プロが教える！ネイルチップ長さ出しのやり方とセルフで上手く作るコツ

折れてしまった爪の長さを揃えたい時や、ロングネイルを楽しみたい時には、セルフで長さ出しをできればいいなと思うのではないでしょうか？

長さ出しには様々な方法があり、ネイルサロンではアクリルスカルプチュアやジェルスカルプチュアが主流です。

しかし、アクリルやジェルはきれいなフォルムを作っていくための技術が必要なので、セルフネイルでは難しそうなイメージがあるのも事実。
そんな時におすすめなのがネイルチップを使った長さ出しです。

ネイルチップを使った長さ出しなら、ある程度は形ができているので、初心者でもフォルムを整えやすいというのが魅力！

今回の記事では、ネイルチップでの長さ出しの方法をご紹介していきます。

必要なもの・やり方を解説しているので参考にしてチャレンジしてみてくださいね。

ネイルの長さだしとはどんなもの？

ネイルの長さだしとは、アクリルリキッドやジェル、チップを使って人工爪を形成する技術全体のことを指します。

短い爪を一気に長くでき、強度もアップするので、成人式やブライダルなど特別な日に合わせてネイルをしたい人や、一本だけ爪が折れてしまった時の対処で使われるケースが多めです。

長さだしは使う素材によって特徴に違いがあります。
アクリルスカルプやジェルスカルプといった長さだしは、高度な技術が必要なため、ネイル中級者～上級者向けです。
一方でネイルチップを使った長さだしは、初心者でも比較的手軽にできる点から最近では人気を集めています。

ここでは主に、初心者でも付けやすいハーフチップを使った長さだしについて解説していきます。

スカルプ(長さ出し)についてはこちらの記事で詳しく解説してます♪

アクリルスカルプとジェルスカルプについてはこちらをチェック！

ハーフネイルチップで長さ出し！必要なものとやり方を解説

ハーフチップでの長さ出しはチップオーバーレイとも呼ばれ、初心者でも比較的簡単にできる長さ出し方法です。
必要なアイテムと基本の流れ、各工程のポイントなど詳しく解説していきます。

必要なもの

ハーフチップとジェルでの長さだしに必要なものは以下の通りです。

長さだけを出すならベースジェル→トップジェルの仕上げで問題ないですが、デザインをする場合はカラージェルやアート用品も用意しておきましょう。

1.自爪の長さを短く整える

まずは自爪の長さを整えます。
ハーフチップが付けやすいように左右の角は削りすぎないようにしましょう。
スクエアオフ気味に整えるのがおすすめです。

2.甘皮ケアをする

メタルプッシャーなどを使って甘皮処理をします。
ジェルの持ちに関わるのでしっかりと行いましょう。
甘皮が固くて押し上げにくい場合は、ぬるま湯に指先を浸けるとふやけて柔らかくなりますよ。

3.サンディングする

スポンジバッファーで自爪の表面を軽く削り、全体に傷をつけます。
サンディングすることでハーフチップとグルーの密着が良くなり、ジェルネイルも持ちが良くなります。

ただし、やりすぎると自爪が薄くなるのであくまでも軽く行うようにしてください。
ノンサンディングジェルを使う人や、サンディングを避けたい人はこの工程を飛ばしてもOKです。

4.爪の大きさに合わせてハーフチップを選ぶ

ハーフチップを自爪の爪先に当てて、横幅が大きすぎないか、小さすぎないか、チップのカーブと爪のカーブが合っているかなどを確認します。
チップの幅が小さく、爪の両サイドが覆えていないと使えないので注意しましょう。
少しだけ大きいかな？と思うハーフチップを選び、ネイルファイルで幅を調整する方がうまくいきます。

5.ハーフチップを削って調整する

自爪のサイズに合ったハーフチップを選んだら、長さや形を微調整していきます。
まずはハーフチップの根元の部分を爪に合わせて薄く削ります。

ハーフチップの根元が分厚すぎると、チップを付けたときに段差ができてしまって馴染みにくくなります。
根元をネイルファイルで軽く削って、自爪に合わせて、段差がないかを確認してみてください。
少しずつ削って調整してくださいね。

