自宅ネイルサロンは違法?!違法になる行為・トラブル例・予防策を紹介 | ネイル女子

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ネイリストとしての働き方は、ネイルサロンに勤務する以外に個人事業主として独立をする道があります。数年前までは、サロン勤務を経て独立をするという流れが一般的でしたが、最近では、ネイルスクール卒業と同時に独立を選択する人も増えています。

中でも初期投資やリスクの少なさから、自宅を使った「自宅ネイルサロン」が人気があり、私もまた、その自宅ネイルサロンを経営している一人です。

しかし、リスクの少ない自宅ネイルサロンといっても、きちんとした開業手段を踏まなければ違法営業となってしまうことも。

今回は、自宅ネイルサロンを開くにあたって違法になる行為やトラブル対策などを私の経験もふまえて、解説していきます!

自宅ネイルサロンで違法になる行為

バツ印を指で作る女性

冒頭で紹介した今人気のある「自宅ネイルサロン」。
テナントを借りて開業する初期投資や毎月のテナント料といったランニングコストの面からみて、自宅をネイルサロンにしてしまうといった営業スタイルはリスクが小さいと言われています。

しかし、今住んでいる自宅を「今日からうちはネイルサロンです!」と名乗るためには、いくつかの注意事項としっかりとした準備が必要です。

これらを怠ると、せっかくの開業も違法営業とみなされてしまう場合もあるからです。

では、実際に自宅ネイルサロンを開業するにあたって、どのような点が違法になってしまうのかを詳しく解説していきます!

賃貸借契約違反

自宅ネイルサロンが違法になってしまう事案
1.賃貸借契約違反

「賃貸借契約違反」とは、住宅を借りる際に交わす契約に違反していることを指します。

自宅として契約している多くの物件は「住居用」として賃貸されている場合が多いです。住居用として賃貸借契約を交わしている場合、その契約書内に「商業用」の店舗として使用OKかの記載がなければ、勝手にネイルサロンを営業することは違反にあたります。

そのため、現在住んでいる自宅を使ってネイルサロンを開業する場合は、必ず賃貸借契約書+管理会社等に確認が必要です。

また、賃貸物件ではなく、分譲マンション等でも同様です。

一見、購入した住宅に関しては、自身の好きなように使用してもいいように思えますが、集合住宅の場合は管理組合等への確認と許可が必ず必要となってきます。

消防法違反

自宅ネイルサロンが違法になってしまう事案
2.消防法違法

自宅ネイルサロンとして物件を改装する場合、消防法に基づき、消防署に対して「防火対象工事等計画届書」の提出が必要となります。

また、改装しない場合においても同様に「防火対象物使用開始届」の提出が必要です。
なお、それぞれの提出には期限が決まっているため、注意しましょう。

・防火対象工事等計画届書:工事着手の7日前までに提出
・防火対象物使用開始届:使用開始の7日前までに提出

建築基準法の違反

自宅ネイルサロンが違法になってしまう事案
3.建築基準法の違反

上記同様、自宅ネイルサロンとして物件を改装する場合、賃貸物件であれば大家さんや管理会社に必ず確認と許可を取る必要があります。そして、建物を店舗として使用するにあたり、建築基準法を満たしていることは絶対条件となります。

とはいえ、建築基準法に違反していないかの確認は素人ではとても難しいため、物件の改装を依頼するリフォーム会社や管理会社等に相談しましょう。

また、既に住んでいる持ち家(集合住宅、戸建てどちらでも)の場合でも建築基準法違反になる場合もあります。
こちらも同様に事業を開始するにあたって、物件を管理している管理会社や住宅を設計した工務店等に確認しましょう。

消費税法の違反

自宅ネイルサロンが違法になってしまう事案
4.消費税法の違反

賃貸マンション等の物件を居住用として契約した場合、家賃や共益費には消費税は発生しません。
しかし、自宅ネイルサロンとして開業し、「事業用」として物件を契約する場合には、賃料に対しての消費税が発生します。

この消費税を払いたくないといった理由で無断で隠れて営業を開始してしまうと、消費税法の違反になります。

これから賃貸物件を契約する人も、今住んでいる物件で自宅ネイルサロンを始めようと思っている人も、必ず管理会社等へその旨を申告しましょう。

自宅ネイルサロンで起きやすいトラブル

家の模型

自宅ネイルサロンが違法となってしまう例をいくつか挙げましたが、他にも注意をしなければならない点があります。
自宅ネイルサロンを開業するにあたって、起きやすいトラブルをご紹介します。

改装工事により原状回復費が高額になる

自宅をネイルサロンとして開業する際に、ネイルサロンとして使用するスペースをサロン用に改装する方もいます。

しかし、賃貸物件の場合、退去する際には原則として「原状回復費」というものが発生します。
これは、借りた時の状態に戻すための修繕費用です。(経年劣化除く)

自宅をネイルサロンとして改装工事をしてしまうと、この原状回復費がかなり高額になる可能性が高いです。

住民以外の人が立ち入ることへのクレーム

自宅ネイルサロンの近隣には、住居用として入居している方がメインであるため、自身が住んでいる建物に住民以外の人が立ち入ることへのクレームが入る可能性もあります。

そのため、開業時は必ず管理会社や大家さんへ許可をとること、加えて近隣の住民には周知をしておくことが大切です。

また、言いづらくはありますが、来店されるお客様へも集合住宅である旨お伝えし、共用部分でのマナーは守っていただくことをお願いするといいでしょう。

騒音異臭トラブル

前述の通り、近隣住民は自宅として住んでいるため、騒音や異臭が原因でトラブルになる場合も。

ネイルサロンの業務において、壁を超えてまでの異臭はあまり問題はないですが、お客様との会話が弾み過ぎてしまい、話声が大きいなどの苦情がくることも想定しましょう。
また、住宅を使用する上で、近隣住民の方の生活のリズムが必ずしも自分と同じだとは考えないようにしましょう。

