「爪を見れば健康状態がわかる」という話を聞いたことはありませんか?
これは本当です。
爪には、体調不良や栄養不足などの症状が色や形の変化で現れます。
また爪を見てみると、爪の根元に白い部分がありますよね。ちなみに、この根元の爪の白い部分はある人とない人がいます。
この白い部分、一体なんだと思いますか?
このように、知っているようで意外と知らないことが多い爪のこと。
そこで今回の記事では、爪と健康の関係や爪の白い部分の役割や名称など、爪の基礎知識について解説していきます。
爪からわかる健康状態のサインを見逃さないようにしましょう!
- 爪で健康状態がわかるってホント?
- ・そもそも爪とは?
- 爪からわかる体の状態
- ・爪に縦筋が入る|爪の乾燥や栄養が偏っているかも
- ・爪に横線がある|体調不良が続いていたかも
- ・二枚爪や爪割れする|爪の乾燥や食生活の乱れが原因かも
- ・爪に白い斑点がある|ストレスが多いかも
- ・爪が白濁している|水虫(爪白癬)の可能性が
- ・爪の白い部分が広がる(フリーエッジ)|爪の剥離が原因
- 爪の根元にある白い部分は何?
- ・爪の根元の白い部分は「爪半月」
- ・爪半月の「ある・なし」は生まれつき
- ・爪半月が「見える・見えない」の違いは?
- 健康で丈夫な爪の見分け方
- ・爪の形をチェック
- ・爪の色をチェック
- ・割れやすさをチェック
- 適度なネイルケアは健康な爪を維持する効果あり◎
- ・健康な爪を維持するためのポイント
- ・セルフケアのやり方
- よくある質問
- ・爪のために食べた方が良いおすすめの食べ物は?
- ・爪の様子がおかしい時は何科に行くべき?
- まとめ
爪で健康状態がわかるってホント?
「爪は身体の健康状態を映す鏡」とも言われていますが、それは本当です!
「なんとなく調子が悪い」「ずっとだるい日が続いている」など、何かしら体調が悪い時は、爪の色や形がいつもと違っていることも少なくありません。
身体の末端にある指先や足先は、栄養が行き届きにくい場所でもあるため、末端にある爪には栄養不足や血流の悪さがダイレクトに表れます。
健康な爪とは、うっすらとしたピンク色で、表面もなめらかな状態です。
凹凸があったり血色感がない場合は、身体の調子がイマイチな可能性があるため、身体を休めたりストレスを発散させる、食事に気を付けるなどの対策をしてください。
そもそも爪とは?
「そもそも爪とは何か」ですが、
一般的に爪と呼んでいる硬い箇所は、皮膚の一部分が角質化したもので「爪甲(そうこう)」と言い、皮膚と同じくタンパク質で構成されています。
爪の硬さのおかげで力が入るため、指先で細かい作業ができたり、足の場合はしっかりと地面を踏みしめて歩けるようになっています。
逆に爪の状態が良くないと指先に力が入らず指を上手に扱えない、歩行に影響がでるなどのトラブルが起こってしまいます。
小さな一部分の爪ですが、実は重要な役割を担っているのです。
爪からわかる体の状態
医師も診断の判断材料にする爪。
爪の状態を見れば、ある程度の健康状態を予測することができます。
爪から分かる身体の健康状態について、解説していきます。
爪に縦筋が入る|爪の乾燥や栄養が偏っているかも
爪に縦筋が入っているという時は以下の原因が考えられます。
ちなみに体の病気が隠れていることは少ないです。
- 加齢
- 爪の乾燥
- 睡眠や食生活の乱れ
まず爪の縦筋が入る最も多い原因は加齢です。
爪はケラチンというタンパク質でできており、3層構造になっています。爪の水分量が少なくなってしまい、1番表面にあるトッププレートは繊維が縦方向に連なっているので縦筋が見えてしまうのです。
爪の乾燥でも縦筋が出ます。ネイルオイルとハンドクリームで爪の保湿をしっかりしてあげることで改善されますよ。
特にセルフネイルをしていて、マニキュアやジェルネイルのオフをした後はしっかりと保湿しましょう。
また、睡眠や食生活の乱れでも爪に縦筋が入ることがあります。
栄養バランスの整った食事をすることは爪だけでなく体のためにも良いので野菜などをバランスよく食べるようにしましょう。