そしてハーフチップの長さが長すぎる場合は、ネイルニッパーでカットし、細かい形はやすりで整えていきます。
最終的な形は装着後に整えるので、完璧に仕上げなくてもあらかた理想の形に近づけばOKです。
力を入れて削るとチップが歪んでしまうので、力の入れ過ぎに気を付けましょう。

6.ハーフチップの裏側に接着剤を付ける

ハーフチップにネイルグルーを適量付け、自爪に1ミリほど被るようにしてハーフチップを付けます。
ちなみに、ハーフチップの接着する部分を軽く削って薄くしておくと、自爪との段差ができにくくなるので、この先のベースジェルを厚塗りする手間が省けます。

7.ハーフチップを爪先に付けて固定する

ネイルグルーが乾いたら、チップカッターでハーフチップの先端のいらない部分をカットします。
この時、自分がほしい長さより1ミリほど長めに残しておくと後から削って調整しやすくなります。
ネイルファイルでサイドや先端を軽く削って形を整えましょう。

8.ベースジェルを塗る

ベースジェルを自爪とハーフチップに塗って硬化します。
ハーフチップと自爪の段差がなくなるように、爪を横から見て段差を埋めるように塗ります。

9.未硬化ジェルを拭き取る

ベースジェルを硬化した時点で、表面に凹凸がなく、先端の形も整っていれば次に進んで問題ありません。
ネイルファイルで形を整える必要がある場合は、表面に残っている未硬化ジェルを消毒用エタノールを染み込ませたコットンで拭き取ります。

10.ファイル類で表面を整える

ネイルファイルとスポンジバッファーを使ってフォルムを整えます。
ファイルで削りすぎると自爪やハーフチップが出てきてしまうので注意しましょう。
段差に違和感がなく、きれいなフォルムが完成したらしっかりとダストを払いましょう。

11.カラージェルを塗る

長さ出しのみならここで完成です！
デザインやカラーを施す場合は、まずダストの付着がないかをチェックしてからカラージェルを塗ります。

1度目は根元のラインがきれいに取れるように塗ってライトで硬化します。
2度塗り目で色ムラがないように塗って硬化します。
アートをする場合はここで行ってください。

12.トップコートで仕上げる

最後にトップジェルで爪全体をコーティングしてライトで硬化します。
爪先のエッジまでしっかり塗るようにしてくださいね。

トップジェルまで塗った時点で爪の厚みがクレジットカード1枚分くらいの厚みになっていたら理想的です。
ベタつきや引っ掛かりがなければこれでネイルチップを使った長さ出しの完成です。

ネイルチップとポリジェルを使った長さ出しとは？

ポリジェルは非常に固いテクスチャーのジェルです。
粘土のような固さなので、流れてしまうこともありません。
チップフォームという専用のネイルチップにジェルを入れ込み、自爪に貼り付けて長さ出しを行います。

ポリジェルのメリットは以下の通りです。

ただし、デメリットとしては

といった点があります。

必要なもの

ポリジェルに必要なネイルアイテムは以下の通りです！

ポリジェルは専用のものを用意し、ブラシは大きすぎず、小回りの利くコシがあるものが使いやすいです。

ウッドスティックは、はみ出したポリジェルを取り除くのに使います。
先端を薄く整え、隙間に入るように仕上げておくと修正がスムーズにできますよ。

やり方

ポリジェルの基本のやり方を解説します♪

このような流れになります。

ベースジェル機能もあるポリジェルなら、プレパレーション(ジェルを付ける前のネイルケア)後にそのまま乗せても大丈夫ですが、そうでないなら装着する前にベースジェルを塗っておきましょう。

【ポイント】

チップの裏側にポリジェルを乗せ、消毒用エタノールを含ませたブラシで長さや厚みを調整していきます。
チップのサイドや根元は、気持ち薄めにしておくと綺麗な形ができやすいです。

