ネイルサロンのメニューや、ネイル系のメディアなどを見ていると「イクステンション」という単語を目にすることがありますよね。
マニキュアやジェルネイル、スカルプチュアなどは知っていても、「イクステンションって何?」と疑問に思っている方も多いのではないでしょうか。
そこで今回の記事では、イクステンションの種類や使い方などを詳しく解説します。
ネイルについて更に深い知識を得たい方や、将来ネイリストを目指している方は、ぜひ最後までご覧くださいね。
- ネイルイクステンションとは?
- ・長さ出し技術のこと
- ・イクステンションとリペアは違う
- イクステンションの種類
- ・アクリルスカルプチュア
- ・ジェルスカルプチュア
- ・チップオーバーレイ
- ・チップラップ
- イクステンションジェルとは
- ・長さ出しをするためのジェルのこと
- ・イクステンションジェルとハードジェルの違い
- ・イクステンションジェルとビルダージェルの違い
- イクステンションジェル|長さ出しのやり方
- 1. 爪の下準備(プレパレーション)をする
- 2. 爪表面のサンディングをする
- 3. ベースジェルを塗布する
- 4. ネイルフォームを装着する
- 5. イクステンションジェルでアプリケーションする
- 6. 未硬化ジェルを拭き取る
- 7. ファイリングで爪の形を整える
- 8. トップジェルで仕上げる
- イクステンションには技術や知識が必要
- ・イクステンションをマスターするならネイルスクールに行くのがおすすめ
- まとめ
ネイルイクステンションとは?
ネイルには様々な専門用語がありますよね。
気になる”ネイルイクステンション”も、ネイル用語の中のひとつです。<>
最近ネイルに興味を持ち始めた方は、「ネイルイクステンションって何?」「スカルプと同じ意味?」など、疑問に思うことがあるかもしれません。
そこでここでは、ネイルイクステンションについて詳しく解説していきます。
長さ出し技術のこと
イクステンションの直訳は「延長する」という意味で、ネイル業界では「爪の長さを出すこと」を指します。
つまり、爪の長さ出し技術全般のことを「イクステンション」というのです。
イクステンションをどんな時にするかと言うと、短い自爪をロングにしてネイルをしたい時に行うことが多いです。
ロングネイルにするだけでなく、深爪がコンプレックスという方は自然な長さのネイルにするために短めのイクステンションをすることもあります。
長さ出しをする技術には様々な種類があるので、次項で種類を紹介していきます。
イクステンションとリペアは違う
ネイルリペアと混同されることがありますが、リペアは爪を補強したり修復したりする技術のことです。
リペアは自爪が割れたり欠けたりしてしまった時や、ジェルが浮いてきた時に行います。
イクステンションの種類
イクステンションには長さ出しに用いる溶剤の違いによって様々な種類があります。
主なものは以下のとおりです。
- アクリルスカルプチュア
- ジェルスカルプチュア
- チップオーバーレイ
- チップラップ
ネイルサロンでの長さ出しで多く利用されているのはアクリルスカルプチュアとジェルスカルプチュアです。
これらは「ネイルフォーム」と呼ばれる土台を指先に付け、アクリルやジェルで長さ出しを行います。
セルフネイルでは難易度が高いですが、最近は100円ショップでもネイルフォームが販売されているので、費用を抑えてスカルプチュアを行うこともできるようになっています。
チップオーバーレイとチップラップは、ネイルチップを使用して長さを出す方法で、比較的簡単で短い時間で長さ出しを行うことができますよ。
アクリルスカルプチュア
アクリルスカルプチュアは、アクリルパウダーとアクリルリキッドを混ぜて作るミクスチュアという物質で、人工爪を造形する技術です。
専用のネイルフォームを装着した後、自爪の上にミクスチュアを乗せて、自由に長さ・形を作ることができます。
ジェルスカルプチュアよりも強度があるため、ロングやスーパーロングネイルはアクリルで作られることが多いです。
自由自在に爪の造形ができる点はメリットですが、ミクスチュアを乗せた瞬間から硬化が始まるため、スピーディーな施術をする必要があります。
ジェルスカルプチュア
ジェルスカルプチュアは、イクステンションジェルやハードジェルと呼ばれる強度のあるジェルを使用して、人工爪を造形する技術です。
アクリルスカルプチュア同様、専用のネイルフォームを装着し、イクステンションジェルorハードジェルで爪の長さ出しを行います。
アクリルスカルプチュアほどの強度がないため、ロングネイルには不向きですが、1cm前後の長さ出しは可能です。
また、ジェルスカルプチュアは、施術中にどんどん硬化するアクリルスカルプチュアとは異なり、ライトに入れない限りは硬化することはありません。
そのため、セルフネイル初心者の方でも、比較的チャレンジしやすいでしょう。
チップオーバーレイ
チップオーバーレイは、爪の先端にハーフチップを付けて長さを出した後、上からアクリルやジェルで覆って人工爪を作る技術です。
