ジェルネイルをつける時に、ネイリストでもセルフネイラーでも重宝するのが「ノンサンディングジェル」です。これまでのベースジェルは、爪への定着を良くするためにサンディングという爪表面を軽くやすって細かい傷をつける作業が必要でした。自爪の健康が重視されるようになった現在では、この爪をやするという作業が自爪を薄くしているのではないかと言われ、サンディングがいらないベースジェルが開発されるようになったのです。ですが、ノンサンディングジェルの成分には注意が必要と言われているようです。何故なら、酸が爪を溶かしてジェルを定着させているという噂があるのです。今回は、ノンサンディングジェルは酸で爪を溶かしているのか、ジェルと酸の関係性や、弱酸性のベースジェルについて解説します。そして、調味料であるお酢は、普段はどの家庭でも使用頻度が低いそうですが、夏場は消費のピークを迎えます。中でも、注目度が高いお酢が「黒酢」です。それは黒酢が単に食欲増進、疲労回復によいお酢ではなく、若見えや美肌を目指せる食品だからです。黒酢はなぜ、他のお酢にはない効果を発揮できるのでしょうか。その謎を解く鍵は、黒酢の独特の製造法と、そこから生まれる豊富な栄養素にありました。今回は、黒酢の万能ともいえる美容・健康効果を徹底解明し、さらにおすすめの黒酢の飲み方もご紹介していきます。
ノンサンディングジェルは酸が入っていて爪に悪いのは本当?嘘?
ジェルネイルをつける時は、爪に密着させ、持ちをよくするために、爪表面を軽くやすることがあります。この爪表面をやするという行為が省けたら、ネイリストにとっては時短に繋がり、お客さんにとっては自爪を傷つける心配がなくなります。そうして近年開発されたのがノンサンディングジェルであり、その名の通りサンディング(爪をやすること)をせずとも使える便利なジェルなのです。しかしこのノンサンディングジェルは「酸が入っていて、爪表面を溶かすので爪によくない」と言われているようです。
では本当のところはどうかと言うと、どのジェルにも酸は多かれ少なかれ入っており、むしろ酸が入っていないと爪に密着しません。つけたジェルを長持ちさせるためにも、酸は必要な成分なのです。また、プロのネイリストも愛用している有名なジェルメーカーや、化粧品として販売されているジェルなら、爪を傷めたり、危険なほど酸性度が高いものはないのが現状です。むしろジェルの酸よりも、販売サイトや容器に成分について書かれていない安価なジェルや、化粧品ではなく雑貨として販売しているジェルの方が危険性は高いと言えます。ジェルネイルをするなら、どんな成分が入っているのかわかるジェルを使ったり、オフで削りすぎない、無理やり剥がさない、自爪を丁寧に扱うといったことを気にする方が、爪に優しく、ジェルも長く楽しめますよ。
弱酸性のノンサンディングジェルがいいって本当?
正常な肌は弱酸性と言われていることから、爪に塗るジェルネイルも弱酸性の方が良いのでは?と考える方も多いようです。これについて簡単に解説すると、「弱酸性も安心な要素の1つだけど、酸性やアルカリ性が強すぎなければ、弱酸性でなくても害はないと考えられる」です。
爪は皮膚の仲間なので、肌と同じくタンパク質がメインの成分となっています。肌はある程度の酸性には強く、アルカリ性には弱いので、弱酸性のジェルを使うことは爪に対して強い刺激を与えにくいと考えられるのです。その結果、ジェルネイルは自爪を弱くする、自爪を傷めるといった心配をせずにつけられるという観点から、弱酸性のノンサンディングジェルが人気を集めているのです。
確かに、上記の通りならジェルネイルで爪が弱くなる不安は解消されそうですね。しかしジェルネイルには、持ちを良くしたり、ツヤや厚みがしっかり出るように様々な成分が含まれています。弱酸性であっても、化粧品登録されていても、なんらかの成分が原因で爪に合わなかったり、アレルギー症状が出る可能性も否定できないのです。自分の爪に合うジェルかどうかは、実際に爪に塗ってみないとわかりません。爪に優しいと謳われているジェルを使ったのに、自分だけは爪の状態が悪い・・・となるケースもあります。弱酸性のジェルは良い要素の1つですが、それだけで安心するのではなく、使い方に気をつけたり、実際に自分の爪に塗って、合うかどうかを確かめてくださいね。