■亜鉛不足には注意
亜鉛が不足すると「欠けやすい」「爪の横線が増える」「縦に割れてくる」「白い斑点ができる」のような症状が出てきます。
これらの症状は乾燥が原因と思われがちですが、爪そのものが脆くなっていると感じるなら、亜鉛不足を疑ってみましょう。
亜鉛は爪の主成分であるタンパク質、「ケラチン」の合成に不可欠なミネラルです。
ネイルオイルやハンドクリームを使った保湿も大切ですが、そもそもの土台の爪の状態が良くないとトラブルを予防することはできません。
偏った食生活や過剰な飲酒、極端なダイエットで栄養不足にならないよう、食生活に気を付けることも大切です。
爪に横線がある|体調不良が続いていたかも
横線が入る時は体調不良などで爪に栄養が行き届かず、爪の成長が抑制されてしまった可能性が考えられます。
体調不良には高熱などがあげられます。薬の影響を受けることもあります。
また、手の場合はぶつけたり噛んだりした、足の場合はサイズの小さい靴を履いているなどの外的な要因でも爪に横筋が入ることがありますので注意しましょう。
二枚爪や爪割れする|爪の乾燥や食生活の乱れが原因かも
二枚爪や爪割れの原因は以下の4つが挙げられます。
- 爪の乾燥
- 爪への負荷が多い
- 食生活の乱れ
- 爪が傷んでいる
二枚爪や爪割れの原因で多いのは爪の乾燥と爪への負荷です。
爪は手洗いや手指消毒で乾燥しやすいので、手洗い後や乾燥を感じた時にネイルオイルで保湿をすることが大切です。
食生活の乱れによってタンパク質や鉄分、亜鉛などが不足している場合も爪は割れやすくなります。栄養バランスのいい食事は縦筋が入ることの対策にもなるので心がけるのがいいでしょう。
ほかには間違ったネイルケアやセルフジェルネイルで爪が傷んでいる場合も考えられます。
爪磨きをやりすぎていたり、ジェルオフで自爪まで削ってしまっている場合に爪割れは生じやすいので注意してくださいね。
爪を切る時に爪切りを使用するのも爪が割れる原因になるのでエメリーボード(爪やすり)を使って短くするようにしましょう。
爪に白い斑点がある|ストレスが多いかも
爪に白い点がある時は以下のような状態が考えられます。
- 過度のストレス
- 栄養不足
- 外部からの刺激
過度のストレスがかかっている場合に爪に白い斑点ができることがあります。
リラックスする時間を設けたり、ストレスの原因が分かる場合は軽減できるようにしてみたりしてくださいね!
また、亜鉛やカルシウムが不足している事も考えられます。
バランスの良い食事をすることで縦筋もなくしていくことができるので心がけましょう。
爪を強くぶつけるなど、外部からの刺激が合った場合にも白い点ができることもあります。
3つのいずれの場合も爪が伸びるにつれて爪先に移動していきますが、何か異変を感じる時は皮膚科に行きましょう。
爪が白濁している|水虫(爪白癬)の可能性が
アレルギーや皮膚炎などで手指が荒れたり、カビの一種であるカンジダ菌や白癬菌(爪の水虫)による感染症が爪の剥離を引き起こすことがあります。
カンジダ菌は手指の爪に多く見られかぶれを引き起こしたり、白癬菌は足の爪に多く見られ爪水虫を引き起こしたりします。
カビの一種であるこれらの菌が爪の中に入り込むことで爪の色が濁って見えたり、爪が分厚くなって白く見えたりします。
爪の白い部分が広がる(フリーエッジ)|爪の剥離が原因
通常爪は、先端の白い部分だけが皮膚から離れています。
離れている部分が何らかの原因で広がってしまうことを「爪甲剥離(そうこうはくり)」と呼びます。
剥離は、外部刺激によるもの、病気や細菌によるもの、内服薬の影響、爪のダメージなど、様々な要因で起こります。
小さな剥離であれば爪が伸びて自然となくなる場合が多いですが、どんどん進行していく場合は注意が必要です。
原因を探るためにも、一度皮膚科を受診するのが良いでしょう。
爪の根元にある白い部分は何?
爪を見ると気がつく、根元にある白い部分……名前がわからなくて「爪の白い部分」と呼んでいる人も多いのでは?
まずは爪の白い部分の名前について紹介します!
