「ソフトジェル」と「ハードジェル」といった言葉は、ジェルネイルをしている人なら見かけることがあるのではないでしょうか。これらはジェルの種類を表しています。一口にジェルネイルといっても、種類によって硬さやオフの方法が異なるのです。ジェルネイルの種類が関係するのは、ネイリストやセルフネイラーだけではありません。お客さんとしてネイルサロンに通っている人でも、自分が普段つけているのがソフトジェルなのか、ハードジェルなのか、知っておくことがおすすめです。例えば付け替えでオフ代がかかる時に、ハードジェルだとオフ代が高くなるかもしれませんし、オフに対する時間が、ソフトジェルよりもかかってしまうかもしれません。今回の記事では、ジェルネイルにおけるソフトジェルとハードジェルは見た目で違いがわかるのか、そもそもどんなメリット・デメリットがあるのかについてご紹介してまいります。また、セミハードジェルやアクリルネイルについても解説します。
ソフトジェルとハードジェルは見た目だけではわからない?
ジェルネイルをしている人なら見かけることがある「ソフトジェル」と「ハードジェル」という言葉は、主にジェルネイルの種類を表します。ネイルサロンでは、ソフトジェルのオフ代と、ハードジェルのオフ代では料金が異なるお店が多いのではないでしょうか。しかし、自分が今つけているジェルネイルが、ソフトなのかハードなのかわからないという方は多いようです。特にネイルサロンで施術してもらったときは、ジェルの種類を気にすることなんてあまりないですよね。ではソフトジェルとハードジェルを見分ける方法はあるのでしょうか。
●ネイリストでも見ただけではわからない!
ライトで硬化した後のジェルネイルを見分けるのはとても難しく、自分が施術をしたものでない限り、ネイリストでもわからないことがほとんどです。確かに、ソフトジェルよりもハードジェルの方が強度は高く、透明度も高いので、電気の光や自然光の入り方は違うかもしれません。しかしぱっと見ただけで、ソフトジェルかハードジェルか「絶対に」わかる人はネイリストでもお客さんでも非常に少ないのではないでしょうか。このように、ソフトジェルとハードジェルの見分け方は無いと言えます。
ソフトジェルなのかハードジェルなのか、わかる方法は?
ぱっと見ただけではわからなくても、以下のような方法ならどちらかわかります。
●アセトンを使ってオフできたら「ソフトジェル」
ソフトジェルがハードジェルと異なる最大の特徴は「アセトンを使ってオフできる」という点です。ソフトジェルなら、アセトンが含まれたジェルリムーバーや溶剤によって柔らかくすることができます。もし、あなたがこれからネイルサロンでオフのみ、もしくは付け替えをしたいけど、ソフトジェルかハードジェルかどうしても知っておきたいなら、1本だけジェルリムーバーや溶剤を使ってみてもよいかもしれません。使い方は簡単で、爪の大きさにカットしたコットンにリムーバーを含ませて、指先を包める大きさのアルミホイルで巻くだけです。リムーバーがしっかり浸透するように、10分ほど時間を置きましょう。10分後アルミホイルとコットンを取って、ジェルが柔らかく、オフできるような状態になっていたら「ソフトジェル」が使われています。ちなみに最近はトップジェルだけハードジェルを使うサロンもあるようです。その場合はリムーバーを使うと、カラージェルやベースジェルのみ柔らかくなるので、少し見分けにくいかもしれません。
●ネイルサロンに問い合わせをするのが1番
またお店のトップページやメニュー表に、使用しているジェルの種類や、メーカーを記載しているところもあります。しかし、メーカーによってはソフトジェルもハードジェルも販売しているので、メーカー名の記載だけではわからないことも。やはりお店やネイリストに直接問い合わせをするのが1番です。
ソフトジェルとハードジェルの違いやメリット・デメリットを紹介
自分がお客さんとしてネイルをつける時や、セルフネイルをする時に、ソフトジェルとハードジェルの違いをわかっておくと、よりネイルが楽しめますよ!下記では、どんなところが違うのかをご紹介します。
●ソフトジェルとは