弱酸性のノンサンディングジェルは、通販サイトでも購入できます。弱酸性でもサンディングが必要なジェルもあるので、使い方をしっかり確認してくださいね。
ネイリストのおすすめポイント:弱酸性のノンサンディングジェルを一躍有名にしたのが、シャイニージェルという国産メーカーです。セルフネイラーはもちろん、プロのネイリストもサロンで使っている事が多いので、一度セルフで使ってみたり、サロンでつけ心地を確認するのもおすすめです。
ネイリストのおすすめポイント:Aoyiroというメーカーの「プロップ ノンサンディング アシット(弱酸性) ベースジェル」は、爪への密着性と弱酸性にこだわった100パーセント国産のジェルネイルです。ジェルの剥がれやすさが気になる、粘度がちょうどいいベースジェルをお探しの方にぴったり。
ネイリストのおすすめポイント:こちらの弱酸性のジェルネイルは、塗る前にサンディングが必要なタイプです。ですが軽いサンディングでOKなので、爪へのダメージはそこまで気にならないのではないでしょうか。軽さが特徴的なテクスチャ―でハケ付きのボトルなので、セルフネイル初心者の方にも向いています。
黒酢と米酢の違い
お酢は、味噌や醤油と同じく発酵食品の一つです。ではお酢はどのようにして造られるのか、代表的な米酢を例にご紹介します。
●米酢の製造法
米酢は「精米」を原料に、次の「3つの工程」を経て造られます。
1. 酒精発酵(酒造り)
金属製のタンクの中に、蒸した米と水と麹菌を加えてデンプンを糖化し、さらに酵母菌を加えてアルコール発酵させます。お酢はまず酒造りから始まるのです。
2. 酢酸発酵(酢造り)
できたお酒を濾過し酢酸菌を加えると、アルコール成分が酢酸に変化してお酢ができます。
3. 熟成
できたばかりのお酢は酸味やニオイが強いため、1~2ヶ月ほど熟成して味を整えます。4ヶ月ほどかけて以上の工程を終了すると、最後に濾過・殺菌を経て瓶詰めし、米酢の完成です。
●黒酢の製造法
一方の黒酢は、精米ではなく「玄米」や「大麦」を原料とし、造り方も米酢とは違った伝統的な製造法を用います。それは陶器製の大きな壷に、原料の玄米と水と麹菌を仕込み、あとは屋外の自然環境のもとで、じっくり1~3年かけて発酵・熟成させるというもの。この間に外から加えられるのは、発酵状態を見ながら行う撹拌作業のみです。壷の内側に存在する発酵微生物の力で、米酢の3工程を全て壷の中で一度に行えるのが、伝統的黒酢の特長なのです。
●米酢と黒酢の違い
このように長期熟成させてできた黒酢には、次のような米酢との違いが生まれます。
1. 豊富な栄養
黒酢が米酢と大きく違うのは、何といってもその栄養価の高さです。黒酢には、アミノ酸やクエン酸、ミネラル、ビタミンなどが豊富に含まれており、特にアミノ酸は100ml当りに600mgと、米酢の6倍の含有量です。黒酢が米酢と比べて格段に栄養豊富なのは、原料(玄米)と、発酵熟成期間の長さに理由があります。玄米の胚芽部分や糠には、たんぱく質やビタミン、ミネラルがたっぷり含まれ、このたんぱく質が、長期間の熟成によって多くのアミノ酸や有機酸に変化するのです。
2. 色と風味
米酢が薄く黄色味を帯びているのに対し、黒酢はツヤのある濃い琥珀色、または黒褐色をしています。また香りも、黒酢は米酢のようなつんとくるニオイもなく、味もまろやかです。黒酢が黒褐色なのは、長い熟成期間の間に、玄米のアミノ酸と糖がメイラード反応を起こし、メラノイジンという褐色色素ができるから。黒酢の香りや味がまろやかなのも、メイラード反応が作る香り成分の働きによるものなのです。
黒酢の効能
黒酢の多様な効果の主役は、何といっても豊富なアミノ酸、そしてクエン酸です。
●アミノ酸の働き
黒酢は、体を作る20種類のアミノ酸のうち17種類のアミノ酸を含有しています。必須アミノ酸も8種を含む、優秀なアミノ酸食品です。アミノ酸は、体を作る最も主要な栄養素であるだけでなく、次のような多くの働きがあります。
1. 血液サラサラ効果
