ネイリストを目指す方や現役ネイリストの方の中には、独立を目標にしている方も多いのではないでしょうか。
独立にはさまざまな形がありますが、最近では、独立にあたって自宅を店舗として使用する「自宅ネイルサロン」が増えています。
今この記事を書いている私も、自宅でネイルサロンを経営しているネイリストです。
今回は、実際に自宅ネイルサロンを開業するにあたって、必要な資格や準備、心構えを私の体験談もふまえながら、お伝えしていきます!
今現在自宅ネイルサロンで開業を検討中の方は、是非読んで参考にしてくださいね♪
- 主婦におすすめ!自宅をネイルサロンにするメリットは?
- ・自宅サロンなら開業資金が抑えられる
- ・自分のペースで自由に働くことができる
- ・通勤時間が必要ない
- ・家庭や家族の都合と両立しやすい
- ・空き時間を家事に充てられる
- ・近隣の方の来店が多く客離れが少ない
- ・口コミで広がりやすい
- 自宅をネイルサロンにするデメリットは?
- ・個人情報(自宅)を知られてしまう
- ・クレームの対応時にリスクがつきまとう
- ・安全面が不安
- ・オンとオフの区別がつきにくい
- ・趣味の延長線上で営業していると勘違いされる場合がある
- ・集客が難し場合オープン後すぐの集客が難しい
- ・自宅を使用することから、生活感が出やすい
- 自宅でネイルサロンを始めたい!どんな準備が必要?
- 1.賃貸住宅なら店舗運営できるか契約をチェック
- 2.事業計画書の作成
- 3.開業届の提出
- 4.施術用デスクやネイル用品を準備
- 5.ホームページやSNSアカウントの開設
- 自宅ネイルサロンを成功させるポイント!
- ・SNSを活用して集客に力を入れる
- ・リピート率を上げるようにする
- ・生活感が出ないように注意する
- ・自分のファンを大切にする
- 資格なし・サロン勤務経験なしでも自宅ネイルサロンは始められるか?
- ・取得しておくと良い資格
- ・サロン勤務経験なしでも開業できるか?
- まとめ|私が自宅ネイルサロンを開業した時のこと
主婦におすすめ!自宅をネイルサロンにするメリットは?
自宅ネイルサロンのメリットには以下のようなものがあります。
- 開業資金が抑えられる
- 自分のペースで自由に働くことができる
- 通勤時間が必要ない
- 家庭や家族の都合と両立しやすい
- 空き時間を家事に充てられる
- 近隣の方の来店が多く客離れが少ない
- 口コミで広がりやすい
自宅サロンなら開業資金が抑えられる
自宅をネイルサロンとして使用するため、店舗を新たに借りる初期費用や毎月のテナント料は不要!ランニングコストを抑えることができます。
事業をしていくうえで安心材料のひとつになりますよね!
自分のペースで自由に働くことができる
自宅でネイルサロンを開く=個人事業主になるということなので、どこかに勤めて働くよりも、自分のペースで自由に働くことができます。特にネイルは、販売業とは違って、基本的に予約商売であるため、予め予定を入れたい日時はご予約を受け付けない、など融通が効かせやすいのも自宅ネイルサロンの最大のメリットです。
通勤時間が必要ない
自宅サロンは通勤時間がないのも嬉しいポイントです。
たとえば私は朝子供たちを送り届け、帰宅後部屋の片付けと掃除や身支度が済んだら、お客様が来るまでの間にサンプル作りをしたり、家事を済ませたりと通勤時間分を有効活用することができています!
