美容関係の仕事には、アイリスト、ネイリスト、メイクアップアーティスト、エステティシャン、美容師など、様々な職種がありますよね。
その中でも、「アイリスト」と「ネイリスト」は名称が似ているため、美容にあまり詳しくない方は混同してしまうこともあるようです。
そこで今回は、アイリストとネイリストの違いや、独立や職業にするならどっちがおすすめ?という疑問にお答えしていきます。
最近美容に目覚めた方や、将来は美容関係の仕事に就きたいと考えている方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
ネイリストとアイリストの違い
ネイリストとアイリストは同じ美容関係の仕事で名称も似ているため、「それぞれの違いがよく分からない」という方もいるのではないでしょうか。
似ているイメージはありますが、アイリストとネイリストの仕事内容は全く異なります。
ここではまず、アイリストとネイリストの違いを詳しく解説していきましょう。
ネイリストは美しいネイルを仕上げるプロ
ネイリストは、爪にマニキュアやジェル、スカルプチュア、ネイルアートなどの施術を行う専門職です。
ネイルサロンでは、華やかなアートやカラーリングを施すイメージがありますが、施術内容はそれだけではありません。
基本的なネイルケアやハンドケア、リペア(補修・補強)、フットケア、角質除去、オーダーチップ作成など、爪・ハンド・フットに関する幅広い施術を行っているネイルサロンが多いです。
しかし、中にはジェルネイル専門店・スカルプチュア専門店・ネイルケア専門店といった、ひとつの技術に特化したネイルサロンも存在しています。
■資格取得が望ましいが必須ではない
2025年現在、日本でネイリストとして働くために必須の資格はありません。
この点は、美容師免許がなければ働くことができないアイリストとは大きく異なります。
ネイリストの場合、現時点では無資格で仕事をしていたとしても、法律に抵触することはありません。
ただし、資格がなくても法律上は問題がないというだけで、就職の際には不利になってしまう場合があります。
ほとんどのネイルサロンの求人では、有資格者を求めている傾向にあるため、資格がないとスムーズに仕事が決まりにくい可能性があるでしょう。
また、施術を受けるお客様の立場からしてみても、無資格のネイリストよりも、有資格者のネイリストにお願いをしたいと考える方が多いです。
そのため、ネイリストとして長く活躍していくには、資格を取得するのが望ましいでしょう。
■年収は他の美容職種に比べて低め
ネイリストの年収は、アイリストや他の美容職種と比較するとやや低めです。
また、一般企業に勤める会社員(同世代)の平均年収と比較しても低い傾向にあり、福利厚生が整っていないケースも多いでしょう。
ただ、ネイリストとして技術を磨き、多くのリピーターを作って売上を上げるなどの努力をすれば、年収をアップさせることは可能です。
他にも店長になる、独立開業する、認定講師としてスクールで働くなど、ワンランク上のステージを目指すことで、年収が上がる可能性はあるでしょう。
アイリストは美しい目元に仕上げるプロ
アイリストは、まつ毛エクステンションや、まつ毛パーマなどの施術を行う専門職のことです。
店舗はまつ毛のメニューのみを扱うアイラッシュ専門店や、ネイル・ヘア・エステ等の施術も可能なトータルビューティーサロンなどがあります。
アイリストは目元を美しく仕上げるプロですが、実は他にも「アイデザイナー」「アイティスト」「まつ毛エクステンション技術者」といった複数の呼び方があるのです。
これは、それぞれの名称に商標登録がされているためで、「アイリスト」は許可がなければ名乗ることはできません。
このような理由があり、まつ毛の施術を行う技術者によって、肩書(呼び方)が異なる場合があります。
ただし、「アイリスト」や「アイデザイナー」などは、あくまでも呼び方が違うだけで、仕事内容自体は同じです。
■なるには国家試験に合格する必要がある
アイリストになるためには、美容師免許(国家資格)を取得する必要があります。
無資格でまつ毛エクステンションやまつ毛パーマの施術を行うと、美容師法上の違反行為となるので注意が必要です。
そんなアイリストの仕事ですが、実は当初から美容師免許が必要であった訳ではありません。
まつ毛エクステンションやまつ毛パーマが流行し始めた2000年前後は、現在のように法的な規制はなかったため、誰でも施術を行うことができました。
そのため、正しい知識がないまま施術を行うアイリストが増え、お客様が目元の腫れや痒み、充血といったトラブルを訴える事例が多くなったのです。
このような背景があり、2008年以降からアイリストの仕事(まつ毛エクステンション・まつ毛パーマ等)には美容師免許の取得が義務化されるようになりました。
■年収はネイリストに比べて高め
アイリストの年収は、ネイリストと比較するとやや高めの傾向にあります。
企業や働き方によって当然金額は異なりますが、アイリスト・ネイリストのおよその平均年収は以下の通りです。
- アイリストの平均年収:約250〜370万円
- ネイリストの平均年収:約200〜360万円
また、アイリストは同じ国家資格が必須である美容師(同世代で比較した場合)よりも、年収が良い傾向にあります。
そのため、美容師からアイリストに転身される方も多いようです。
おすすめなのはどっち?
