爪の白い部分が以前より増えた、先端が浮いて見える…そんな変化に気づいたことはありませんか?
一見すると「爪が伸びただけ」と思いがちですが、実はそれ、爪甲剥離症(そうこうはくりしょう)という爪のトラブルのサインかもしれません。
爪甲剥離症は、爪が根元からではなく上の層で指先の皮膚から浮いてしまう状態を指し、放置すると痛みや感染を伴うこともあります。
原因は深爪やジェルネイル・マニキュアによる刺激のほか、足や手への衝撃、さらには皮膚の病気や全身疾患が関係しているケースも。
この記事では、爪の白い部分が増える原因や、病院での治療法・日常でできるケア方法までを徹底敵に解説します!
自分の指先に違和感を感じた方は、ぜひ参考にしてみてください。
爪の白い部分が増えるのは「爪甲剥離症」かも

爪の白い部分(フリーエッジ)が以前より縦に長く広くなってきたと感じる場合は、「爪甲剥離症」の可能性があります。
これは、爪の先端や横、あるいは根元部分が皮膚(爪床)から浮いてしまう状態を指し、見た目としては爪の白い部分が増えたように見えるのが特徴です。
本来、爪は根元から先端にかけて皮膚と密着していますが、剥離が起こるとその密着が失われて空気が入り込んで白く見えるようになります。
原因はさまざまですが、指先への衝撃や深爪・ジェルネイル・マニキュアのオフ時の負担、または爪水虫などの感染症によっても発生します。
軽度のうちは痛みがないことも多いですが、進行すると爪がさらに浮いて変形したり根本付近まで剥がれてしまうケースも。
手だけでなく足の爪にも起こりやすく、特に靴の圧迫や運動などで負荷がかかると悪化することもあります。
一見小さな変化に見えても根本的な原因を放置すると治りにくくなるため、早めのケアや皮膚科での診察が大切です。
爪甲剥離症になる原因とは?

ここでは、爪甲剥離症を引き起こす主な原因を3つの視点から解説します。
どのような要因が自分に当てはまりそうかを確認しながら、早めの対策につなげていきましょう。
爪への衝撃や負荷
最も多い原因のひとつが、指先や爪先への強い衝撃・摩擦です。
深爪を繰り返したり指先を酷使するなど、日常の小さな刺激が積み重なることで爪が少しずつ浮いてしまいます。
特にジェルネイルやマニキュアを頻繁に行う方は、オフの際に爪の上層を削りすぎたり先端を無理に剥がしたりすることが爪甲剥離症の引き金になることも。
足の爪の場合は、サイズの合わない靴による圧迫やスポーツ時の衝撃が原因になるケースも多く見られます。
爪は思っている以上にデリケートなため、物理的な負荷を避けることが予防の第一歩です。
爪水虫や爪カンジダ症
白い部分が広がる原因として、真菌(カビ)の感染による爪水虫(爪白癬)や爪カンジダ症も挙げられます。
これらの感染症は爪の先端や横から侵入した菌が爪の下に入り込み、爪と皮膚の間にすき間を作ることで爪が浮いてしまう状態を引き起こします。
進行すると爪が厚く濁ったり黄白色に変色することもあり、放置すると自然には治りません。
市販薬では改善しないことが多いため、皮膚科での検査と抗真菌薬による治療が必要になります。
「ただの乾燥かな」と自己判断せず、足の爪や手の爪が同時に変化している場合は早めに病院を受診するのがおすすめです。
その他の病気
爪甲剥離症は、皮膚や全身の病気が関係していることもあります。
例えば、乾癬(かんせん)や掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)といった皮膚疾患の一症状として現れることもあれば、甲状腺疾患・糖尿病・貧血・膠原病などの内臓や代謝に関わる病気が影響しているケースもあります。
また、ストレスやホルモンバランスの乱れが爪の成長サイクルに影響を与え、爪が正常に皮膚にくっつかなくなる場合も。
このように原因が一見わかりにくく見た目だけでは判断が難しいことが多いため、慢性的に白い部分が広がっていたり、痛い・浮いているような感覚があるときは皮膚科で詳しく調べることが大切です。
爪甲剥離症は自然に治る?