家庭や家族の都合と両立しやすい
自宅をネイルサロンとして使用するため、出勤のための通勤時間もゼロ。また、個人事業主で自分で自由にシフトを組めるため、忙しい子育てママでも、家庭や家族の都合と両立しやすいのも自宅ネイルサロンの魅力です。
実際に筆者も、子供の参観日の日は、予約を午前中だけ、入学式や卒業式、発表会や運動会の日は、お休みにするなどできる限り、家庭優先で仕事をしています。
空き時間を家事に充てられる
会社や店舗とは異なり、仕事場所が自宅である自宅ネイルサロンは、予約と予約の間の時間など空き時間を家事に充てることも。空いている時間にサッと洗濯物を済ませたり、夕飯の下準備をしておく・・なども可能です。(ただし、夕飯作りは部屋中に匂いが充満することがあるため、調理までは厳しいです。)仕事と家庭のことを両立しなければいけない忙しい主婦には、メリットが沢山あります。
近隣の方の来店が多く客離れが少ない
自宅ネイルサロンを開業して感じたのは、客離れの少なさです。
それまでネイルサロンで勤務していましたが、来店のほとんどがホットペッパーからでした。
そのため、毎月一定数ご新規様は来るのですが、全員がリピーターさんになるかというと、そうではないという現実。
しかし、自宅ネイルサロンを開業すると比較的近隣の方の来店が多いことから、一度気に入っていただくと家が近いためリピートしてくれる方が多いです。
口コミで広がりやすい
私が、自宅ネイルサロンを開業して一番驚いたことは、「口コミの大きさ」です。それまでは、駅構内という好立地なネイルサロンで勤めており、予約もホットペッパービューティーからが9割。開業した自宅の位置する場所は、公共交通機関もあまり整っていない田舎の住宅街であるため、集客に最初はとても苦労したのですが、田舎の住宅街ならではのご近所の方やママ友などに宣伝してくれる方が多く、口コミでのご来店で顧客数を増やしていくことができました。
また、口コミで来ていただくと、ご紹介下さったお客様という共通点が既にあるため、初対面でも会話が弾みやすく、自宅が近隣ということもあり、リピート率が非常に高いです。
自宅をネイルサロンにするデメリットは?
では反対に、自宅ネイルサロンだからこそ感じるデメリットとそれに対する対策法をお伝えします。
- 個人情報(自宅)を知られてしまう
- クレームの対応時にリスクがつきまとう
- 安全面が不安
- オンとオフの区別がつきにくい
- 趣味の延長線上で営業していると勘違いされる場合がある
- 集客が難しい場合オープン後すぐの集客が難しい
- 自宅を使用することから、生活感が出やすい
個人情報(自宅)を知られてしまう
自宅をサロンにした場合、当然自宅を知られてしまいます。
誰が来るか分からない、知らない人を家にあげることへの懸念があるため、せめて個人情報に関するものは可能な限り離しておきましょう。
■サロンスペースと生活スペースをしっかりと切り離す
自宅ネイルサロンに来る方の多くは、きちっとした店舗型のネイルサロンよりもアットホームで親しみやすいネイルサロンを好む傾向にあります。とはいえ、ネイルサロンとして開業する=ネイルの施術料金を頂くことになるため、あまりにも自宅感があるのもNG。
可能であれば、生活する居住スペースとは別に一室を設け、その空間をサロンスペースにするなどが好ましいです。共有部分になる玄関やトイレの清潔感などにも気を付けましょう。
クレームの対応時にリスクがつきまとう
接客業をしていると、クレームにあたる場面に出くわすことも。
クレームを入れる方のほとんどは、施術面、接客態度など悪いと思った点を指摘して下さっているだけなので真摯に受け止め改善していけば、それ以上トラブルに発展することはないですが、万が一本当に悪質なクレーマーに当たってしまった場合、自宅をネイルサロンにしているという点がリスクになってしまうこともあります。
通常の店舗型と異なり、自宅ネイルサロンは自分や家族の住所を晒しており、サロンの所在地は生活圏内であるため、嫌がらせに発展した場合などは注意が必要です。
また、近隣住民の方(自分のご近所さん)や共通の知り合いに悪い噂を流されてしまう・・などといった懸念もあります。筆者は、これまでそういった方に出会った経験はないですが、口コミで広がりやすい自宅ネイルサロンのメリットがデメリットになってしまわぬように、クレームにならないようなお店作りや接客力を身に着けておくことが必要です。
■同意書の作成・保険の加入をしておくと安心