これから美容関係の仕事に就きたいと考えている方は、「アイリストとネイリストはどっちがおすすめなの?」という疑問を抱くこともあるでしょう。
アイリストとネイリストは同じ美容関係の職業ですが、仕事内容や必須資格の有無、年収など、異なる点も多いため、どちらが働きやすいのか気になるところですよね。
ここからは、「アイリストとネイリストならどちらが良いのか?」という点を解説します。
重視する部分は人それぞれ!どっちが良いとは一概に言えない
仕事をしていく上で重視する部分は人によって異なるため、「アイリスト・ネイリストのどちらが良い」とは、一概に言うことはできません。
例えば、年収が低くても好きなことを優先したい方もいれば、待遇や働きやすさを第一に考える方もいるでしょう。
これは、アイリスト・ネイリストの仕事に限らず、どのような職業を目指す場合でも同じことが言えると思います。
ここまでお伝えしてきた通り、アイリストはまつ毛エクステンションやまつ毛パーマなどで、お客様の目元を美しくする職業です。
一方、ネイリストは爪やハンド、フットをキレイにケアしたり、華やかに装飾したりする職業なので、それぞれの仕事内容は大きく異なります。
また、必要な資格や年収などにも違いがあるため、まずは”自分が何を重視して働きたいのか”を明確にすることが大切です。
「年収は低めだけれど、細かい作業が好きだからネイリストとして働きたい!」
「国家資格を活かして、アイリストとしてバリバリ働きたい!」
このように、目指したい方向性を考えて「自分にとってはどちらが良いのか?」という答えを、各々で出すことが重要です。
ネイリストとアイリストのダブルライセンスを取得するのもあり
ネイリストとアイリストは、どちらもお客様をキレイにして喜んでいただける、とても素晴らしい職業ですよね。
どちらにも魅力を感じて一方だけを選べない場合や、色々な技術を身に付けたい方は、ネイリストとアイリストの両方の資格を取得するのもおすすめです。
ネイリストとアイリストのダブルライセンスを取得するメリットをお伝えします。
年収がアップする
ネイリストとアイリストの両方の資格を取得すると、キャリアの幅が広がり年収アップにつながる可能性があります。
ネイルだけ、まつげエクステだけの施術だと提供できるサービスが限られてしまいますが、ダブルライセンスがあればお客様のニーズに合わせて両方のメニューを提案できるからです。
例えばネイルとまつげの両方を一度に施術できると「ホームサロン」での集客にも強くなり、リピート率も上がりやすくなります。
デザインをトータルで演出できるのは大きなメリットであり、単価を高めても納得していただけるケースが増えるでしょう。
実際のサロン勤務でも、ネイルとまつげの両方を担当できるスタッフは重宝されます。
人件費の対策にもつながるため経営側からも評価されやすく、給料の相場が上がる傾向があります。
「ネイリスト兼アイリスト」や「アイリスト兼ネイリスト」として働けると、勤務先によっては美容師の給料に近い待遇を得られるケースも少なくありません。
ダブルライセンスはただの肩書きではなく、収入アップを現実的に目指せる手段といえるでしょう。
転職活動が有利になる
ネイリストとアイリストの両方の資格を持っていると、転職活動の際に大きなアピールポイントになります。
美容業界では「まつげエクステを中心とした店舗」や「ネイルの施術が強みの店舗」などサロンごとに特色が異なるため、どちらのサービスにも対応できる人材は採用されやすいです。
特にトータルビューティーサロンでは、一人で複数の施術を担当できるスタッフは重宝されます。
費用対策や営業効率の向上につながるため、待遇面で優遇されることも期待できるかもしれません。
また、JNEC技能検定やJEA認定試験に合格していると「基礎から学んだ人材」という証明になり、未経験から転職を考える場合にも安心感を与えます。
筆記試験や実技を通じて得た知識や経験は、履歴書や面接での説得力にもつながるでしょう。
求人ページには「ネイリスト経験2年以上」「アイリスト経験者歓迎」といった条件が並ぶことが多いですが、ダブルライセンスがあれば幅広い応募先に対応できます。
その結果、選択肢が広がって転職活動を優位に進められるでしょう。
ダブルライセンスは転職後のキャリア形成にも役立ちます。
ネイリスト兼アイリストとして活動できれば将来的に独立を考える際にもお客様のニーズに幅広く応えられ、経営の安定にもつながりますよ。
まとめ
今回はネイリストとアイリストの違いなどについて、詳しくお話しました。
仕事の内容は異なりますが、アイリストもネイリストも夢のある素敵な職業です。
資格の勉強はもちろん、仕事をしていく上で大変なこともあるかもしれませんが、それ以上に得るものも大きいと思います。
これからネイリストとアイリストを目指される方は、ぜひ前向きに頑張ってくださいね!