基本的にサロンとしては日中営業する方が多いと思いますが、隣の住民はその時間寝ていて夜から仕事に行くかもしれません。
反対に自宅サロンだからこそ、予約に応じて夜間帯でお客様を通すこともありえますが、その場合も勿論、時間を考え節度ある接客を心がけましょう。

駐車場の無断使用

マンション等の集合住宅で多いトラブルとして「駐車場の無断使用」があります。
実際にお客様を自宅に呼ぶとなると駐車場の必要性が出てくることも。

最近では近隣コインパーキングの利用を案内するサロンも多いですが、契約のしていない空いている駐車場番号を勝手にお伝えしたり、駐車場として指定されている以外のスペースへの無断駐車などは後に必ずトラブルの原因になってしまうため、厳禁です。

近隣コインパーキングなどへの誘導が厳しい環境や、直接お車でお越し頂きたい場合は、必ず駐車場の契約をしましょう。

看板が通行の妨げになる

自宅ネイルサロンとして看板を出す際、看板の置き場所によっては通行の妨げとなり、トラブルになる場合もあります。

小さなことですが、こういった小さなトラブルが後々大きなトラブルに発展する可能性もあるため、営業を開始する際に賃貸物件や集合住宅であれば管理会社等、戸建てであれば近隣住宅の方に看板設置可能場所の確認と許可をとっておくといいでしょう







トラブルを予防するために

電球のマーク

自宅ネイルサロンの営業で起こりうるトラブルをお伝えしましたが、同時にこれらのトラブルはしっかりと対策をすることで未然に防ぐことも可能です。

せっかく始める自宅ネイルサロンのトラブルを予防するために、具体的にとるべき対策をお伝えします。

開業届を提出する

まず根本的なことですが、ネイルサロンとして開業するには必ず「開業届」の提出が必要となります。

開業届は、開業日から1か月以内に最寄りの税務署に提出をしましょう。事前に、自宅が位置するエリアの管轄の税務署を確認しておきましょう。

確定申告をする

開業届を提出したら、あなたは個人事業主としてみなされます。
個人事業主は、会社員とは異なり、年末調整などで収入の申告や税金の調整を行ってくれる人がいないため、年に一回(2月中旬~3月中旬)必ず「確定申告」が必要となります。

確定申告は、申告する自身の年間所得(原則、売上-経費)に応じて、国に収める税金の金額を算出するために行われます。

確定申告には、青色申告と白色申告の2種類があり、さらに青色申告の中でも複式帳簿か略式帳簿かによってそれぞれ控除額が異なり、どの形式にするかを開業時に決める必要があります。

自身の目指す所得金額などを熟慮した上で、どの形式での申告を希望するかを開業届提出の前に決めておきましょう。

賃貸の契約内容を確認する

上でも説明した通り、賃貸物件や分譲マンション等を自宅ネイルサロンとして使用する際には、開業前に必ず賃貸借契約内容と管理会社等への確認をしましょう。

管理会社や大家さん、またマンション等の管理組合の許可なくして勝手に開業・営業をしてしまうと契約違反となり、開業が白紙になってしまうことも大いにあります。

そのため、既に住んでいる自宅を使用する際も開業と同時に転居を検討している方も、必ず商業用として使用可能かどうかの確認が必須です!

近隣へ事前に挨拶する

これまでお伝えした確認事項、トラブル予防のための対策をふまえた上で無事に開業が決まったあとは、近隣の方に事前に挨拶をするようにしましょう。

最近では、入居時に挨拶回りをしない方も増えていますが、店舗として商業使用する場合は、お客様の出入りがあること等を事前にお伝えしておくと近隣住民も安心することができます。
また、積極的に挨拶周りをすると「ネイルサロンをしている」旨をコストを欠けずに周知することができるため、おすすめです。

このとき、事前に用意したチラシや名刺等をお渡しすると、宣伝も兼ねて相手側にきちんとしているという安心感を与えることもできますよ♪

事前準備や確認をしてサロンを開業しよう

ネイルサロンのイメージ

今回は、自宅ネイルサロン開業における違法にならない営業方法や、トラブル対策について解説いたしました。

簡単にまとめます。
自宅ネイルサロンを開業する時は、下記の点に注意しましょう。

  1. 開業開始日から1か月以内に最寄りの税務署に「開業届」を提出すること
  2. 賃貸物件を使用する場合は、「賃貸借契約書」と管理会社等へ確認、許可をとること
  3. 消防法に基づき、消防署に対して該当する申請書を提出すること
  4. 建築基準法を満たしている物件であるか確認をすること
  5. 消費税法に基づき、賃貸住宅をネイルサロンとして使用する旨を管理会社等へ申し出ること

開業後は、近隣住民とのトラブルを避けるために積極的な挨拶周りや節度ある接客を心がけることが大切です。

また、自宅ネイルサロンの開業については以前別の記事でも詳しく解説しているため、これから開業を検討している方は是非一度読んでみてくださいね♪

他にも自宅ネイルサロンの開業について知りたい方は、こちらの記事で紹介しています♪

自宅でネイルサロンを始めるためのHowto|無資格でもOK?
https://www.nailjoshi.com/94941/

ネイルサロンの開業はなぜ失敗するのか?成功のカギを解説!
https://www.nailjoshi.com/94366/







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