福祉ネイリストとは?福祉施設向けネイルスクールや日本保健福祉ネイリスト協会を解説 | ネイル女子

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皆様は「福祉ネイリスト」という職業があることをご存知でしょうか。

一般的に知られているネイリストに憧れる方も多いですが、近年はメディア掲載の影響もあり福祉ネイリストを目指される方も増えています。

福祉ネイリストの仕事内容は、一般的なネイリストと共通する点もありますが、異なる点も多いです。読者様の中には、まだまだ福祉ネイリストについて詳しく知らないという方もいらっしゃるでしょう。

そこで今回の記事では、福祉ネイリストの仕事内容や目的、一般的なネイリストとの違い、福祉ネイリストになるための方法などを解説していきます。

福祉ネイリストとは?

手に毛糸で作ったハートを持っている画像

福祉ネイリストとは、地域のご高齢の方や障害のある方、ご病気の方など、何らかの理由によってネイルサロンに行くことができない方のもとに出張してネイルの施術をする仕事です。

お客様の指先を美しくするのはもちろんですが、ネイルを通じて「癒し・勇気・元気」を感じてもらい、笑顔になっていただくことを目的としています。

そんな福祉ネイリストの仕事は、一般的なネイリストが行う仕事内容とはやや異なり、ジェルネイルやスカルプチュアをベースとした施術をすることはほとんどありません。

福祉ネイルの主なメニューは、マニキュアによるカラーリングやペイントアート、甘皮処理、ハンドマッサージ、爪の補強などが中心です。

福祉ネイリストの仕事

「福祉ネイリスト」という職業はどこかで聞いたことがあっても、詳しい内容までは分からないという方が多いのではないでしょうか。

ここではまず、福祉ネイリストの仕事内容や、働く場所についてご説明していきます。

高齢者に対してネイルケアやハンドマッサージを行う

高齢者の手を握る女性の画像

福祉ネイリストの主な仕事内容は、高齢者の方に対してネイルケアやハンドマッサージなどを行うことです。

主な対象者は高齢者の方ですが、病気や障がいといった何らかの事情によってネイルサロンを訪れることが難しい方や、震災による被災者の方なども含まれます。

また、対象者の方は女性が中心ではあるものの、男性でもメンズケアなどの施術を受けることができます。

なお、「福祉ネイリスト®︎」は、一般社団法人・日本保健福祉ネイリスト協会の商標登録となっていますが、活動を行うために必須の資格は今のところありません。

この日本保健福祉ネイリスト協会は、2012年に高齢者向けの福祉ネイル活動として始まりました。まだ歴史はそこまで長くはありませんが、高齢化社会の日本では今後も多くの方々に必要とされていくことが予想されます。

実際に福祉ネイリストによるネイルサービスを受けた利用者の方は、爪が綺麗になることで心が明るくなったり、前向きな気持ちになれたりするケースが多いようです。そのため、福祉ネイルは利用者の方の指先だけではなく、心のケアに繋がる可能性もあります。

働く場所は個人宅・介護施設など様々

車いすの女性と話す介護士の画像

福祉ネイリストとして働く場所は、利用者の方のご自宅や介護施設、障がい者福祉施設、病院など様々で、特別に決まっている訳ではありません。

前述した通り、福祉ネイルサービスを利用する方は、高齢者の方や病気・障がいをお持ちの方など、自分でネイルサロンに行けないご事情があります。

そのため、利用者の方の元へ福祉ネイリストが訪問し、ネイルサービスを行うことが基本です。

福祉ネイルを行うネイリストと普通のネイリストの違いは?

同じネイリストではありますが、福祉ネイリストと一般的なネイリストには様々な違いがあります。
ここでは、その違いについて詳しく解説していきましょう。

対象者の違い|高齢者や障害のある方を対象にしたネイル

高齢者の手を握る女性介護士の画像

先ほども解説した通り、福祉ネイリストが施術を行うお客様は、高齢者の方や障がいをお持ちの方など、様々な事情によってネイルサロンへ行くことが難しい方を対象としています。

そして、一般的なネイリストの場合は、不特定多数のお客様をサロンに迎えて施術を行うことが多いです。
中には女性限定のサロンもありますが、年齢・性別を問わずにお客様の予約を取るサロンも存在しています。