万が一クレームが入り、大事に発展してしまわぬように、予め同意書の作成や保険の加入をしておくと安心です。
- お直しルール(何日以内、どのような内容のものがお直し対応となるか)
- キャンセルポリシー
- その他懸念点(子供の体調不良で急遽お休みになることがある、など)
など明記し、初回来店時に同意とサインを頂くようにしましょう。
保険に関しては、
- 預かりもの(お客様の持ち物)の補償
- 施術中の補償(怪我など)
- 人格権侵害の補償(会話の中でお客様を不快にさせ、訴えるなどのトラブルに発展した場合)等を補償してくれる保険
があります。
無いことが一番なのですが、万が一、
・施術中にアセトンが飛び、お客様の持ち物を汚してしまった
・甘皮ケアの際にニッパーで深く怪我をさせてしまった
といった場合には、すぐに誠心誠意謝罪をして、大きなクレームに発展する前に保険で対応しましょう。
安全面が不安
自宅に実際に初対面の方が来ることで安全面が不安な一面もあります。
特に最近では、男性でもネイルをする時代。オープン前によく検討する必要があります。
ちなみに自宅ネイルサロンの場合は、広告上の住所は、番地以降を非公開にし、予約時にお伝えするという形式をとっているサロンが多いです。
こうすることで予約前にお客様とやりとりをすることが可能ですので、そのときにどんな方か見極めることも必要です。
オンとオフの区別がつきにくい
自宅を職場にする自宅ネイルサロンは、通勤時間もなく、空き時間に家事をすることもできるという大きなメリットがありますが、自宅があるが故にリラックスし過ぎてオンとオフの区別がつきにくいという懸念点もあります。仕事の空き時間に家事をすることで、仕事中の休憩が全く取れない・・など、仕事と家庭の境目が曖昧になってしまいがちなため、自分の気持ちの切り替えをしっかりできるかどうかがポイントです。
筆者も最初の頃は、空いた時間に家事をしたりしていましたが、そうすると一日中動き続けることになり、身体的にも精神的にも辛い思いをした時期があるため、自分でしっかりと仕事と家庭などオンとオフの区別をつけて働くことを意識しています。
趣味の延長線上で営業していると勘違いされる場合がある
自宅ネイルサロンときくと「趣味の延長線上でしている」と勘違いされることもたまにあります。
趣味の延長線上だと捉えられてしまうと、「予約日に遅刻したりキャンセルをしても問題なさそう」や「多少の無理な注文も許されそう」と勘違いされる可能性も。
ここはしっかりとお仕事としてしていることを伝え、自分自身もメリハリをつけて日頃から行動や言動を心がけましょう!
そのためには、最低限の接客マナーや社会人としての常識、そしてネイリストとしての技術をしっかりと持ち合わせることが必要不可欠です。
せっかくオープンしたのに接客マナーや技術が伴わない、社会人としての常識が欠けていて近隣の方とトラブルを起こしてしまったとなると、口コミで広がりやすいというメリットがデメリットに変わってしまうので要注意です!
集客が難しい場合オープン後すぐの集客が難しい
集客は、無料ツールや低予算で始める集客はあまり即効性がないため、すぐに反響がこないことを覚悟しておいてください。
もちろん、ある程度近隣の方と関わりがあったりと知人だけでうまくいくこともあります。
ですが、とにかく新規客を多くとってリピートに繋げたいという方には、SNSなども利用しつつ、最初に有料のホットペッパーなどに掲載することがおすすめです。
自宅を使用することから、生活感が出やすい
自宅を使用したサロンなのでどうしても多少の生活感は否めません。
こちらの対策としては、ネイル専用の部屋を一室設けて、生活部屋と空間を分ける、玄関やトイレなど共有部分はお客様目線でいつも清潔になどを心がけるといいでしょう。
ちなみに私のネイルサロンでは、リビングスペースにてお迎えしているため、ご新規様ご予約時には、多少の生活感がある旨をお伝えし、ご了承いただいた上で来店いただいてます。
あえて自宅ネイルサロンを選ぶ方は、アットホームな空気感だったり、プライベートな空間を求めていることが多いです。
うまく工夫することで「大型のネイルサロンよりも落ち着きます」とお褒め頂くことも多いですよ☆
ちなみにこの生活感については、片付けや空間を分けることに加えて、もうひとつ「生活臭」にも十分気を付けていきましょう。
我が家には、猫が3匹いるため、日頃から臭い対策をしているほか、来客前は必ずコーヒーメーカーでコーヒーを淹れていい香りでお迎えするようにしています。
自宅でネイルサロンを始めたい!どんな準備が必要?
