浮いたジェルを着けたままにしていると、ある日ぶつけた拍子にジェルが外れた時に自爪が緑色になっていた……。
このような経験をされたことはありませんか?
また、付け替えのためにオフをしたらお客様の自爪が一部変色していることがあります。
食品に生える青カビのように見えるためパッと見た印象で「爪にカビが生えているのでは」と思う方もいるかもしれませんが、この変色はカビではなく私達の身の回りに常に存在する常在菌の一つ「緑膿菌」が引き起こしています。
今回は、緑膿菌によって自爪が緑色になる「グリーンネイル」の原因と、正しい対処法をご紹介します。
爪が緑色に!これってカビ?
爪が緑色に変色することを「グリーンネイル」といいます。
ジェルネイルをしている人なら誰でも起きる可能性がある爪のトラブルです。
食品に生えるカビのような色に見えるので勘違いしやすいですが、カビではありません。
グリーンネイルは、「緑膿菌」という皮膚に存在している菌が爪で増殖することで起こります。
緑膿菌は緑色の色素を生成するため、それが原因で爪が緑色にみえるのです。
グリーンネイルになるとかゆみや痛みといった目立つ症状はでてきません。
しかし、グリーンネイルが進行して膿んでしまうと臭いが発生する場合があります。
そして人にうつることもないので、心配しすぎず悪化させないことが大切です。
グリーンネイルの原因
グリーンネイルの元である緑膿菌は、湿気の多い小さな隙間があると一気に増殖します。
ジェルネイルが浮いた状態だとジェルと爪の隙間に水や菌が入り込み、拭き取ることができないため十分に乾燥できず菌が繁殖してしまいます。
その結果、爪が緑色に変色し、グリーンネイルになってしまうのです。
ネイルをしていない人でもグリーンネイルになることはあり、その場合は爪の上ではなく、爪と皮膚の間で発生することがほとんど。
こちらは爪甲剥離などが主な原因です。
しかしジェルネイルをしている場合は、ジェルが浮いて爪との間に隙間ができると気づかないうちに菌が繁殖して、グリーンネイルを引き起こすことがあります。
グリーンネイルの正しい対処方法を解説
グリーンネイルになってしまったら、まずはネイルはお休みしましょう。
ジェルネイルを付けている場合はオフをして、マニキュアやネイルチップなども付けず、1ヶ月以上は自爪で過ごしてください。
自爪で過ごすことで爪が乾燥し、緑膿菌がだんだん減っていきます。
この段階で緑に変色した部分がだんだん元通りになる人もいますが、変色が残りっぱなしの人もいます。
その場合も引き続き自爪で過ごし、変色した部分が切れる位置になるまで伸ばしましょう。
ネイルサロンでは、お客様にグリーンネイルらしき症状を見つけた場合、施術をお断りします。
セルフネイルを楽しんでいる方も、グリーンネイルになっている爪を見つけたら、すぐに自爪に戻して、しばらくネイルを付けないようにしましょう。
こんな時は病院へ
時間の経過とともに変色した部分が元通りになれば問題ありませんが、以下のような症状が現れた場合は病院の受診をおすすめします。
- 爪が剥がれたり爪が浮き上がったりしている
- 爪が緑色から黒っぽい色に変化した
- 爪自体が変形してきた
- 爪の周囲に炎症が生じた
このような時は放置せず、早めに皮膚科を受診するようにしてください。
グリーンネイルを予防するには
グリーンネイルの予防策としては、以下の点を重視しましょう。
【手洗いをこまめに行う】
石鹸と水で丁寧に洗い、特に爪の周りや爪の裏側も清潔に保ちましょう。
【ネイル道具の消毒】
ネイルファイル、プッシャー、ニッパーなどのネイル道具は、使用後に毎回消毒することが重要です。
消毒用エタノールを吹きかけるか、紫外線消毒器を使用しましょう。
【ネイルサロン選びに気をつける】
衛生管理が徹底されているネイルサロンを選びましょう。
使用する器具が消毒されており、従業員自身はもちろん、お客様に向けた手指消毒を徹底しているかなどを確認してくださいね。
【手に水気を残さない】
水仕事の後や手洗い後は、爪や指先をしっかり乾燥させましょう。
濡らした状態で放置せず、タオルで水気を拭き取ってください。
【ジェルネイル・スカルプの浮きに注意】
ネイルの浮き(リフトとも言います)が生じると、その隙間に水分が入り込み、細菌が繁殖しやすい環境になります。
浮きが見られたら、早めにリペアするかオフしましょう。
【ネイルは適切な期間で付け替える】
長期間同じジェルネイルやマニキュアを付けたままにせず、適切な期間でオフして付け替えましょう。
オフをしたら一度自爪の状態を確認してくださいね。
ジェルネイルを付ける期間は3~4週間が目安です。
マニキュアの場合は最大2週間くらいを目安としましょう。
【爪への負荷を減らす】
リフトの原因となるため、日常生活で強い衝撃を与えたり、無理に剥がしたりしないようにしましょう。
【爪をこまめに保湿する】
爪や爪周りの皮膚が乾燥すると、バリア機能が低下し、細菌が侵入しやすくなります。
ネイルオイルやハンドクリームでこまめに保湿しましょう。
【規則正しい食生活と睡眠時間】
爪の健康は体全体の健康と繋がっています。
バランスの取れた食事を心がけ、睡眠不足にならないようにしましょう。