2022年現在、多くのネイルサロンやセルフネイラーに使用されているのがソフトジェルです。「ソークオフジェル」という別名もあります。ソフトジェルはハードジェルに比べると、硬化しても柔らかめの仕上がりになります。その分柔軟性に長けているので、爪のしなりに多少ついてくるような軽いつけ心地が特徴です。そしてハードジェルと最も異なる部分が「アセトンでオフできる」という点です。アセトンの配合されたジェルリムーバーやピュアアセトンに10分程度浸しておくことで、ジェルがふやけてきます。ふやけたジェルをプッシャーでポロポロと落としていくとオフができるので、ネイリストだけでなくセルフネイラーでもオフがしやすくなっています。また、ネイルマシンというジェルを削る機械がなくても、アセトンとファイルがあればオフができます。
●ソフトジェルのメリット
・軽いつけ心地
・オフが簡単
・メーカーや商品のバリエーションが豊富
・セルフネイル用としてもたくさん売られており、安価に購入できる
・オールインワンタイプがあり、1本でベース、カラー、トップまで仕上がる
●ソフトジェルのデメリット
・薄い爪につけると特に取れやすい
・ジェルの長さだしに向いていない
・表面が曇りやすい
・表面が傷つきやすい
ネイリストのおすすめポイント:ソフトジェルで人気のメーカーといえば「パラジェル」です。サンディング不要で自爪へのダメージを軽減できます。EXタイプはより爪への密着がアップしているので、ジェルが取れやすいという方にもおすすめです。
ネイリストのおすすめポイント:メルティージェルのクリアジェルは、ベースにもトップにも使えます。粘度が低く、扱いやすいので初めてのジェルネイルにもおすすめです。
●ハードジェルとは
実はジェルネイルとして最初に誕生したのがハードジェルです。日本では2000年前後にジェルネイルという技術が知られるようになりましたが、その当時はハードジェルしか使われていませんでした。数年後にソフトジェルが日本に上陸し、主流が一気にソフトジェルへと変わっていきます。ハードジェルはその名の通り、硬めの仕上がりと透明度の高さが特徴です。爪が薄い人でも持ちが良い傾向にあり、ストーンや3Dパーツもしっかりくっつきます。2022年現在、ハードジェルだけを使って施術しているネイルサロンはとても少ないです。しかし近年は「フィルイン」という、アセトンを使わずに削ってベースジェルを残して付け替える方法が流行しているので、ソフトジェルだけでなく持ちの良いハードジェルも取り入れているサロンが増えています。しかしハードジェルをオフするには、アセトンを使っても柔らかくならないので、完全に削り落とす必要があります。ネイル初心者だと自爪とハードジェルの境目がわかりにくいので、自爪を傷つけてしまう可能性が高く、またジェルを削るためのネイルマシンがないと、ファイルだけでは非常に時間がかかります。
●ハードジェルのメリット
・薄い爪でも持ちが良い
・硬い仕上がりでソフトジェルよりも強度が出る
・透明度が高い
・長さ出しができる
・フィルインに向いている
●ハードジェルのデメリット
・オフは全て削り落とさなくてはならない
・オフする時に誤って自爪が傷つく可能性が高い
・硬化前から硬い液で扱いにくい
・カラーやバリエーションが少ない
ネイリストのおすすめポイント:耐久性が高く、美しいツヤが特徴のIBDは、ネイルサロンからも人気を集めています。こちらのクリアジェルは長さ出しができるタイプです。
ネイリストのおすすめポイント:クリストリオのクリアジェルはベース・トップ・長さだしまで兼用できる人気のハードジェルです。UVライト・LEDライトのどちらにも対応しています。
セミハードジェルとは?
ジェルネイルの種類の1つに、セミハードジェルというものがあります。その名の通りハードジェルとまではいかないが、硬さのあるジェルで、1ミリ以下程度の長さ出しもできます。一応アセトンでのオフができますが、ソフトジェルほど柔らかくはならないようです。ソフトジェルよりも強度が欲しいけど、アセトンでオフしたいという方や、0.5ミリ程度の長さだしがしたい方、ビジューや大きなパーツをしっかり固定したいけど、アセトンで落としたいという方は使ってみてはいかがでしょうか。
ネイリストのおすすめポイント:ココイストのクリアジェルは透明感が抜群と評判です。こちらのプラチナボンドは粘度が通常よりアップしているので、長さ出しにもおすすめです。
アクリルネイル・アクリルスカルプチュアとは?