爪の長さ出しをチップで行うぶん施術時間が短くなるため、スピーディーにネイルを仕上げたい時に向いています。
また、自爪が極端に短くて、ネイルフォームの装着が難しい時にも最適な技術です。
施術方法は異なりますが、仕上がり自体はアクリルスカルプチュアやジェルスカルプチュアに似ています。
チップラップ
チップラップは、ハーフチップ・ラップ材・レジンorフィラーを使用して、折れた爪や亀裂が入った爪の修復・補強をする技術のことを言います。
スカルプチュアやチップオーバーレイは10本長さ出しをするケースが多いですが、チップラップは折れたり亀裂が入ったりした爪のみに施術することが多い技術です。
しかし、近年は亀裂の修復や1本のみの長さ出しも、スカルプチュアやチップオーバーレイで施術するネイルサロンが増えています。
そのため、現在はチップラップをメニューに取り入れていないネイルサロンも多くなりました。
イクステンションジェルとは
“イクステンションジェル”と聞くと、「通常のジェルと何が違うの?」と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。
ネイルサロンやセルフネイルで自爪にそのまま塗布しているジェルは、長さ出しを目的としていないソフトジェルを使用することがほとんどです。
ソフトジェルは柔軟性があり、軽い付け心地で自爪にそのまま塗布するのには向いていますが、強度がないため長さ出しには適していません。
一方、イクステンションジェルは、ソフトジェルとは異なり、長さ出しをするために使うジェルです。
ここでは、そんなイクステンションジェルについて詳しく解説します。
同じジェルスカルプチュアで使用することがある、ハードジェルやビルダージェルとの違いも説明しているので、今後の参考にしてくださいね。
長さ出しをするためのジェルのこと
イクステンションジェルとは、長さ出しをするジェルのことです。
イクステンションの種類で紹介したジェルスカルプチュアで使用するジェルということになります。
しかし、ジェルスカルプチュアではハードジェルやビルダージェルを使うこともあります。
次項ではこれらとの違いを解説します。
イクステンションジェルとハードジェルの違い
ハードジェルとの違いは「用途」です。
ハードジェルの用途は厚みを出すこと、強度を出すことです。
また、ハードジェルの特徴としてアセトンでオフができないというものがあります。
ハードジェルでジェルスカルプチュアを行うことは可能ですが、アセトンでオフができないため、全て削りによるオフになるという点がネックです。
イクステンションジェルとビルダージェルの違い
イクステンションジェルとビルダージェルの違いは、呼び方の違いであり、用途は同じです。
メーカーによって長さ出し用のジェルのことをイクステンションジェルと言っていたりビルダージェルと言っていたりします。
つまり、ジェルスカルプチュアをする時はイクステンションジェルを使用してもビルダージェルを使用してもOKです。
イクステンションジェル|長さ出しのやり方
セルフネイルで長さ出しをするなら、アクリルよりもジェルスカルプチュアがおすすめです。
ジェルスカルプチュアはライトに入れるまでは硬化しないため、初心者の方でもゆっくりと施術を行うことができますよ。
ここでは、イクステンションジェルを使用した長さ出しのやり方を解説するので、ぜひ参考にしてくださいね。
1. 爪の下準備(プレパレーション)をする
イクステンションの持ちを良くしたり、仕上がりを美しくしたりするためにも、爪の下準備(プレパレーション)を行うことが大切です。
下準備の手順は、通常のジェルネイルを施術する時とほとんど同じですが、イクステンションの場合は自爪を短くカットしておく必要があります。
その後は通常通り、甘皮処理をしていきましょう。
まずは40℃前後のお湯に指先を浸けて、甘皮を柔らかくしてから、キューティクルプッシャーでやさしく押し上げます。
甘皮が硬くてなかなかふやけない場合は、キューティクルリムーバーを使用すると良いでしょう。
甘皮を押し上げた後は、水で濡らしたガーゼを親指に巻きつけて、ルースキューティクルを除去してください。
ガーゼで取り除けなかったルースキューティクルは、専用のニッパーを使用して処理します。
ただし、ニッパーの扱いには多少のテクニックが必要なため、施術に慣れていない初心者の方は、省略しても問題ありません。
2. 爪表面のサンディングをする
甘皮処理ができたら、次はスポンジファイルを使って爪表面のサンディングを行いましょう。
サンディングによって爪の表面に凹凸ができると、ジェルネイルが密着しやすくなります。
ただし、やり過ぎると爪が薄くなってしまうので気をつけてくださいね。
サンディングができたら、ブラシなどでダストを払い、プレプライマーor消毒用エタノールで油分・水分の除去をします。
3. ベースジェルを塗布する
油分除去をした後はベースジェルを塗布し、ライトで硬化させましょう。