冒頭でもお伝えした通り、ネイリストで独立を検討する方の中で最近人気なのが、この「自宅ネイルサロン」です。
なぜ、自宅ネイルサロンが人気なのでしょうか。
答えは、店舗を借りて独立するよりも「低リスク・低予算」で始めることができると言われているからです。
自宅をネイルサロンとして使用することにより、店舗を借りるための初期投資や毎月の家賃が不要になり、コストを抑えられるメリットがあります。
では、ただ単に今住んでいる自宅を「今日から、うちはネイルサロンです!」と名乗っていいものでしょうか。
この答えは、一般的な独立をしてネイリストとして生計を立てていきたい!とお考えの方には、NOです。
ここでは、自宅をネイルサロンとして使用して独立をする場合、必要な準備や心構えを5つ解説いたします!
1.賃貸住宅なら店舗運営できるか契約をチェック
ご存知のとおり、自宅ネイルサロンとは、自宅をネイルサロンの店舗として使用していきます。
私の場合は、持ち家戸建てで開業をしておりますが、現在賃貸物件の住宅にお住まいの方もいらっしゃると思います。
基本的に賃貸住宅の場合、勝手に店舗として営業を開始することはNGだと思っておく方がいいでしょう。
物件によって問題ない場合もありますが、そもそも住居用として出されている物件の中で「サロン営業」として借りられる物件は少ないのが現実。
その中で勝手に住居用賃貸住宅をネイルサロンにすることは、契約違反になるリスクがあるため、開業を決める前に必ず管理会社や大家さんに事前確認をしましょう!
現在住んでいる物件ではなく、独立を機にこれから転居を考えている方も同様です。
では、賃貸ではなく、購入したマンションであれば、確認や許可は不要なのでしょうか。
こちらの答えもNOです。
マンションは集合住宅なので近隣住人への影響も考えなければいけません。
たとえ自身が購入したマンションであっても開業時は必ず、管理している会社やマンション内の管理組合に確認と許可をとりましょう。
「せっかく独立をしたのに後々問題がおきて退去しなければいけない・・」なんてことにならないためにここは最初にしっかりと確認すべきポイントです!
ちなみに私のように持ち家戸建ての場合、住宅に対しての確認や許可はなにもしていません。
ですが、来客時の車の出し入れなどで近隣の方にご迷惑をかける可能性があることを懸念して、近隣の方にのみ自宅を使ってネイルサロンを始めることをお伝えしました。
この時に積極的にご挨拶を行うと、近隣の方から認知してもらう機会にも繋がるのでおすすめです☆
2.事業計画書の作成
さて、「自宅ネイルサロンを始めよう!」と決めたとき、あなたならまず何から始めますか?
一般的に事業を始める場合、「事業計画書」というものを作成していきますが、自宅ネイルサロンでは、この事業計画書は必ずしも必要ではありません。
しかし、自宅ネイルサロンだからこそ、「趣味の延長線上で空いた時間を利用してやっている。」とたまに勘違いされることも。
自宅ネイルサロンであっても、れっきとした事業に変わりはありません。
自宅ネイルサロンを始めるにあたって、自分自身の気持ちや方針を固めるためにも、この事業計画書の作成をおすすめします!