爪の根元の白い部分は「爪半月」
爪半月は「そうはんげつ」と読み、できたての新しい爪です。
または「ルヌーラ」とも呼ばれる部分です。
爪半月はまだできたての爪なので水分量が多いため白く見えます。
伸びていくに連れて透明になり、爪の下の毛細血管などが透けるので薄いピンク色に見えているのです。
爪半月の「ある・なし」は生まれつき
爪半月があると健康で、爪半月がないと不健康といった話を聞いたことがある方もいらっしゃるかもしれませんが医学的な根拠はなく、実際には爪半月の有無は生まれつき決まっているようです。
そのため、爪半月のある爪が全くない=不健康ということは一概に言えません。
爪半月が「見える・見えない」の違いは?
しかし、爪半月が見える見えないでは違いがあります。
爪半月がある人で爪半月が見えていて大きい場合は新陳代謝がいい状態、見えていない場合は新陳代謝が落ちている状態という違いがあります。
以前はくっきりと爪半月が見えていたのに最近見えていないな……というときには代謝が低下しているのかもしれませんよ。
健康で丈夫な爪の見分け方
爪が丈夫かどうかは、白い部分の有無で判断することができないということが分かりましたが、一体どのようにして、爪が健康的であることを確認すれば良いのか疑問に思いますよね。
「爪は健康のバロメーター」といわれていることから、爪を見て健康状態が分かる場合もあります。
その際は、爪の形・爪の色・割れやすさなどをチェックしてみましょう。
爪の形をチェックする
爪の形は以下のように、健康状態と関係がある場合があります。
・波板状爪:爪に横溝がいくつもでき、波を打った状態。
爪の根元の外傷や湿疹などのダメージが原因であるといわれています。
・スプーンネイル:爪がスプーン状に反り返った状態。
鉄分不足や職業(指先に力が入る仕事)などが原因といわれています。
・爪甲縦条:爪に縦線ができる。
乾燥や加齢が原因であるといわれています。
・バチ爪:爪が指先を包むように大きくなった状態。
全身的な病気が隠れていると考えられています。
これらは一例になりますが、急に爪の形が変わった場合は、なるべく早めに病院を受診することをおすすめします。
爪の色をチェックする
爪の色でも、健康状態が判断できる場合があるので、日頃からチェックしてみましょう。
基本的に健康な爪の色は、薄いピンク色をしていて、表面には自然なツヤがあります。けれど、さまざまな原因により、爪の色に変化があらわれることもあるのです。
例えば、爪の色が紫になったり、青白くなったりしている場合は、冷えや貧血などが関係していることがあります。
また、爪の色が緑になっている場合は、”グリーンネイル”の可能性が高いです。
ジェルネイルやスカルプチュアネイルが浮いた部分に湿気がこもることで、グリーンネイルになってしまうこともあります。
もし、爪の色が緑になっている場合は、しばらくネイルをお休みするようにしましょう。
割れやすさをチェックする
通常の日常生活を送っているだけで、爪先が割れたり欠けたりしやすい場合は、栄養不足やストレスなどが考えられます。
爪の主成分は、”ケラチン”というタンパク質です。その為、タンパク質が不足すると爪が脆くなり、割れたり欠けたりといったトラブルが増えやすくなります。
また、睡眠不足や疲労などのストレスも、爪の健康状態に影響があるので気をつけましょう。なるべく上手に発散しながら、ストレスを溜め込まない生活習慣を心がけることが大切です。
食生活では無理なダイエットは避け、お肉やお魚、卵、ヨーグルトなどのタンパク質をはじめ、ミネラルやビタミンも不足しないように意識しましょう。
このように、
体の内側からアプローチしながら、同時に外側からもネイルオイルやクリームなどで爪の保湿を心がけてあげると、より美爪効果が期待できますよ。
適度なネイルケアは健康な爪を維持する効果あり◎
健康な爪を維持するためには、適度なネイルケアが効果的です。
ネイルケアを行うと爪周りの状態が整い、ささくれやサカムケ、二枚爪などの乾燥による爪トラブルが起きにくくなります。
また、これから伸びてくる爪の育成にも良い影響を与えてくれるため、ネイルケアは健康的で丈夫な爪を育てるために必要な行為になります。
「爪が割れやすい」「二枚爪がすぐできる」「爪が脆い」のように、爪そのものに弱さを感じている方は、土台の状態から整えるために、定期的にネイルケアを行いましょう。
