ネイルケアやジェルネイルのオフに使うネイルファイルには「エメリーボード」「バッファー」「ファイル」「シャイナー」といった種類があります。
それぞれ形状や使い方、使うシーンが異なり、ネイルをする上では欠かせません。
今回の記事では、エメリーボードとネイルファイルの違いや、爪やすりにはどんなものがあるのか、それぞれの用途について解説してまいります。
爪やすりの違い
ネイリストが使う爪やすりは、見た目が似ていても目の粗さや用途が異なる物がいくつかあり、どれもシーンによって使い分けています。
正しく使わないと、自爪やジェルを削りすぎてしまったり、うまく削れずやすりの目が詰まってしまったりと、便利にするはずが使いにくくなってしまうというケースもあるので注意が必要です。
セルフネイルをはじめたばかりの人は、種類の多い爪やすりの違いがわからず、戸惑うことも多いはず。
そこで、以下では爪やすりの種類や、違いについてご紹介して参ります。
エメリーボードとは
エメリーボードとは、主に自爪を削るために使う爪やすりです。
ジェルを削るための物ではないので注意しましょう。
作りは、薄い木の板の両面に紙やすりが貼り付けてあり、両面で目の粗さが違ったり、同じだったりと商品によって仕様が異なります。
エメリーボードをはじめ、やすりの目の粗さはG(グリッド)という単位で表されます。
数字が小さいほど目が荒く、数字が大きいほど目が細かくなるのです。
おすすめのグリッド数は?
エメリーボードはだいたい100Gから220Gくらいまでの商品が売られています。
一般的に使われているのは150G前後の目の粗さで、爪が削りやすく、大きく削りすぎてしまう心配もありません。
爪やすりといえばステンレスやガラスで出来た爪やすりを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
これらは厳密に言うとエメリーボードではありません。
プロのネイリストは爪やすりにエメリーボードを使う人がほとんどです。
ネイルの資格として有名な「ネイリスト技能検定試験」でも、実技試験で用意する爪やすりはエメリーボードとなっています。
これはエメリーボードが使い捨て用のやすりで、お客さんによって使い分けられ、衛生的に保ちやすいことが主な理由です。
バッファーとは
バッファーは「スポンジバッファー」「スポンジファイル」とも言われています。
スポンジ製のやすりで、柔らかい削り心地が特徴的です。基本的に自爪に対して使います。
同じやすりであるエメリーボードとバッファーには違いがあり、「削りの優しさ」や、「削った後の断面のなめらかさ」がそれぞれ異なるということを覚えておきましょう。
例えば、エメリーボードの180Gとバッファーの180Gでは、削り心地が異なるのです。
エメリーボードならサクサク削れて、爪の長さを素早く短くできますが、同じ目の粗さでもバッファーはそこまで爪は削れません。
ですが、バッファーは爪の断面をなめらかに整えたり、爪表面のデコボコをするっとなだらかにすることができるのです。
また、どんなに目の細かいエメリーボードを使っていても、爪先にバリという薄い削りカスが残ってしまうことは多々あります。
バッファーを使うことでバリを落とすことができるので、爪先や爪表面の細かい整えにバッファーは欠かせないのです。
おすすめのグリッド数は?
バッファーは100G~240Gまでの商品が数多く販売されています。
自爪の細かい調整に使うので、180Gくらいの商品を使っているネイリストが多いですが、その辺はあくまでお好みで購入してOKです。
ファイルとは
ファイルは「ゼブラファイル」「ウォッシャブルファイル」「ネイルファイル」とも言います。
これまでご紹介してきたエメリーボードやバッファーと違いがあり、ファイルはジェルネイルやアクリルネイル、ネイルチップを削るために使います。
自爪を削るためには基本的に使わないということは覚えておきましょう。
ファイルは木の板や厚紙の両面に紙やすりが貼り付けられており、エメリーボードと比べると少し幅が広く、厚みもある商品が多めです。
ファイルはジェルネイルやアクリルをオフするために削ったり、完成したジェルやアクリルの厚みや長さを調整するために使います。
また、ネイルチップのバリを取ったり、ネイルチップの長さや形を変えるためにも使われます。
ザクザク削れるので、オフをするときは大変便利ですが、自爪まで削ってしまわないように注意しながらやする必要があります。
おすすめのグリッド数は?
自爪よりも固いものを削るので、グリッド数が幅広く、だいだい100Gから240Gくらいまでが数多く売られています。
ジェルネイルのオフに使うなら、150Gのファイルがおすすめです。
エメリーボードやバッファーと同じグリッド数で用意しても、ファイルが最も目が粗く大きく削れる傾向にあるので、使う際には注意が必要です。
シャイナーとは
シャイナーは名前通りツヤを出すための爪やすりです。
シャイナーを使って爪表面を磨くと、ガラスのようにツヤツヤで、つるんとした仕上がりになるのです。
注意したいポイントが、艶出し用とはいえ、爪やすりであることは変わらないという点です。
何度もやすりがけしてしまうと爪が薄くなってしまいます。
2~3回かけるだけでもツヤがしっかり出るので、たくさん使わないように気をつけましょう。
エメリーボードとネイルファイルの違い
エメリーボードとネイルファイルは、どちらも爪やすりですが、使う用途が違います。
エメリーボードは「自爪を削る」ためのやすりで、ネイルファイルは「ジェルやアクリル、チップなど自爪以外を削る」ためのやすりです。
エメリーボードでジェルやチップを削ってしまうと、すぐにやすりの目が詰まってしまいますし、
ネイルファイルで自爪を削ってしまうと、削った断面は非常に粗いザラザラとした仕上がりに。
ネイル道具は正しく使うことでクオリティの高い仕上がりになりますし、持ちも良くなります。
面倒だからと道具を適当に使わず、使い所を見極めながらセルフネイルを楽しみましょう!
やすりを使うときは面取りしよう
新品のエメリーボード、バッファー、ファイルを使うときは、「面取り」という作業をしてから使い始めましょう。
面取りとは、やすりのフチや側面をやすって、爪やジェルへの当たりを優しくし、バリやトゲなどを事前になくしておくことを指します。
おろしたての爪やすりは、木の板のトゲがついたままだったり、フチが鋭利な状態だったりします。
このままでも削れますが、指や爪に当たった時にフチで皮膚を切ってしまったり、トゲが刺さってしまうことがあるのです。
ケガをしないためにも、すでに消耗しているエメリーボードやファイルを使って、やすりのフチや側面を削り、なめらかにしておきましょう。
まとめ
爪やすりはセルフネイルをする上で欠かせませんし、使い分けることでプロ並のクオリティに近づけます。
初めてエメリーボードやファイルを使う時は、どのくらい削れるかわからない人も多いです。
まずはグリッド数の大きいやすりを使って、当て方や削り方を考えながら使っていきましょう。
目の細かいやすりなら自爪まで大きく削れてしまう心配も減りますし、少しだけ削りたいという時にも使えます。
慣れてきたらグリッド数の小さいやすりを使ってみてください。
そして新しいやすりを下ろすときは、やすりのフチや側面を面取りするのを忘れずに。
用途に合わせて使い分けつつ、セルフのジェルネイルやマニキュアを楽しみましょう。