そして、独立にあたって融資を検討している方は、この事業計画書が必要不可欠ですので絶対に作成をしましょう。
私は融資なしで開業をしたため、綿密な事業計画書ではないですが、以下の9点をメインに内容をつくりました。
店舗名 | 思い入れのある言葉やなりたいサロンのイメージから決める方が多い |
開業日 | いつから始めるのか期日を決めることはとても大事! |
自身の実績 | あえて文字に書き起こすことで、自分自身の強みを見つけることができる |
開業の動機 | 開業時の思いを文字に残し、初心忘れるべからずが大事 |
ターゲット層 | ターゲット層を定めることで料金形態や店内イメージにつなげることが可能 |
ネイルサロンの強み | 強みを見つけて売りにする |
料金やメニューの時間 | ターゲット層を参考にすると決めやすい◎ |
競合比較 | 周辺地域の同業者の料金形態や顧客の層を確認が必須 |
サロンの内外装 | ターゲット層や自身のイメージでコンセプトを決める |
今、自宅でネイルサロンをしている私のモットーは、自身が主婦で子持ちであることから、「主婦でも、ママでも、安心して毎月通える料金形態と技術」です。
周辺地域が住宅街であるため、お客様の層も主婦層がメインになると思い、近隣のネイルサロンをSNSなどでチェックし、主婦でも通いやすいリーズナブルな価格で設定しております。
ここは、自分が目指す収入とイメージを考え、慎重にきめていきましょう。
特に料金形態は、あとから上げづらいのが正直なところで、後々後悔しないためにもしっかりと考えておくことがgood☆
「どこにでもあるネイルサロン」ではなく、自分だけにしか作れない自宅ネイルサロンにするためにも事業計画書で文字に書き起こすことは、とても大事です^^
3.開業届の提出
美容サロンのひとつであるネイルサロンですが、美容室やまつ毛エクステサロンと違い、保健所への届け出は必要ありません。
しかし、個人事業主として開業時に必ず提出しなければならないものがあります。それは、「開業届」です。
開業届の提出先は、最寄りの税務署です。
このとき、自分の自宅ネイルサロンがどこの税務署の管轄になるのか、確認が必要です。
私の場合、当時パソコンを保有していなかったこと、開業届の記入方法や申告の種類など分からないことが多かったので、直接税務署に出向き、窓口の方に相談しながら記入と提出をしました。
最近では、国税庁の公式ホームページから開業届のフォーマットをダウンロードすることも可能です!
その場合、必要事項を記入し郵送で提出も可能。
提出の際は開業届を二部作成し、一部は捺印後に返送をお願いすると手元に控えとして一枚くるので安心です。
私が窓口提出した際は、税務署で捺印された開業届のコピーを一部控えとしてもらえました。
私の経験からですが、この控えをさらにコピーしておくことをおすすめします!
開業届の控えは、開業をしています!という証明になるため、仕事の証明として開業届のコピーを求められる場面もあります。
コピーを繰り返し色あせたり、長く保管して古くなった時のために控えをもう一通コピーしておくべきだった・・と現在後悔しているので、これから開業届を提出する方は、是非参考にしてください♪
また、開業届を提出する際に必ず決めなければならないのが、確定申告を青色申告にするか、白色申告にするかです。
これは自分が目指すネイルサロンの売上や規模によってどちらがいいか、を決めていくといいでしょう。
分からない場合や悩んでいる場合は、直接窓口で質問してみるのもアリです☆
最後に、開業届は、必ずしも開業前の提出が必須ではありません。
開業後でも開業届の提出は可能です!
ただし、開業日から1か月以内と期限が決まっていますので、忘れずに提出をしましょう!
4.施術用デスクやネイル用品を準備
事業計画書や開業届についてお話してきましたが、次は、実際に施術をするにあたって絶対に必要な道具の話をします!
ネイルサロンは、正直なところ電気が通っていて施術用デスクとイス、ネイル用品さえあればOKです。
しかし、ネイル周辺機器やネイル用品は、ターゲット層や自分のなりたいネイルサロンのイメージ、コンセプトを参考に選んでいくことをおすすめします^^
ネイル用品については、料金形態と照らし合わせたコストパフォーマンスの面(特に消耗品)や自分の決めたコンセプトに沿ったものを見つけるといいでしょう。
私のネイルサロンでは、お客様がネイルの仕上がりを気に入ってくれるだけでなく、自爪が傷むことなく健康的にネイルを続けていけると客離れも減ると考え、自爪を削らないメーカーのジェルネイルを採用しました。
開業届を提出すると、ネイル用品の卸し問屋から、定価よりも少し安く購入することもできます。
自分の予算と相談しながら、可能な範囲で材料を用意していきましょう!
5.ホームページやSNSアカウントの開設
ネイルサロンを開業後、次はどのように自分のサロンを知ってもらうか、集客方法を決めていきましょう。
以前、別の記事で集客方法についても取り上げたのですが、主な宣伝方法は5つ。
- 有料広告(ホットペッパーなど)
- 無料広告(エキテン、ジモティー、ミニモなど)
- SNS(Instagram、ホームページなど)
- 看板やポスティング
- 口コミ
私が開業後、すぐに手をつけたのは、ホームページ作成とSNSアカウントの開設です!
自宅ネイルサロンを成功させるポイント!
