ネイリストとして27年間、現場でお客様と向き合い続けてきたからこそ、今あらためて伝えたいことがあります。
それは「今、お客様に本当に必要なネイルメニューは何か」、そして「ネイリストがこれから提供していくべきメニューとは何か」という視点です。
今回は、ネイリストの皆さんに向けて、サロンワークを続ける中で感じる迷いや違和感の正体、そしてこれから先も選ばれ続けるために必要なメニューについて書いていきます。
- ネイルサロンに行ったことがある人は○割
- ネイルサロン=ジェルネイルのイメージが定着した理由
- ・ジェルネイルを続けた先に出てくる選択
- ・ネイル業界の流れと、ジェル一択になった背景
- 爪は本来ネイルサロンに通うほど「強く美しくなる」もの
- ネイリスト=ジェルネイルができる「だけ」ではNGな理由
- ・お客様は「ネイリスト=全部できるプロ」だと思っている
- ・ジェルネイルができる=ネイリストではない
- ネイルケアができるネイリストは、提案の幅が広がる
- ・まずはネイリスト自身が「ケアを受ける側」になってみてほしい
- ・これから生き残るサロンメニューとは「ケアを軸にしたサロンワーク」
- 日本プロフェッショナルネイルケア協会が大切にしていること
- まとめ:「できるネイリスト」から「選ばれ続けるネイリスト」へ
ネイルサロンに行ったことがある人は○割

出典:Fodiop真由(NailSalon mayunail)
私のコラムでは一貫して“ケア”を大切にしてきましたが、今こそウォーターケアの価値を見直すタイミングだと感じています。
まずは、ネイル業界の現状を数字から一緒に見ていきましょう。
ネイルサロンに行ったことがある人は、全体では30%未満と言われています。
この数字には男性も含まれているため、20代〜40代に限定して見てみると、以下のようになります。
女性:行ったことがある 65% / ない 35%
男性:行ったことがある 12% / ない 88%
女性だけで見れば、「行ったことはないけれど、興味はある」という層は、今の時代かなり増えていると感じます。
ネイル業界はそれだけ身近な存在になりましたが、同時に、広がったからこそ見えてきた課題も抱えているのが現状です。
ネイルサロン=ジェルネイルのイメージが定着した理由

「ネイルサロンのイメージは?」と聞かれると、 ネイルサロン=ジェルネイル と答える方がほとんどではないでしょうか。
これが、ネイル業界が一気に広まった理由のひとつでもあります。
なぜなら、
- ジェルネイルは長持ちする
- セルフ用キットが増え、身近になった
- 比較的簡単にできるイメージがある
こうした理由から、「爪に何かをつけていること」がステータスのように感じられ、ネイルサロンを検索・予約する流れが定着していきました。
そしてそのまま、数か月、数年とジェルネイルを続けている方が多いのも事実です。
ジェルネイルを続けた先に出てくる選択
ジェルネイルを続けていくと、あるタイミングで多くの方が立ち止まります。
それは「もっと続けたいのか」「そろそろやめたいのか」のどちらかです。
ここ最近では、「ジェルネイルをやめたいかも」と感じる方も増えています。
理由として多いのは、
- 爪が傷んでいると感じる
- 派手なデザインに飽きてきた
- 指先そのものをきれいにしたい
といった声です。
これらは以下のようなお客様データにも表れています。


ネイル業界の流れと、ジェル一択になった背景
ここで一度、ネイル業界でよくある流れを整理してみましょう。
- ネイルサロン=ジェルネイル
- サロンでジェルネイルをしてもらう
- 簡単そう・コスト面もありセルフに挑戦
- 「ネイリストになってみたい」と思う
- スクールに通う
- サロンワークの厳しさから自宅サロンを開業
このような流れでネイリストになる人が増え、結果としてジェルネイル中心のサロンが多くなっていきました。
一方、お客様側の流れも確認してみましょう。
- ジェルネイルをする
- 数年続ける
- 爪のダメージが気になり始める
- ジェル以外のメニューを探し始める
このようなタイミングを迎える方が実は増えています。
サロンを変えた時、担当が変わった時、 あるいは久しぶりにオフして自爪を見た時に、 「このままで大丈夫かな?」と不安になるケースも少なくありません。
爪は本来ネイルサロンに通うほど「強く美しくなる」もの