また、一般的なネイリストでも「出張ネイルサービス」を行うことがありますが、福祉ネイルのように必ずしもお客様がネイルサロンに行けない事情がある訳ではありません。

ネイル施術をする目的の違い

福祉ネイリストと一般的なネイリストでは、ネイルを施術する目的も異なります。

福祉ネイルは指先を美しくするという美容目的もありますが、利用者の方が福祉ネイリストと交流することでコミュニケーションを取りながら、気分転換したり心を癒したりすることが目的です。

福祉ネイルを利用する方々は、自由に外出ができないことが多く、様々なストレスや不安を抱えている場合があります。
そんな時、ネイルケアやハンドマッサージで指先を綺麗に整えながら、福祉ネイリストと楽しく会話をすることで、癒しや希望を感じられるようになるケースもあるようです。

しかし、通常のネイルサロンの主な目的は、爪にアートを施したり、トレンドのデザインを楽しんだりすることなので、この点が福祉ネイルと一般的なネイルの違いだといえるでしょう。

施術場所や施術時間の違い

福祉ネイリストは、利用者の方がいる施設や病院、ご自宅、時には被災地に出向いたりして、施術を行います。
また、高齢者の方や障がいのある方を対象としていることから、施術時間は一般的なネイルサロンよりも短めです。

一般的なネイルサロンの場合、シンプルなデザインの施術であっても約1時間以上はかかります。
しかし、高齢者の方や障がいをお持ちの方にとって、1時間以上の施術は負担となる可能性が高いです。

そのため、福祉ネイルの施術時間は1回10〜20分程度で、かなり短い傾向にあります。

ネイルの施術内容の違い|ハンドケア・マニキュアがメイン

福祉ネイリストと一般的なネイリストでは、施術する内容も異なります。

前項でも解説しましたが、福祉ネイルでは主にネイルケアやハンドマッサージを行うことが多いです。
利用者の方の希望があれば、マニキュアで簡単なワンカラーにしたり、相談しながら爪の上にアートを施したりすることもあります。

しかし、アートをする場合も凝ったものではなく、簡単なペイントなどを行う程度で、誤飲の恐れがあるストーン・パーツなどを使用することはほとんどありません。

一般的なネイリストは、ネイルケアやマニキュアはもちろんですが、主にジェルネイルやスカルプチュアの施術を行うことが多いです。

施術するデザインはシンプル〜トレンドデザインまで幅広く、華やかなロングネイルを作成することもあるため、福祉ネイリストとは仕事内容が大きく異なります。

福祉ネイリストの働き方

サロンで働く女性の画像

福祉ネイリストの仕事に興味がある方は、どのような働き方があるのか気になりますよね。
そこで、ここからは福祉ネイリストの働き方を解説します。

福祉ネイリストは給料制?業務委託?

福祉ネイリストの仕事は、まだまだ広く認知されておらず、求人を見かけることも少ないです。
そのため、雇用形態や給与について知りたいと思う方もいらっしゃると思います。

福祉ネイリストは正社員での募集は少なく、業務委託で働いている方が多いです。
次の項目で詳しく解説していくので、ぜひ参考にしてくださいね。

■業務委託が一般的

福祉ネイリストは、個人事業主・フリーランスの方が業務委託で働いているパターンが一般的です。

通常のネイルサロンのように雇用されて働くというケースは少なく、本業にするには少々厳しいと言われています。
そのため、本業の仕事をしながら、副業で福祉ネイリストとして働いている方が多いようです。

本業であれ副業であれ、個人的にお仕事をお願いされることは稀です。
なるべくコンスタントに仕事を獲得するためには、日本保健福祉ネイリスト協会などの団体に所属して、仕事を紹介してもらうチャンスを作ったり、自ら営業活動を行ったりする必要があります。

■福祉ネイリストの給与は?

福祉ネイリストの給与は、1人当たりの施術で約1,000〜3,000円が相場です。

一般的なネイルサロンの客単価と比較すると低めですが、1人当たりの施術時間が約20分と短いため、人数をこなせば収入アップを目指すことができます。

なお、現在活躍されている福祉ネイリストの中には、約13〜15万円前後の月収がある方もいるようです。

福祉ネイリストになるにはどうすればいい?

 爪にネイルアートをするネイリストの手元の画像

福祉ネイリストを目指そうと考えている方は、「どのようなステップを踏めば良いか?」という点が気になりますよね。
ここでは、福祉ネイリストになるための流れや、持っておいたほうが良い資格などを詳しく解説します。

福祉ネイリストの認定資格は必要?