開業資金などコスト面や、通勤時間がないなどメリットが多くある自宅ネイルサロンですが、開業したからといってすぐにお客様が付くわけではありません。ネイルは、予約商売なので予約が入らなければ、売り上げはゼロになるので、なによりもまず、宣伝をして来客数を増やすことが大切です。
自宅ネイルサロンを成功させるための集客のポイントをお伝えします!
SNSを活用して集客に力を入れる
集客に力を入れるため、SNSはフル活用していきましょう!
最近では、Instagramからの集客が主流になっているので無料で開設できるSNSアカウントは、特におすすめです!
お客様の施術後のネイル写真を載せることで、ネイルサロンのアピールをすることができます。
写真をみて「このネイルサロンのデザインかわいい!行ってみたい!」とご予約に繋がることも♪
Instagramは無料で作れて、ランニングコストも不要なので個人のネイルサロンには、強い味方です。
しかし、中には、SNSを使わないお客様もいらっしゃいます。
そのような場面で役立つのが、ホームページです。
ホームページを作成しておくと、ネット検索をする方に見つけてもらえる可能性が広がります。
SNSアカウントもリンクしておくことで、ネイルサロンに対しての信頼度が高まるので、こちらも作成がおすすめします♪
ホームページは、業者に作成を依頼する方法と自分で作成する方法があるので予算をみて決めましょう。
SNSもホームページも施術したネイル写真が必要になってきます。
お客様がつくまでは、家族や友人に頼んでネイルをさせてもらったり、写真撮影協力のために無料広告に安い料金で載せたりすることもアリです☆
ここもうまく使えば、リピーターさん獲得に繋がります!
リピート率を上げるようにする
ネイルサロンを成功(売上を安定させる)ためには、なによりもまず、リピート率を上げることが大切です。リピート率を上げる=常連客をつくることです。
SNSや口コミで集客し、せっかく来店があったのに一度きりで再来がなければ、売上の安定は難しいです。そのため、一度来たお客様が気に入って次も来てくれるように「施術力」「接客力」を身に着けておくことが何よりも求められます。
特にネイルサロンは、お客様と過ごす時間が長いため、一定の技術があればあとは、ネイリストの人柄(接しやすさや話しやすさなど雰囲気)で通うかどうかを決めるお客様が多いです。どんなに素晴らしい技術があっても不愛想な接客であれば、お客様はつかないため、お客様が居心地よく過ごせる接客を心がけましょう。
生活感が出ないように注意する
上記でも触れましたが、自宅をネイルサロンとして使用するため、生活スペースとネイルスペースとの区切りはつけておくことが大切です。自分の気持ちの切り替えのためでもありますが、あまりにも生活感がある空間だとお客様にとって「ネイルサロンとして認識しづらい」からです。
ネイルサロンに通う方の中には、爪を綺麗にする目的以外に、日常の時間から離れてサロンでゆったりと過ごす時間が好きという方もいらっしゃいます。お客様は友達ではないため、子供のおもちゃが散らかった部屋や洗濯物が室内にかけてある、そんな生活感満載のお部屋でお出迎えすることはNGです。また、忘れがちな生活臭にも最大限注意をすることが大切です。
自分のファンを大切にする
最近では、決まった美容室の決まった美容師さんにお願いしている方も多いですよね。
ネイルサロンでも同じように一度担当したネイリストを気に入れば、その人にリピートしてくれるお客様が多いです。
特にネイルは、長い時間を近い距離で実際に手や足を触りながら過ごします。
ほとんどの方がいろいろなお話をしてくださるので、お客様との関係性も築いていくことが可能。
反対に技術がどんなに素晴らしくても、接客マナーの悪さや相性などからお客様が、「このネイリストは、ちょっと合わない」と判断すれば、リピートには繋がりません。
ネイルサロンは、リピーターさんがついていくことがなによりも重要なので、自分の強みを全アピールし、自分のファンを増やしていくことが望ましいでしょう。
また上でお話したネイルサロン勤務の経験を積むと、その時に担当させていただいた指名のお客様が、独立後もついてきてくださることも。
その場合だと独立後ゼロからスタートではない安心感があります^^
特に自宅ネイルサロンでは、「家から近いから行ってみたい」、「プライベート空間なサロンがいい」や「アットホームな雰囲気の方が緊張しなくていい」という理由から来店くださる方がとても多いです。
このようなお客様は、一度ネイリストを気に入ってくだされば、なかなか離れず、次はご家族やご友人にご紹介してくださる方も!