健康な爪を維持するためのポイント
健康な爪は、血色が良く適度な柔軟性を持っています。
一方、乾燥して柔軟性がない爪は、欠けや亀裂、二枚爪になりやすく、爪周りの皮膚も硬くなりがちです。
さらに血流が悪いとくすみやシワが目立つようになり、美しい手元とは程遠くなってしまいます。
健康な爪を維持するためのポイントを解説していくので、意識してみてくださいね。
■爪はいつも清潔な状態にしておく
爪と爪周りはいつも清潔な状態にしておきましょう。
特に、爪先の白い部分の裏側に気をつけてください。
料理をした時、メイク時のファンデーション、垢や角質など、裏側部分には汚れが付着していることが多いです。
汚れている状態だとそこから雑菌が繁殖してしまい、爪の成長に影響を与えてしまいます。
しっかり手洗いするのはもちろん、細部まで気にしてきれいにしておくよう気をつけましょう。
■爪は正しい切り方で整える
爪を正しい切り方で整えるのも大切です。
爪は爪切りで切っただけだと二枚爪になりやすいため、最後はやすりで整えるようにしてください。
また、長さや形も指先のカーブに合わせて整えるのがベスト。
スクエアオフやオーバルなど、ある程度強度があり自然な形がおすすめです。
長めの爪が好きな方は、ベースコートを塗って強度を出し、指先の扱いに気をつけるようにしましょう。
■甘皮を押し上げる時は軽い力で行う
ネイルケアをすることで、爪の根元の白い部分が見えることもありますが、その際は軽い力でやさしく甘皮を押し上げることが大切。
先ほどご説明した通り、爪の白い部分は生まれたての爪です。
この部分は水分量が多く柔らかいため、とても傷つきやすいので、力強く押し上げないように注意しましょう。
セルフケアのやり方
では、健康的で丈夫な爪を維持するためにも、2週間~3週間に1度は行ってほしい「セルフケアのやり方」をお伝えします♪
■1.甘皮をキューティクルリムーバーやお湯でふやかす
まずはキューティクルリムーバーを甘皮に塗りましょう。
その後、お湯を入れたフィンガーボウルに指先を約5〜10分入れ、甘皮をふやかします。
この段階で、甘皮がキューティクルリムーバーやお湯でしっかりとふやかされていれば、軽い力でも甘皮をキレイに押し上げることができますよ。
■2.角度を付けて軽く押し上げる
次は、メタルプッシャーを使い、甘皮のサイドや中央を軽い力で押し上げていきます。
この時のメタルプッシャーの角度は、爪に対して45度くらいが適切です。
押し上げる時にぐっと力が入ってしまうと、白い部分や甘皮が傷ついてしまうので注意しましょう。
■3.ルースキューティクルを取り除く
甘皮をキレイに押し上げることができたら、メタルプッシャーでルースキューティクルを掻き出して取り除いていきます。
この時は、拭き取り用のガーゼがあると便利ですよ。
また、ネイルサロンではキューティクルニッパーを使用することがほとんどですが、ご自宅でのセルフケアの場合は必須ではありません。
キューティクルニッパーを使用しなくても、適切な力で甘皮を押し上げ、きちんとルースキューティクルが取り除けていればキレイになりますよ。
よくある質問
最後に、爪に関する質問にお答えしていきます。
爪のために食べた方が良いおすすめの食べ物は?
爪は主に、タンパク質の一種である「ケラチン」で構成されています。
タンパク質は、お肉やお魚、卵、大豆製品に多く含まれます。
良質なタンパク質の摂取が健康的な爪への育成に必要ですが、ケラチンの合成にはビタミンやミネラルなど他の栄養素も欠かせないため、食事はバランス良くを心がけましょう。
爪の様子がおかしい時は何科に行くべき?
爪の様子がおかしい時は「皮膚科」に行きましょう。
爪は皮膚の一部分なので、皮膚科が専門です。
ただし、爪そのものの状態が悪いこともあれば、内臓疾患など別の原因で爪の状態が悪くなっていることもあります。
爪だけでなく、他の異変があるなら皮膚科以外の受診も検討してください。
まとめ
爪は医師が健康状態を見る時にも観察する部位です。爪全体をはじめ、白い部分のルヌーラも、身体の状態を知る重要な手がかりになります。爪の健康を保つためには、外部刺激からの保護と内部から整えることが大切。指先の扱いに気を付ける、保湿をしっかり行うだけでなく、栄養バランスの良い食事を摂取したり、ストレスを溜めないことも爪の健康維持には欠かせません。できることはなるべく行い、爪だけでなく身体全体の健康を保ちましょう。