一般的なネイリストと同じく、福祉ネイリストになるために必須の資格は今のところありません。
そのため、特に資格がなくても、福祉ネイリストとして働くことは可能です。

しかし、利用者の方に安心して施術を受けてもらうためにも、ネイルに関連する資格を取得しておくことをおすすめします。

ここでは、福祉ネイリストになるために取得しておくと良い資格について解説していきましょう。

■福祉ネイリスト認定制度:初心者から福祉ネイリストを目指せる

福祉ネイリストを目指すのであれば、一般社団法人・日本保健福祉ネイリスト協会(JHWN)が主催している「福祉ネイリスト認定制度」の資格がおすすめです。

福祉ネイリストの資格を取得するためには、全国にある協会の認定校で、知識や技術面の講習を受ける必要があります。

講習の時間や回数は所持している資格によって異なり、未経験もしくはJNECネイリスト技能検定3級の場合は3時間×7回、2級以上の場合は5時間×2回の講習が必要です。

そして、卒業試験に合格した後は実際の施設で講師とともに研修を行い、全てに合格すると協会からディプロマが発行されます。

また、福祉ネイリスト資格取得後も、協会や卒業した認定校のフォローを受けることができるため心強いでしょう。
気になる方は1度問い合わせしてみて下さい♪

持っていた方が良い資格

ノートに字を書く女性の手の画像

前述した通り、福祉ネイリストになるために必須の資格は今のところありません。

とはいえ、ネイル関連の資格を持っていた方が仕事が見つかりやすく、お客様からの信頼を得ることもできるでしょう。
そのため、福祉ネイリストになりたい方は、資格の取得を検討することをおすすめします。

ここでは、福祉ネイリストになるために持っていたほうが良い資格を解説するので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

■JNECネイリスト技能検定試験

JNECネイリスト技能検定試験は、ネイルの基本知識と技術を習得できます。
ネイル関連の資格試験の中でも、最もメジャーな「JNECネイリスト技能検定」は、福祉ネイリストになるときにも役立ちます。
一般的なネイリストはもちろんですが、福祉ネイリストからも大変人気がある資格です。

JNECネイリスト技能検定は、3級・2級・1級の3段階に分かれています。

3級は義務教育を修了している方であれば誰でも受験することができますが、2級は3級取得者、1級は2級取得者の方のみが受験可能です。

JNECネイリスト技能検定を取得しておくと、一般的なネイリストとして働く時にも役立つため、就職できるサロンの幅も広がる可能性があります。

■JNAジェルネイル技能検定試験

JNAジェルネイル技能検定は、ジェルネイルの知識と技術を習得できます。
先ほど解説したJNECネイリスト技能検定と同じく、ネイル関連の資格試験で人気が高いのは「JNAジェルネイル検定」です。

福祉ネイリストの現場で、ジェルネイルを施す機会はほとんどありません。
しかし、JNAジェルネイル検定では、福祉ネイルで行うネイルケアの知識・技術も習得できるので、実践でも役立ちます。

また、JNECネイリスト技能検定と同様に、取得しておくことで一般的なネイルサロンに就職する時にも有利になる可能性があるでしょう。

JNAジェルネイル検定は、初級・中級・上級の3段階に分かれています。

初級は義務教育を修了した方であれば誰でも受験できますが、中級は初級取得者、上級は中級取得者の方のみが受験可能です。

■介護職員初任者研修

介護職員初任者研修は、基礎的な介護の知識を学べます。
福祉ネイルを利用するのは主に高齢者の方々です。そのため、ネイル関連の資格だけではなく、「介護職員初任者研修」も取得しておくことをおすすめします。

この介護職員初任者研修では、介護に関する基礎知識を学ぶことができるため、福祉ネイリストとして活動する上でも役立つことが多いでしょう。

研修のカリキュラムは130時間で受講期間は約1〜4ヶ月なので、仕事をしながら取得を目指すことも可能です。

福祉ネイリストになるための流れ

計画を立てるイメージ画像

福祉ネイリストになるためにあると役立つ資格や、一般的なネイリストとの違いなどについては分かっても、それだけでは具体的なイメージが沸かないという方も多いのではないでしょうか。