実際に私がサロン勤務をしていた当時からのお客様で、独立後もお任せいただいている方もいらっしゃいます。
独立後は立場が少し変わり、小さな子どもがいるため、子どもの急な発熱等でご迷惑をおかけすることも。
ご了承のうえでお任せいただいているお客様ばかりでとても助けられています。
「この人だから任せたい」と思っていただけるネイリストになることを、私自身もまだまだ目指しています^^
資格なし・サロン勤務経験なしでも自宅ネイルサロンは始められるか?
自宅ネイルサロンの開業には、資格や求められる実績は必要なのでしょうか?
法的に見ると、自宅ネイルサロンを開業するために絶対に必要な資格も実績もありません。
ネイリストは、美容師とは違って国家資格ではないからです。
しかし、自宅ネイルサロンだからこそ、資格や実績があるとお客様への安心材料にもなり、自分自身の強みにもなるので取得を強くおすすめします!
取得しておくと良い資格
前述した通り、ネイリストに国家資格はありません。
そのため、「今日から私はネイリストです!」と名乗ることは誰でも可能です。
しかし、ネイルには資格と同等に扱われる検定が3つ存在します。
- ネイリスト技能検定
- ジェルネイル技能検定
- ネイルサロン衛生管理士
ネイリスト技能検定はネイルの基礎から上級、対してジェルネイル技能検定は、ジェルネイルの基礎から上級を習得するためのものです。
どちらも実技に加えて筆記試験もあります。
ネイリストを目指す以上、検定の何級を保有しているかで自身のネイル技術を示す信用の裏付けにもなります。
自宅ネイルサロンという個人でスタートする環境だからこそ、お客様側も「きちんと勉強したネイリスト」には安心して任せられる、という判断材料のひとつになります。
特にどちらの検定も上級コースは、かなり難易度が高いため、これらを保有していると箔がつき、自分を売り出すための最大の強みにもなりますよ^^
衛生管理士についても必須ではないですが、特に自宅ネイルサロンの場合、もっておくとより信用度が増し、お客様にも安心感を与えることができます♪
以下で、それぞれの資格についてもう少し詳しく説明しておきます。
■JNECネイリスト技能検定
JNECネイリスト技能検定は、ネイリスト検定としては一番歴史のある検定で、ネイルの基本知識や技術の内容が集約されています。級数は、3級から順に2級、1級まで設けられています。
実技の大まかな内容としては、
3級・・ネイルケア・赤ポリッシュ(マニキュアのカラーリング)・指定のアート
2級・・ネイルケア・カラーリング・チップラップ・指定のアート
1級・・アクリルスカルプチュア・3Dアート
上記に加えて、ネイルの歴史から爪の構造、色彩理論などの筆記試験が含まれます。
多くのネイルサロンでは、「JNECネイリスト技能検定2級以上保有していること」を応募条件にしているため、2級までは合格しておくのが望ましいと言われています。
■JNAジェルネイル技能検定|初級・中級・上級
JNAジェルネイル技能検定は、ジェルネイルの基礎技術が集約された検定で、初級・中級・上級から成ります。
試験内容は、
初級・・ネイルケア・ポリッシュカラーリング・ジェルカラーリング5本ずつ・指定のアート
中級・・ネイルケア・ジェルフレンチ・ジェルオフ1本・ジェルグラデーション・ジェルイクステンション1本
上級・・ジェルスカルプチュア・ジェルチップオーバーレイ+デザイン・フレンチカラーリング
上記に加えて、ジェルネイルの基礎知識などの筆記試験も行われます。
ジェルネイルが主流になっている昨今では、JNECネイリスト技能検定の2級と併せて、このJNAジェルネイル技能検定の中級以上の保有を応募条件としているネイルサロンが多いです。
■ネイルサロン衛生管理士
ネイルサロン衛生管理士は、ネイルサロンでネイルの施術を行う際に留意すべき、安全面などの講義を受け合格をした人に与えられる合格証のことです。JNA日本ネイリスト協会が管轄している資格になります。
この資格があることでお客様側にとって、衛生面や施術面での安心と安全の判断材料のひとつになるため、自宅でネイルサロンを開業する際には、取得を目指したい資格のひとつです。ただし、ネイルサロン衛生管理士の資格には、3年の有効期限が設けられているため、更新が必要となります。
サロン勤務経験なしでも開業できるか?
