爪に密着している部分を一層残して、その上から新しいジェルをのせる「フィルイン」という方法が推奨されます。
フィルインでは自爪を削りすぎないため負担が少なく、仕上がりの強度も安定します。
セルフオフで完全にジェルを落とすのは手間もリスクも高いため、付け替えの際はフィルインを意識して行うのがおすすめです。
- 表面を削る
トップとカラージェルをゼブラファイルやマシンで落とします。厚みを均一にすることを意識しましょう。 - 浮きやリフト部分を削り取る
根元やサイドなどに浮きがある場合は、その部分だけしっかり除去します。浮きが残っていると次のジェルがはがれやすくなる原因になります。 - 段差をならす
残したベースジェルと自爪の境目を180G程度のファイルでなだらかに整えます。ここが滑らかでないと、新しいジェルをのせたときに凹凸が出てしまいます。 - プレパレーションを行う
ダストを取り除き、エタノールで油分・水分を拭き取ります。必要に応じてプライマーを使用し、自爪の表面を整えましょう。 - 新しいジェルをのせる
ベース → カラー → トップの順に塗布・硬化し、仕上げます。
付け替えオフについてはこちらの記事もご覧ください♪
トップだけハードジェルの場合はどうすればいいの?
ジェルネイルによっては、ベースとカラーはソフトジェルでトップだけをハードジェルで仕上げるケースもあります。
これはハードジェル特有の「ツヤの持ち」や「強度」を生かすための方法で、サロンでもよく取り入れられています。
ただし、オフの際はアセトンで簡単に溶かせないため、トップのハードジェルをファイルやマシンでしっかり削り落としてから、残ったソフトジェル部分をアセトンで除去する流れになります。
セルフで行う場合は削りが不十分だとアセトンが浸透せずに時間がかかったり、逆に削りすぎても自爪を傷めやすいので注意が必要です。
厚みを均一に削り落とし、カラーが透ける程度で止めるのが安心。
オフ後は乾燥しやすいため、ネイルオイルやハンドクリームで丁寧に保湿して仕上げましょう。
ベースだけハードジェルの時はどうすればいいの?
ベースにハードジェルを使い、その上にソフトジェルのカラーやトップを重ねるスタイルはよくあります。
強度が上がり爪の補強にもなる一方で、オフの方法がやや特殊なのが注意点です。
まず知っておきたいのは、ハードジェルはアセトンでは溶けないということ。
カラーやトップなどソフトジェル部分はアセトンで落ちますが、ベースに残るハードジェルは必ずファイルやマシンで削る必要があります。
そのため「全部アセトンで溶かそう」と思うと残ってしまい、「オフできない」と焦る原因に。
セルフで対応するならカラーやトップを先にアセトンで薄くしてから、ベース層のみ削る方法を選ぶと安心です。
最終的にベースをすべて削るか、薄く一層残して次のジェルに繋げるかは、自爪の状態やライフスタイルで判断するといいでしょう。
削りすぎを避けたい方は薄く一層残したフィルインを意識するのもおすすめです。
まとめ
ハードジェルは強度と透明感に優れ、ガラスのようなツヤと持ちの良さが魅力です。
長さ出しや爪の補強にも向いており、ソフトジェルでは得られない高級感のある仕上がりを楽しめます。
一方で、アセトンではオフできないためファイルやマシンで削る必要があり、「オフが難しい」と感じる方が多いのも事実です。
ただし正しい手順を知ればセルフでも安全に取り入れることができます。
特に「ベースやカラーはソフト、トップだけをハードにする」方法は、ネイリストとしてもおすすめしたいスタイルです。
強度と耐久性が増し、1か月後でも光沢が続くのを実感できるでしょう。
セルフの場合もトップだけ削ればよいので、オフも比較的簡単ですよ。
ハードジェルを選ぶときは、自爪の状態やライフスタイルに合わせて「完全オフ」「フィルイン」「部分的にハードを使う」など方法を工夫すると安心。
ケアをしっかり取り入れれば、セルフでもサロン級の仕上がりを長く楽しめます。
美しいツヤと強さを両立できるハードジェル。
セルフでも工夫次第で扱えるので、特別感のある指先を楽しみたい方はぜひ気軽に試してみてくださいね。