自爪に装着する時は、キューティクルやサイドにはみ出さないよう気をつけ、やさしく空気を抜くようにジェルと爪を密着させてください。

ライトでの硬化時間はメーカーが推奨する時間を守ってください。
ポリジェルは硬化時間が短いと完全に固まらず、一部が硬化不良になる可能性があります。

完全硬化したらチップを取り外して長さや形を整えましょう。
爪先は多少不格好なまま硬化しても、長さと厚みに問題がなければネイルファイルで自由に整えられます。

最初は難しく感じるかもしれませんが、初心者さんは

を意識して挑戦してみてくださいね。

フルチップを使った長さ出しとは？

ハーフチップのように先端だけを足すのではなく、一枚のチップを爪に貼りつけ長さを出すやり方も流行っています。

フルチップでの長さ出しは

・施術時間が短い
・サイズを間違わなければ簡単にできる

のメリットがありますが、デメリットとして

・チップ選びが難しい
・装着するのが、慣れるまで難しく感じる

といったことが挙げられます。
続いて、必要なものとやり方について解説していきます。

必要なもの

基本のジェルネイルセット＋フルチップがあればOKですが、フルチップはサンプル用でなく長さ出し用を使うのがおすすめ。
硬化ライトはハンディタイプがあると失敗しにくいので、できれば用意しましょう。
ウッドスティックは修正用に使います。

やり方

フルチップでの長さ出しは、ネイルグルーでチップを貼りつけるやり方もありますが、今回はジェルネイルを使って行うやり方を紹介していきます。

1.チップを選ぶ
チップはジャストサイズを選びましょう。
ジェルをチップと自爪の間に挟みこんで密着させる感じなので、大き目だとチップのジェルが皮膚に付着する、小さめを無理やり広げると圧でジェルがはみ出すリスクがあります。

2チップの裏側(爪と密着する部分)を軽くサンディングする
サンディングをして凹凸を付けることで、ジェルの密着力が上がります。

3.プレパレーションをした自爪の油分除去を行い、ベースジェルをキューティクルから2～3mm離したところまで薄く塗布します。
チップを密着させる際、キューティクルギリギリまで塗っていると、そのジェルが押し上がりキューティクルにはみ出してしまいます。
根元の段差は後から修正できるので、ここでははみ出さないよう塗布量に気を付けてください。
また、ハイポイントを意識して塗ることもしないようにしましょう。

4チップの裏側(サンディングした箇所)にベースジェルを塗布
塗る面積は自爪に装着する場所だけでＯＫです。

5.チップを爪に装着し、ピタッと密着させる
チップを根元側から先端に向かって空気を抜きながら密着させていきます。
この時ベースジェルの量が多かったり、力が入り過ぎているとジェルがはみ出します。
はみ出した場合はウッドスティックで修正しましょう。

6.硬化
チップを装着したなら、急いで硬化させましょう。
もたもたしていると、チップがずれたり、空気が入ったりしてしまいます。
ここでおすすめなのが、ハンディライトでの仮硬化！
装着したチップを他の指で軽く押さえながら、ハンディライトを使って仮留めをし、チップがずれないようにしてから本硬化をすると、失敗せず仕上げることができます。

7.段差を削る＆長さや形を整える
完全硬化させたら消毒用エタノール等で拭き取り、チップとの段差をファイルで整えましょう。
触って気にならなくなればOKです。
長さを短くする場合はネイルニッパーを使ってカットし、細かい形はやすりで整えてください。

8.デザインをする場合は、通常のジェルネイル(ベースジェル～トップジェルで仕上げ)
デザインをする場合は、ダストを払い、再び油分除去をしてベースジェル→カラージェル＆デザイン→トップジェルで仕上げましょう。

このような流れになります。

ポイントは

・チップはジャストサイズを選ぶ
・自分の爪に合ったベースジェル(自爪とチップ両方)の塗布量を見極める
・空気を抜きながら装着する力加減を覚える

この3点です。

難しく感じますが、慣れると簡単なので、是非その感覚を身につけてくださいね。

まとめ

ネイルは長さがあると、デザイン性が広がりますよね。
他にも、一本だけ折れてしまった場合や、他の指と長さを揃えたい場合にも使えるので、覚えておいて損はない技術です。

長さをセルフで出すのは難しいですが、最近ではチップやポリジェルなど、比較的簡単にできる技術も普及しています。
様々なアートを楽しみたい方はもちろん、爪の長さを均等に揃えたい方は、是非何度もトライして長さ出しの技術を身につけてください。