結論から申し上げて、サロン勤務経験は必ずしも必要ではありません。
しかし、サロン勤務は技術と接客スキルが学べる場です。
実際に私の周辺地域は、大型店舗よりも自宅ネイルサロンやプライベートサロンの方が多いのですが、ネイルスクール卒業後そのまま開業に至っている方が多いです。
技術や接客マナーが伴っているならば、もちろんそれでもOKということです。
しかし、たとえば、あなたが病院に行ったときに担当医が「僕、先日医者になったばかりなんですよ。」という方だったらどのような印象を抱きますか?
大半の方が、「この人に任せて大丈夫かな。」と不安になりますよね。
実際に、私のしているネイルサロンに来られたご新規様の多くが、会話の中で「これまではネイルサロンに勤めていたの?」と質問をしてきます。
私の場合は、長男を出産後、転居してから自宅でネイルサロンを開くまでは、ずっとネイルサロンに勤務していたため、そのようにお答えすると安心される方がとても多いです。
サロン勤務で新人時代の下積みをしてきた私からすると、あの下積みでいろいろなお客様を接客、施術してきたからこそ、今があります。
サロン勤務では、先輩ネイリストから技術はもちろんのこと、来客時のお迎えからお見送りまでのお声かけや、施術中にする会話の中の言葉選び、予約を受ける際の電話対応、ときにはクレームの対応など、技術以外にも多くのことを学ぶことができるからです。
自宅ネイルサロンであっても、お客様は大切な手元や足元を私たちネイリストに任せて下さいます。
技術はあっても、接客マナーが伴っていないとクレームに発展することもあります。
せっかくあなたのネイルサロンを選んで足を運んでくれたお客様に安心していただくためにも、可能な限りで実際にサロンワークを経験してから独立することをおすすめします。
まとめ|私が自宅ネイルサロンを開業した時のこと
最後にまとめとして、私が自宅ネイルサロンを開業した当時のことを少しだけお話させていただきます。
当時、私は引っ越してきたばかりで(車で1時間半ほどの距離)全くゆかりのない地域で長男を保育園に入園させました。
入園後、パートの仕事でも探そうかと考えている中、次男を妊娠していることが発覚。
働き先が決まらないまま、保育園の在園を続けるためにも自宅でネイルサロンを開業することを選択しました。
もともと独立願望はなく、また自宅を購入したすぐ後であったため、資金的にも全く余裕がありませんでした。
自宅リビングのダイニングテーブルでお客様を迎えることから始め、今も変わらずその形式をとっています。
当初は無料の広告ツールから始めたので、集客面でとても苦労しましたが、一度お客様がつくと自然と口コミで増えてきて今があります。
また、私は子どもを優先させた無理のない勤務時間(10:00~18:00)で、サロン勤務時代のように予約を詰め込んで入れないようにしています。
そして開業後も産休を二回いただいたりと、自分の家庭や生活とのワークバランスもとれていると感じています。
これもお客様が私の営業スタイルや、子どもがいる主婦であることを理解をしてくださっているからできていることです。
自宅ネイルサロンで独立をしてから、お客様に対する感謝の気持ちも以前のサロン勤務時より、実感しています。
サロン勤務を経験した私が独立後感じるのは、予約数=安心であることです。
雇用されてサロン勤務をしていると予約がなくてもあっても、固定の給料が変わることはあまりないですよね。
独立をすると、来店があってこその売上なので来店がゼロだと売上は当然ゼロになります。
自宅ネイルサロンなので、テナント料などの高額なランニングコストは不要です。
しかし、しっかりと事業として成り立たせていくためには、サロン勤務当時よりももっと明確なネイリストとしての目標設定や、お客様ひとりひとりに合わせた柔軟な接客力、そして技術やSNS更新などの営業努力が必要です。
自宅ネイルサロンだからこそ、技術と接客マナーはもちろんのこと、リピーターさんを増やす意識をすることが大事☆
これから自宅ネイルサロンで独立をお考えの方は、一度自分の今の接客力や柔軟性、技術面などを見直し、素敵な自宅ネイルサロンで自分のファンを増やしていってくださいね♪