硬化時間はメーカーによって多少異なる場合がありますが、30秒前後であることが多いです。
4. ネイルフォームを装着する
ベースジェルが硬化したら、次は土台となるネイルフォームを装着していきます。
自爪とフォームのラインがぴったり合うことは稀なので、隙間ができた場合はカットして調整しましょう。
まずは、爪に装着することをイメージして、フォームに丸みを付けていきます。
その後、ストレスポイントやイエローラインの位置に合わせてフォームをカットしてください。
自爪とフォームの間に隙間がなくなり、ストレスポイントまでしっかりはまっていれば装着完了です。
5. イクステンションジェルでアプリケーションする
ネイルフォームが装着できたら、イクステンションジェルでアプリケーションをしていきましょう。
まずは、自爪とフォームの境目部分にイクステンションジェルを乗せます。
この時は、最も負荷がかかりやすいストレスポイントまで、しっかり覆うことが重要なポイントです。
次は希望の長さまでイクステンションジェルを伸ばし、形を整えたらライトで硬化します。
その後は、イクステンションジェルを爪の中心部分から先端にかけて塗布し、厚みを出しましょう。
爪に適度な厚みが出せたら、ライトで硬化してください。
6. 未硬化ジェルを拭き取る
イクステンションジェルの硬化が完了したら、ネイルフォームを外します。
ネイルフォームはストレスポイントの下側から爪先に向かって、丁寧に外すようにしてください。
その後は、ジェルクリーナーor消毒用エタノールを含ませたワイプで、未硬化ジェルを拭き取りましょう。
7. ファイリングで爪の形を整える
ネイルファイルを使用して、イクステンションの形を整えていきます。
表面に凹凸ができている場合は、滑らかになるようにファイリングしましょう。
全体の形や表面がきれいに整ったら、ブラシでダストを払います。
8. トップジェルで仕上げる
最後に仕上げのトップジェルを塗布し、ライトで硬化させます。
爪全体はもちろんですが、エッジ(爪の先端部分)にも忘れずに塗布するようにしてください。
なお、硬化時間は各メーカーが推奨する時間を守るようにしましょう。
硬化した後、未硬化ジェルを拭き取ったら完成です。
イクステンションには技術や知識が必要
ここまでの解説通り、イクステンションには、アクリル・ジェルスカルプチュアやチップオーバーレイなど、いくつかの種類があります。
前項でやり方を解説したイクステンションジェルは、その中でも比較的トライしやすい技術です。
とはいえ、通常のジェルネイルと比べると、イクステンションには技術や知識が求められます。
正しい知識や技術がない状態で、いきなりイクステンションに挑戦すると、すぐに折れてしまったり、自爪を傷めたりする可能性があるので注意が必要です。
セルフネイルでイクステンションをする場合は、事前にやり方や注意点をよく調べておきましょう。
イクステンションをマスターするならネイルスクールに行くのがおすすめ
難易度が高めのイクステンションをマスターしたい方には、やはりネイルスクールで正しい技術を学ぶことをおすすめします。
ネイルスクールではイクステンションの技術だけではなく、事前の下処理や基礎知識についても幅広く学べる点が魅力です。
また、独学でネイルを勉強していると多くの疑問点が出てきますが、ネイルスクールに通えば直接プロの講師に質問できるので効率も良いでしょう。
ネイルスクールの選び方は、それぞれの生活スタイルや予算、目的などによって大きく異なります。
プロのネイリストになりたい方や、ネイリスト検定の取得を目指している方には、JNA(日本ネイリスト協会)認定校がおすすめ。
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しかし、認定校以外でも少人数制でアットホームなスクールや、講師とマンツーマンで学べるスクールなど、その他の魅力やメリットがあるネイルスクールも多く存在しています。
そのため、まずは資料請求をしたり、説明会に参加したりして、自分に最も合ったネイルスクールを探すことが大切です。
まとめ
いかがでしたか?
今回はイクステンションの種類や使い方について詳しくお話しました。
ネイルには様々な技術がありますが、その中でもイクステンションは難易度が高めなので、テクニックを習得するまでに時間がかかるかもしれません。
慣れるまではフォームを正しく装着したり、理想通りの形を作ったりするのが難しいですが、回数をこなすことで必ずコツを掴むことができますよ。
イクステンションの技術を身につけるためには、コツコツと練習を積み重ねることが大切です。
また、記事内でもお話しているように、本格的にイクステンションを学びたい場合は、ネイルスクールできちんと講師に指導してもらうことをおすすめします。
イクステンションは、やり方を間違えると自爪を傷めたり、グリーンネイルなどのトラブルを招いたりする恐れがあるので注意が必要です。
独学が心配な方や、正しい技術を身につけたい方は、ネイルスクールでレッスンを受けることも視野に入れてみてくださいね。