アミノ酸のリジン、メチオニン、ロイシンには、コレステロールや中性脂肪の蓄積を防ぐ働きがあり、血液をサラサラにします。さらにアミノ酸は赤血球を柔軟にするため、末端の毛細血管の血流が促進され、冷え性対策も期待できます。
2. 筋力をつける
黒酢は、筋肉の主成分となるBCAA(バリン、ロイシン、イソロイシン)も豊富です。黒酢はまさに、筋力が低下気になる方におすすめな食品です。
3. 美肌を作る
アミノ酸には、保湿、ハリ、美白と3拍子揃った美肌効果があります。
・保湿
肌の潤いを保つ天然保湿因子(NMF)は、アミノ酸が主要成分です。黒酢は内側からアミノ酸を補給し、肌の潤いを保ちます。
・ハリ
プロリン、アラニン、グリシンというアミノ酸はコラーゲンを構成し、シワたるみの防止が期待できます。
・美白
アミノ酸の血行促進作用は、肌の新陳代謝を促進し、メラニンの沈着を防ぎます。
4. ダイエット効果
アルギニン、リジン、アラニン、プロリンといったアミノ酸は、脂肪分解酵素リパーゼの材料となり、脂肪燃焼を促進します。さらにアミノ酸は筋力をつけ、血行を促進するので、基礎代謝が高まって痩せやすい体に導いてくれます。
●クエン酸の働き
お酢というと、誰もが知っているのが、疲労回復とダイエット効果です。お酢の主成分クエン酸によって、体がエネルギーを作るサイクルが活発に循環するようになるからです。またクエン酸は血液サラサラ効果にも優れ、血流を良くするので、さらにエネルギーが効率よく消費されるようになります。黒酢は特に豊富なアミノ酸がクエン酸と相乗効果を発揮し、疲労回復やダイエットがさらに効率的になるのです。
●D-アミノ酸の働き
近年注目されている栄養成分に、「D-アミノ酸」があります。アミノ酸にはD-アミノ酸とL-アミノ酸の2種類があり、これまで、生物の体にあるのはL-アミノ酸のみだと考えられていました。しかし近年の研究により、D-アミノ酸の存在が確認され、微量でも次のような重要な働きをしていることが分かったのです。
•肌のバリア機能を高め、潤いを保つ
特にD-アミノ酸の一つ「D-アスパラギン酸」は、線維芽細胞を活性化してコラーゲン生成を促進する働きや、抗酸化作用があることが確認されています。資生堂が行った実験でも、D-アミノ酸の摂取による、肌のツヤや目の周囲のシワ改善効果が報告されています。D-アミノ酸が含まれるのは、チーズやお酢などの発酵食品です。なかでもダントツに多いのが、伝統的製法で造られた黒酢なのです。黒酢の美肌効果にも、D-アミノ酸の働きが大きく関わっているというわけです。
黒酢で美肌に導く飲み方
これだけの美容健康効果のある黒酢、摂らないのはもったいないというものです。お酢が苦手という方も、酸っぱいものが欲しくなる夏は、黒酢を始める絶好のタイミング。食べ物なら寿司飯や酢の物、ピクルスはもちろん、酢豚、餃子や揚げ物のつけダレ、冷やし中華やソーメンのつゆ、ドレッシング…etc.肉や魚を柔らかくする作用があるので、豚の角煮や鶏肉の照り焼き、魚の煮付けに加えると、とろける食感とコクが味わえます。そしておすすめなのが、黒酢のサワードリンク。甘いジュースや炭酸飲料代わりに、素晴らしい美容ドリンクになります。黒酢1に対し水10の割合で薄め、1日15~30ccを目安に、色々アレンジを楽しみましょう。
・水割り
黒酢 大さじ1
水 150cc
・ハニードリンク
黒酢 大さじ1
ハチミツ 大さじ1
水 150cc
水を牛乳にすると、ヨーグルトのような味を楽しめます。ショウガのすりおろしを入れると、冷房冷えの予防効果が高まります。
・サワージュース
黒酢 大さじ1
果物やトマトジュース 150cc
レモンの絞り汁 少々
・サワーワイン
黒酢 大さじ1
赤ワイン 60cc
ワインのポリフェノールで、美容効果がさらにアップします。
まとめ
疲労回復から生活習慣病予防、ダイエット、美肌作り。あらためて黒酢のアミノ酸&クエン酸パワーを知ってみると、根強い支持を得ているのも納得です。お酢だからと敬遠していた方も、まろやかな風味の黒酢は、食事や飲み物にも取り入れやすいはず。ぜひ毎日に黒酢を摂って、若々しい日々を目指しましょう。