ここからは、福祉ネイリストになるための流れを詳しく解説していきます。

■自分の活動内容と目的を決める

福祉ネイリストを目指すのであれば、まずは自分の活動内容や目的をしっかりと決めておくことが重要です。

本業として働きたいのか、副業として別の仕事と掛け持ちをしたいのか、もしくは社会貢献(ボランティア)のために行うのかによっても、活動の仕方は大きく異なります。

そのため、まずは自分が福祉ネイリストとして、どのような活動をしていきたいのかを自問自答してみましょう。

■必要な知識・技術を学ぶ

自分の活動内容や目的が明確になったら、次はそれらに必要な知識や技術を学んでいくことが大切です。前述した通り、現時点では福祉ネイリストになるために必須の資格はありません。

しかし、高齢者の方にネイルサービスを行う場合は、ネイルや介護の知識・技術があったほうが安心です。利用者の方にも適切なサービスやアドバイスをすることができ、施術を行う上での自信にも繋がるでしょう。

■福祉ネイリストの認定校がおすすめ

福祉ネイリストになるために必要な知識や技術は、独学で学ぶこともできます。
しかし、より正しい知識・技術を本格的に学びたい方は、福祉ネイリストの認定スクールに通うことも検討してみてください。

福祉ネイリストの認定校では、爪の構造や病気、皮膚科学などはもちろんのこと、福祉と介護の現状や高齢者の特性といった知識を学ぶことができます。

また、福祉ネイルで施術をすることが多いカラーリングやペイントアート、ハンドトリートメントなどの技術もカリキュラムに含まれているため、段階を経て必要な知識・技術を身につけることが可能です。

さらに、福祉ネイリストの認定校では、講師同行の実地研修もあり、実際に仕事を始めてから役立つ内容を多く学ぶことができます。

■ネイル用品を揃える

必要な知識・技術を学んだら、次は施術に必要なネイル用品を揃えましょう。

ネイル用品は一般的なネイリストと共通するアイテムもありますが、ジェルネイルやスカルプチュアに使用する道具、ストーン・パーツなどの装飾品は特に用意しなくても問題ありません。

基本的には、甘皮ケアやハンドケア、マニキュア、簡単なフラットアートに必要な道具が揃っていればOKです。

■市区町村で手続きを行う

事業者に雇用されて働く場合は必要ありませんが、個人事業主として福祉ネイリストの活動をする場合は、活動拠点が所在する市区町村で開業届の手続きをする必要があります。

なお、開業届は開業から1ヶ月以内に申請するようにしましょう。

福祉ネイリストの求人の探し方

ネイルサロンで使う道具セットの画像

「福祉ネイリストの仕事はどうやって探すの?」という疑問をお持ちの方も多いですよね。
そこで、ここでは福祉ネイリストの求人の探し方を解説します。

就職支援エージェントを使う

福祉ネイリストの仕事を探す時は、就職支援エージェントを使うという方法があります。
就職支援エージェントは、求職者と企業をつなぐサービスのことです。

専任のアドバイザーが、求職者の希望をヒアリングしながらマッチした求人を紹介してくれたり、企業に交渉してくれたりします。

タイミングさえ合えば、福祉ネイリストの求人が見つかる可能性があるため、ぜひ就職支援エージェントを利用してみましょう。

求人情報サイトを使う

現代は多くの求人をインターネットで探せる時代です。
そのため、福祉ネイリストの仕事も求人情報サイトで見つかる可能性があります。

福祉ネイリストの仕事を探している方は、「doda」「リクルートエージェント」「リクナビAGENT」といった求人サイトの情報をこまめにチェックしてみましょう。

まとめ

外を見る車椅子の高齢者女性の画像

今回は福祉ネイリストについて詳しくお話しました。

現時点では福祉ネイリストの歴史はまだ浅く、認知度もそれほど高くはありません。
しかし、高齢化社会である日本では、今後ますます福祉ネイリストの需要が増えていくことが予想されます。

まだまだ福祉ネイリストの求人数は少ないため、本業として働かれている方が多いとは言えませんが、今後求人が増える可能性はあるでしょう。

現在、一般的なネイリストとして働かれている方は、ネイルサロンと福祉ネイルを掛け持ちするというスタイルでも良いかもしれません。

福祉ネイリストは、何らかのご事情により外出が難しい方々を笑顔にできる、素晴らしい職業です。興味がある方は、ぜひ今後の将来設計を前向きに考えてみてくださいね。

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