季節の変わり目はすぐ風邪をひき、なかなか治らない。また手肌が乾燥しやすく、ささくれができやすく困っているという方も多いのではないでしょうか。ささくれがむけてしまうと痛いですよね。今回の記事では、ささくれのケアにネイルオイルやビタミンCがおすすめである理由などをご紹介していきます。キリン・トロピカーナの調査によると、風邪予防に良いと思う栄養成分の第1位は「ビタミンC」で、何と10人中7人がそう答えています。またビタミンCといえば、女性にとって美肌作りに欠かせないビタミンです。しかしビタミンCの実力は、それだけではありません。ビタミンCは、その多彩な働きと不足した時の弊害の大きさにより、今最も幅広く研究されています。そこで後半は老化との関係を中心に、ビタミンCの真の実力を詳しくご紹介したいと思います。また、ビタミンCの効率的な摂り方もお伝えしていきます。
ささくれのケアにネイルオイルの保湿がおすすめ
ささくれは乾燥によって皮膚がむけてしまったり、爪が小さく割れてしまったりすることでできやすくなります。そのため、保湿をしっかりと行うことでささくれができることを対策できます。手を洗った後、お風呂の後、就寝前など1日に5回程度ネイルオイルをつけることを意識するとしっかりと保湿されます。また、食器洗いやお風呂掃除で使う洗剤は手の油分を奪うので、ゴム手袋をして行うのがおすすめです。
ハーブ系の香りでリフレッシュにもおすすめのネイルオイルです。植物性の保湿成分がサッと馴染んでしっかりと保湿されます。スポイトタイプなので衛生的です。
5本パックで友達とシェアしたり、自宅用と職場用などで使い分けたりすることができます。ネイルオイルはつける頻度が大事なので様々な場所に置いておくことで付けやすい環境に整えておくのも大切です。
ビタミンCの働き
日本人が最もよく食べる果物は、柑橘類だそうです。冬の定番ミカンは、風邪対策に恰好のビタミンC補給になっているわけです。では、ビタミンCにはどんな働きがあり、なぜ風邪予防に良いのでしょうか。
●抗酸化作用
ビタミンCの効果としてまず挙げられるのが、抗酸化作用で老化を防いでくれることです。私たちは呼吸で酸素を取り入れ、酸素を使って生命活動のためのエネルギーを作っていますが、その際に必ず生じるのが活性酸素。またストレスや喫煙によっても、活性酸素は大量に発生します。活性酸素は細胞を作るたんぱく質やDNAを酸化し、老化を促進する大きな要因です。ビタミンCは、優れた抗酸化力で発生した活性酸素を素早く還元し、無毒化して老化を抑制します。水溶性のビタミンCは、短時間で血液に入って体中に行き渡り、速効で抗酸化力を発揮できるのです。ビタミンC不足で老化が早まることは、マウスを使った研究でも報告されています。実験によると、ビタミンCを与えなかったマウスは、若くして難聴や白内障といった老化現象や糖尿病を発症し、通常のマウスと比べて平均寿命が4分の1に短縮したそうです。
●メラニン色素の抑制
ビタミンCには、二つの美白作用があります。一つはメラノサイトに働きかけ、メラニン色素の生成を抑制すること。もう一つは、上記の抗酸化作用により、酸化によって黒くなったメラニン色素を還元して薄くすることです。ビタミンCはシミ予防にも、できたシミにも効果を発揮する、優れた美白成分なのです。
●コラーゲン合成の促進
ビタミンCはコラーゲンの合成を促進してくれます。コラーゲンの特徴は、コラーゲン線維が3本集まった螺旋構造になっていることで、この螺旋構造を形成するには、ビタミンCが不可欠なのです。重要なのは、ビタミンC不足は肌のたるみやシワの原因になるばかりでなく、全身に影響が及ぶこと。なぜなら、コラーゲンは体内のたんぱく質の30%以上を占め、肌だけでなく骨や軟骨、血管など、全身を構成する重要な成分だからです。
●免疫力を強化
ビタミンCが風邪を予防するのは、次のダブルの働きによって免疫力を高めるからです。
・白血球を活性酸素から守る
私たちの体は、白血球などの免疫細胞の働きによって、病原菌から守られています。しかし白血球は、細菌やウィルスを取り込んで殺菌する際に活性酸素を発生し、それによって自身もダメージを受け、徐々に活性が低下。ビタミンCは、高い抗酸化力で白血球を活性酸素から守り、その働きをサポートしてくれるのです。
・病原菌を排除する
さらにビタミンCは、白血球と同様、自身も細菌やウィルスを直接攻撃する働きを持っています。風邪をひきやすい人や感染症に罹っている人は、ビタミンCの血中濃度が低下していることが分かっています。日頃からビタミンCを十分摂って、免疫力を強化することが大切です。
●アドレナリンの分泌
私たちの体は、ストレスを感じるとアドレナリンというホルモンが分泌され、ストレスに対応できるようになっています。ビタミンCはアドレナリンの合成の際にも不可欠であり、不足するとストレスに弱くなり、様々な不調に繋がることに。またストレスは活性酸素を発生させるため、さらにビタミンCを消費します。ストレスは、ビタミンCを不足させる大きな要因なのです。
●脂肪燃焼作用
有名なダイエット成分に、脂肪の燃焼を促進する「カルニチン」というアミノ酸があります。このカルニチンが体内で作られる際にも、ビタミンCが必要です。ビタミンC不足は脂肪の燃焼を妨げ、肥満や動脈硬化に繋がる可能性もあるのです。
●ビタミンCのその他の働き
ビタミンCは他にも、次のように実に多様な働きがあります。
・鉄やカルシウムなどのミネラルの吸収を促進
・たんぱく質、糖の代謝に関与
・アレルギー反応で放出されるヒスタミンを抑制
・アルコールの分解を促進
・コレステロールから胆汁酸を作る、etc.