爪甲剥離症は状態や原因によって自然に治る場合と、治療が必要な場合があります。
軽度で一時的なものであれば爪が伸びて新しい部分に置き換わることで自然に改善することもありますが、真菌感染や慢性的な外的刺激が原因の場合は放置しても再びくっつくことはほとんどありません。
爪は平均して1か月に約2〜3ミリしか伸びないため、完全に生え変わるまでには時間がかかります。
その間に摩擦や衝撃を受け続けると、剥離がさらに広がったり変形してしまうおそれも。
自然治癒を期待するよりも、原因を特定して適切なケアや治療を行うことが健康な爪を取り戻す近道です。
剥離があったら爪は短く切る
爪甲剥離症があるときは、爪を短く整えておくことが大切です。
爪が長いままだと先端が引っかかりやすくなり、少しの衝撃でも剥離が広がってしまう可能性があります。
また、長い爪の下に汚れや水分がたまりやすく、細菌やカビが繁殖しやすくなる点にも注意が必要です。
爪切りやファイルで白い部分を残さない程度に短くカットし、清潔な状態を保ちましょう。
もし爪を切るときに痛みがあったり根元近くまで浮いている場合は、無理に処理せず皮膚科で診てもらうのが安心です。
正しい長さとケアを意識することで爪の再生がスムーズに進み、自然に元の状態に戻る可能性も高まります。
爪甲剥離症は皮膚科を受診しよう

爪の白い部分が広がったり先端が浮いているように見える場合は、早めに皮膚科を受診するのがおすすめです。
爪甲剥離症は見た目が似ていても原因がまったく異なるケースが多く、自己判断でケアを続けると悪化してしまうことがあります。
例えば、単なる乾燥や刺激によるものと思っても、実は爪水虫や爪カンジダ症などの感染症が関係していることも少なくありません。
このような場合は市販薬では治らず、医師による顕微鏡検査や培養検査で原因を特定して専用の薬を使った治療が必要になります。
また、長期間改善が見られない場合や爪が変色・変形している場合には、全身の病気が関係している可能性も。
皮膚科では爪だけでなく体全体の状態も確認しながら、根本的な原因に合った治療を行ってくれます。
爪甲剥離症は放置しても自然にくっつくことが難しく悪化すると爪の再生に時間がかかるため、早期の受診が何より大切です。
気になる症状があるときは「少し様子を見よう」と放っておかず、できるだけ早く病院で診てもらいましょう。
爪甲剥離症を予防するには

爪甲剥離症は一度起こってしまうと治るまでに時間がかかるため、日常の中での予防がとても重要です。
爪は常に外部刺激を受けやすい部分なので、知らず知らずのうちに負荷をかけてしまうことも少なくありません。
普段の生活習慣やお手入れを少し見直すだけでも、爪の健康状態を大きく改善することができます。
ここでは、爪甲剥離症を防ぐために意識したい2つのポイントを解説します。
爪に負荷をかけないように過ごす
爪甲剥離症を防ぐには、まず日常の中で爪に余計な負荷をかけないことが大切です。
指先を道具代わりに使ったり缶のフタを開けるなどの動作は、爪先への衝撃につながりやすく注意が必要です。
また、深爪を繰り返すと爪床が弱くなり、爪が浮きやすくなることもあります。
掃除や洗い物など、水や洗剤を使う作業をするときは手袋を着用して爪を保護しましょう。
足の爪の場合はサイズの合わない靴で圧迫し続けると剥離が進行するため、指先に余裕のある靴を選ぶのがポイントです。
こうした小さな意識の積み重ねが、爪を守り健康な状態を保つ第一歩になります。
ネイルオイルやハンドクリームで保湿する
爪甲剥離症の予防には、爪とその周囲の皮膚をしっかり保湿することも欠かせません。
乾燥した状態のままでは爪がもろくなり、外部刺激を受けやすくなってしまいます。
1日に数回ネイルオイルを爪の根元の甘皮部分や横の皮膚に塗り込み、軽くマッサージすることで血行が促進されて健康な爪が生えやすくなります。
ハンドクリームも併用して、手全体を保湿するのが理想的です。
ジェルネイルやマニキュアをしている場合でも、オフ後のケアとしてネイルオイルを使うことでダメージの回復が早まります。
特に冬場や乾燥の強い季節は、意識的に保湿を行うことで爪の乾燥や剥離のリスクを大幅に減らせるでしょう。
まとめ
爪の白い部分が広がったり先端が浮いて見えるといった症状は、爪甲剥離症のサインかもしれません。
この状態は爪が皮膚から浮いてしまうことで起こり、軽度のうちは痛みを伴わないこともありますが、放置すると感染や変形を招くことがあります。
原因は深爪や衝撃・ジェルネイル・マニキュアなどによる負担、さらには爪水虫などの感染症や全身疾患までさまざま。
一見小さなトラブルでも根本の原因を見極めなければ再発を繰り返すこともあるため、自己判断せずに皮膚科での受診が大切です。
軽い剥離なら爪を短く整えて清潔に保ち、ネイルオイルやハンドクリームでしっかり保湿することが回復のサポートになります。
指先を使いすぎないように注意し、爪に負荷をかけない生活を意識することが予防の第一歩です。
爪の白い部分が広がる、増えるのは、体からの小さなサイン。
痛い・浮いている感じがするなどの違和感が続くときは放置せず、早めに専門医へ相談しましょう。
正しいケアと治療を行えば、健康で美しい爪を取り戻すことができますよ。
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