ジェルでもマニキュアでもないネイル材料に、「アクリルネイル」というものがあります。一般的に「アクリルスカルプチュア」と言われることが多いです。アクリルネイルは「アクリルパウダー」と「アクリルリキッド」を混ぜて「ミクスチュア」という状態を作り、自爪に乗せてブラシで形成していきます。UVライトやLEDライトで固めるものではなく、自然乾燥で固まるのもジェルと異なる点です。かなりの強度が出るので、ネイルコンペで見るようなロングネイルや、割れてしまった爪、折れてしまった爪を人工的に作ったり補強したりするのに向いています。また、爪の長さやフォルムはアクリルを使い、カラーやアートはジェルを使うといった組み合わせも可能です。
そんな便利なアクリルネイルにも、難点があります。まず、アクリルはパウダーとリキッドを混ぜる分量が重要です。適切な硬さのミクスチュアを作らないと、仕上がりが悪くなってしまいます。いきなり自爪に作ろうとするのではなく、アルミホイルの上でミクスチュアを作る練習をしてから行うのがおすすめです。また、アクリルリキッドはニオイが強く、換気にかなり気をつけないと、部屋中に独特なニオイが充満してしまいます。そして、オフするときはアセトンで柔らかくなりますが、密着度も強度も高いので、ソフトジェルほど簡単に落とせません。そのためアセトンを使わずに、フィルインやリペア(伸びてきた部分を埋めるように塗り足す)をするのがおすすめです。
ネイリストのおすすめポイント:アクリルネイルに必要なリキッド・パウダー・ダッペンディッシュ・筆などが一通り揃っています。届いた時からアクリルネイルが始められます。
アクリルスカルプチュアはネイルサロンでやる場合はできるサロンとできないサロンがあります。ジェルネイル専門店では長さ出しもアクリルではなくジェルを使っているところも多いです。もしアクリルスカルプチュアで長さ出しをしてアートもしたいという場合は、アクリルスカルプチュアを専門的に取り扱っているネイルサロンで行うのがいいでしょう。ジェルネイルより付けるのに時間がかかることが多く、内容によりますが2時間~3時間ほどかかると考えましょう。アートをたくさん付けたい場合には120分つけ放題や180分つけ放題などの「つけ放題メニュー」を選ぶと、時間内なら決まった金額でたっぷりのアートを楽しむことができますよ。
ポリジェルとは?
最近流行りの長さ出しの方法にポリジェルというものがあります。ポリジェルはネイルチップフォームというネイルチップ状の方にポリジェルを入れ込んで自爪にギュッと乗せて硬化するだけで長さ出しができるという比較的新しい長さ出しの方法です。ネイルフォームを使ったジェルやスカルプの長さ出しよりも綺麗な形を作りやすく、利き手でない手でも操作しやすいのが魅力です。
ポリジェルに必要なものが全部揃っています。初心者でも簡単に長さ出しができるのでおすすめです。
こちらもポリジェルのスターターキットです。よりリーズナブルな価格で始めたい方に。
ポリジェルはベースジェルを塗った自爪にポリジェルを伸ばしたネイルチップフォームを装着して硬化するだけという手順なので時短にもなります。硬化用ライトとスターターキットを購入すればすぐに始められるのでセルフネイルで気軽に長さ出しをしたい方におすすめです。また、ハードジェルではないのでアセトンでオフできるのも使いやすいですね。
ポリジェルの長さ出しのやり方はこちらの記事では詳しくご紹介しています。
⇒ポリジェルの長さ出しのやり方!&カラー選びのコツや起こりやすい失敗の対策を紹介
ソフトジェルとハードジェルの違いを知って使い分けよう
今回の記事では、ソフトジェルとハードジェルの違いを紹介してきました。最大の違いはアセトンでオフできるのかできないかで、ソフトジェルはアセトンでオフすることが可能です。もしネイルサロンで付けてもらったネイルで、自分の爪についているのがソフトジェルかハードジェルかわからない時にはお店に問い合わせて確認するのが1番確実です。
ソフトジェルとハードジェルそれぞれのメリットをおさらいしましょう。
●ソフトジェル
・メリット
軽いつけ心地でオフが簡単です。バリエーションの豊富さも魅力と言えます。
・デメリット
薄い爪に付けると取れやすく、長さ出しがに向いていないです。
●ハードジェル
・メリット
薄い爪でも持ちがよく、長さ出しも可能です。フィルインにも向いています。
・デメリット
オフで全て削らなくてはならないのが大変です。硬いテクスチャーで扱いにくいです。
自分に合ったジェルを選んで使いようにしましょう!