ジェルネイルで5年通っていた人の自爪と、ネイルケアで5年通っていた人の自爪。
多くの場合、ネイルケアを継続している方のほうが、爪の形・強さ・厚みが整っています。
一方で、ジェルネイルを続けていても「ジェルをしているから大丈夫」と思い、オイルケアなどをせずに過ごしていた方は、爪が薄くなっているケースも少なくありません。
40代以上になると、手元そのもののお手入れや爪の健康を重視する方が増え、最近では10代・20代でも「ケアをメインに通いたい」という方が目立つようになってきました。
爪は、サロンでのウォーターケア × 自宅でのオイルケア この二人三脚で整えていくのが理想です。
ハンドマッサージやパラフィンパックなど、保湿メニューが充実しているサロンを選ぶのもおすすめです。
※日本プロフェッショナルネイルケア協会では、全国でネイルケアが受けられるサロンをご紹介しています。
今後も協会ライセンス取得サロンを順次ご紹介していきますので、ぜひチェックしてみてください。
出典:www.instagram.com(@jpnca_offical)
ネイリスト=ジェルネイルができる「だけ」ではNGな理由

ネイルケアのセミナーを開催すると、参加者の多くはすでにサロンワークをしているネイリストさんです。
その中で感じたのは、ネイルケアを正しく理解していなかったり、自分自身が「お客様としてネイルケアを受けたことがない」という方が意外と多いということでした。
最近は、「ジェルネイルができるようになりたい」という動機でネイリストを目指す方も多く、ネイルポリッシュを扱った経験がほとんどないケースも珍しくありません。
お客様は「ネイリスト=全部できるプロ」だと思っている
お客様は、ネイルサロンに来る時点で 「ネイリストは爪に関することをすべて任せられるプロ」 だと思って来店されています。
- 爪の形を整える
- 甘皮やルースキューティクルを安全に処理する
- 爪の状態を見極めて提案する
- ポリッシュで仕上げる
上記のようなことすべてができることが「プロ」だと認識されているのです。
しかし現場では、 「ジェルはできるけれどケアが曖昧」「 ポリッシュはほとんど扱ったことがない」 というネイリストさんが増えているのも事実です。
ジェルネイルができる=ネイリストではない
ジェルネイルは便利で需要も高い技術です。
ですが、ジェルネイル“だけ”ができる状態は、技術が完成しているとは言えません。
ジェルは、自爪とケアという土台があってこそ成り立つ技術です。
ケアが不十分なままジェルをのせると、
- 浮きやすい
- 持ちが悪い
- オフのたびに爪が薄くなる
といったトラブルにつながりやすくなり、結果として「ネイルは爪が傷むもの」という印象を与えてしまいます。
ネイルケアができるネイリストは、提案の幅が広がる

ネイルケアを正しく理解し、提供できるようになると、サロンワークは大きく変わります。
- ジェルを続けたい人
- 一度お休みしたい人
- 自爪を育てたい人
- 派手なデザインを求めていない人
それぞれに合わせた提案ができるようになるからです。
「今日はジェルをのせる」
「今はケアを優先する」
この判断ができることが、信頼されるネイリストの条件だと感じています。
まずはネイリスト自身が「ケアを受ける側」になってみてほしい
セミナーで必ずお伝えしているのが、 「一度、ネイルケア専門のサロンにお客様として行ってみてください」ということです。
どんな説明をされるのか、どこを見られているのか、施術後の指先はどう変わるのか。
体験することで、初めて提供する側としての視点が生まれます。
ネイルケアは地味な技術ではなく、誤魔化しがきかない、最も差が出る技術です。
これから生き残るサロンメニューとは「ケアを軸にしたサロンワーク」
これからの時代、「ジェルができる」「デザインが豊富」だけでは、選ばれ続けることは難しくなります。
必要なのは、爪の状態を見極め、今のお客様に本当に必要なメニューを提案できる力。
その中心にあるのがネイルケアです。
日本プロフェッショナルネイルケア協会が大切にしていること

日本プロフェッショナルネイルケア協会のセミナーでは、 技術だけを学ぶことを目的としていません。
- サロンワークにどう落とし込むか
- お客様にどう説明し、提案するか
- ジェル・ケア・ポリッシュをどう使い分けるか
すべて現場を前提にした内容で構成しています。
「日本プロフェッショナルネイルケア協会」はこちらの記事でも解説しています。
まとめ:「できるネイリスト」から「選ばれ続けるネイリスト」へ
お客様は、流行を追い続けたいわけではありません。
自分の爪を安心して任せられる人を探しています。
ネイルケアを学び直すことは、今までのサロンワークを否定することではなく、より強くするための選択です。
これからのネイル業界で、ケアを軸に提案できるネイリストが増えていくことを願い、協会としても現場に寄り添った学びの場を提供していきます。
ネイリストの皆さんへ。
もし今、サロンワークの中で悩むことがあるのなら、私はあらためて「基礎の技術」を広めていきたいと思っています。
流行やスピードに流されるのではなく、爪の状態を正しく見極め、お客様の悩みを根本から解決できるネイリストを増やしたい。
それが、長く現場に立ち続けてきた私の願いです。
学びたい、見直したいと思った方は、ぜひセミナーでお会いしましょう。