ビタミンCは、全身あらゆる所で生命維持のために働いている、スーパービタミンなのです。
ささくれにはビタミンCを!
上記のように、ビタミンCは美肌を保つために必要な栄養素です。不足してしまうと肌荒れを修復する力が足りなくなってしまいます。ささくれはキズなど外的要因によってできることがありますが、乾燥が原因で肌がめくれ上がるという、肌荒れにも近い状態が原因でできることもあるのです。ささくれが頻繁にできる人は、栄養不足による肌荒れが原因かもしれません。ネイルオイルやハンドクリームでしっかり保湿しても、栄養不足を解消しなければ根本解決にはならないので、ビタミンCを始め、お肌に良いビタミンB郡やビタミンA、ビタミンEをしっかり摂りましょう。
ビタミンCの効果的な摂り方
ビタミンCは、たんぱく質を始めとする、多くの栄養素の吸収や代謝に関わっています。ですから、きちんと栄養を摂っていても、ビタミンCが不足するだけで全体的な栄養不足となり、様々な体調不良を招きかねないのです。
・疲労倦怠感
・歯茎の腫れ、出血
・紫斑ができやすい
・皮膚の角質肥厚
・筋肉痛
・関節痛
・骨折しやすい
身近なところでも、上記のような症状が気になり出したら、歳のせいと片付けず、ビタミンC不足も疑ってみる必要がありそうです。
●不足しがちなビタミンC
このように、生きていくために必要不可欠な成分でありながら、人間は体内でビタミンCを作ることができません。加えて各組織に貯蔵されたビタミンCも、そのままだと4週間ほどでほぼ体内からなくなってしまいます。つまり人間は、常にビタミンCを摂り続ける必要があるのです。しかし現代は、下記のようにビタミンC不足になる要因が溢れています。
・野菜不足の食生活
・紫外線
・大気汚染
・食品添加物
・ストレス
・喫煙
・飲酒
摂る量が少ない上に、消費される量が多いため、摂っているつもりが全然足りていないのがビタミンCなのです。
●ビタミンCを賢く摂るには
ビタミンC不足にならないためには、まずはストレスや紫外線対策、生活習慣に気をつけて、できるだけ「ビタミンCの浪費を減らす」ことが大切です。その上で、次のように、できるだけ効率的にビタミンCを摂るようにしましょう。
・ビタミンCの必要量
厚労省が定めたビタミンCの1日の必要摂取量は、成人男女とも100mgで、レモン1個で摂れる量です。しかしこれは、壊血病にならないための最低限の必要量であり、健康維持のためには800mg以上、美容のためには1000mg以上が必要だといわれています。
・こまめに摂る
ビタミンCの血中濃度は摂取して2時間後がピークで、その後徐々に減少してしまいます。しかし、ビタミンCは一度にたくさん摂っても、吸収率は摂る量が多いほど低下するため、少量ずつ、1日数回に分けて摂るのが効率的です。因みに、ビタミンCは水溶性なので、摂ってもすぐ排出されると思われがちですが、実は一定量は体内に貯えられています。摂取したビタミンCは血液を介して体の各組織に運ばれ、必要量が貯蔵され、そのあとの余剰分が尿と共に排出されているのです。特にビタミンC濃度が高い(貯蔵量が多い)のは、脳下垂体、副腎、水晶体です。最も酸素消費量が多い「脳」、アドレナリンを分泌する「副腎」、紫外線に晒される「水晶体」…、つまりこれらの組織は、ビタミンCを最も必要とする組織なのです。
・理想は天然ビタミンC
ビタミンCは、化学的には「L-アスコルビン酸」といいます。サプリメントのビタミンCは多くが合成アスコルビン酸で、天然ビタミンCに比べると吸収率は半減します。ですから、ビタミンCは野菜果物から摂るのが理想的ではありますが、サプリメントで摂るなら、天然型ビタミンCと明記してあるものがおすすめ。また果物や野菜からは、ビタミンC以外にもその他のビタミンやミネラル、ポリフェノールなど、様々な栄養素が摂れるメリットがあります。
・サプリメントは食後に
ビタミンCの吸収率は、空腹時は20~50%ですが、食後は45~60%に上がります。サプリメントの場合は、食後に摂った方が効率的なのです。
・食材は生で
水溶性で熱に弱いビタミンCは、調理で失われやすい栄養素。生で食べられる果物や野菜サラダ、熱に強いビタミンCを含むサツマイモやジャガイモは、ビタミンCを壊さず摂ることができます。ただし近年の野菜果物は、農薬や人工的な栽培法のせいでビタミンCの含有量が低下しており、美容やアンチエイジングのためには、サプリメントの併用がおすすめです。
まとめ
ビタミンCはあまりに身近すぎるせいか、美肌効果以外は、その重要性に気づいていない人も多いようです。しかし、ビタミンCの多様な働きは、一つひとつが生命の維持に不可欠なものばかり。ですからビタミンCをしっかり摂ることは、全身の機能を高め、結果的に老化のスピードを遅らせ、若さの維持に繋がるのです。私たちは、現代に生きている限り、常にビタミンC不足の危険に晒されていると言えます。若さと活力に溢れた生活を維持するなら、サプリメントも含め、ビタミンCを意識的に摂ることが大切なのです。