近年の美容成分の研究開発には目覚しいものがあります。中でも今、多くの化粧品メーカーの熱い視線を集めている成分が、「オキシトシン」です。オキシトシンは、最新科学の分野で研究が急ピッチで進み、セロトニンと並んで近年よく知られるようになったホルモンです。愛情や思いやり、感動などにより分泌されることから、「愛情ホルモン」「幸せホルモン」「信頼ホルモン」「癒しホルモン」など、様々な呼び方をされています。そんなオキシトシンがこの数年盛んに研究されるようになったのは、オキシトシンが美容や若返りに深く関わっていることが分かってきたからです。今回は話題の美容ホルモン、オキシトシンに迫り、美肌効果を中心に、オキシトシンの多様な美容健康効果をご紹介したいと思います。さらに、誰でも簡単にできるオキシトシンの効果的な増やし方も、詳しくお伝えします。
また、手には癒しの効果があるといわれています。お腹が痛い時は、手をお腹に当てたり、何処かに足をぶつければ、そこを手で摩ったりしますよね。このような行動は、無意識であることがほとんどです。昔から怪我や病気などを「手当てする」といいますが、この言葉は「手を当てる」という動作からきているといわれています。昔の人は、患部に手を当てることで、何かしらの癒し効果が得られることを知っていたのです。また美容の面でも手の癒し効果は大きいです。例えばエステは、最新のマシーンを使った施術とオールハンドの施術では、マシーンの方が美容効果は高いかもしれません。しかし満足感は、圧倒的にオールハンドの方が得られると感じる人が多いのです。なぜ手で肌や身体に触れると、癒され満たされた気分になるのでしょうか。今回は、そんな手の癒し効果についてご紹介します。また、様々な要因が重なり合い引き起こる敏感肌ですが、その原因の1つとして挙げられるのが、「ストレス」です。現代人の私たちにとって切っても切り離せないストレスは、敏感肌の症状を悪化させる厄介な存在です。今回は、美容の大敵であるストレスの仕組みや、肌に与える影響などについても一緒にご紹介します。
そして最後に手元を美しく、若々しく演出するくすみネイルカラーも合わせてご紹介します!
そもそもストレスってなんだろう?
ストレスとは、仕事や学校、恋愛、家族などの人間関係のトラブルによる精神的な刺激や、気温変化や騒音などの物理的な刺激により、心や身体に現われる「ゆがみ」のような状態の事をいいます。私たちの心と身体は、この「ゆがみ」を無意識に元に戻そうとして、様々な反応(症状)を示します。ストレスの症状としては、イライラ・不安・無気力などの精神的症状や、過食・拒食・過度な飲酒など、行動面での症状、そして肌荒れ・偏頭痛・ほてりなどの身体的症状の3つに分けられます。
敏感肌の症状を悪化させるストレス
肌は、数あるストレスの症状の中でも特に影響が出やすいところだと言われています。ヒトは強いストレスを受けると、ホルモンバランスや自律神経が乱れ、代謝機能・免疫機能が著しく低下してしまいます。その結果、外的刺激から肌を保護するバリア機能も低下しますうウイルスやアレルゲンが肌内に侵入し、敏感肌を引き起こしたり、敏感肌の症状が悪化したりします。また、肌のバリア機能が低下してしまうことで、肌の水分保持力も弱ってしまい、慢性的な乾燥状態を招きます。肌が乾燥すると、敏感肌の深刻化はもちろんのこと、シワやたるみといった肌老化を早める原因にもなるので注意が必要です。
簡単チェックであなたのストレス度を診断
人はストレスを抱えていても、なかなか自分では気づきにくいものです。以下の質問に、「はい」or「いいえ」で答えて、自分のストレス状況を把握してみましょう。
1.最近寝不足である、なかなか寝付けない
2.日々の生活が楽しくない
3.イライラしたり、不安になったりする
4.食事を抜くことがある
5.十分な休息を取っていない
6.毎日朝起きるのがつらい
7.運動不足
8.よく肩がこる
9.残業や休日出勤など仕事が多忙
10.休日は家でゴロゴロ過ごす
11.外食が多い
12.タバコを吸っている
13.今の自分の体重を知らない
14.ほぼ毎日飲酒をする
15.趣味がない
「はい」の数が多ければ多いほどストレスが溜まっています。特に「はい」が半分以上当てはまる方は要注意です!自分の趣味に没頭したり、十分な睡眠をとったりことでストレスは軽減されます。また、特別なことをしなくても、友人や家族と楽しい時間を過ごす、ゆっくりとぬるめのお風呂に浸かるなど、日常生活の中で自分が最もリラックスできる時間を見つけ出すことが、心と身体、肌の健康への第一歩に繋がります。美肌を取り戻すため、意識してストレスを減らす努力をしてみましょう!
美肌を作るオキシトシン
オキシトシンは、出産や子育てに深い関わりを持つホルモンとして古くから知られており、母親と子供の感情的な絆を形成する「母性のホルモン」といわれています。赤ちゃんにお乳をあげる時のお母さんには、大量のオキシトシンが分泌され、子供に対する深い愛情が生まれます。子供と母親だけでなく、体温を感じるものと触れ合うこと、つまり握手や抱擁、マッサージといったスキンシップによって、オキシトシンは分泌されるのです。また「肌(体)の触れ合い」だけでなく、親切にしたりされたりという「心の触れ合い」でも、オキシトシンはたくさん分泌されます。つまりオキシトシンは、他者との温かい繋がり(愛)を感じ、幸せな気分になった時に分泌される「愛情ホルモン」というわけです。
オキシトシンの多様な効果
人を幸せな気持ちにするオキシトシンは、心や体に様々な影響を与えます。
・ストレスの緩和
・不安、恐怖心の軽減
・社交性、好奇心の向上(人と関わりたくなる)
・学習能力、記憶力の向上
・免疫力アップ
さらに医療の観点からは、次の効果も注目されています。
・痛みの緩和
・傷の治癒が早くなる
・筋肉の緊張が減る
・心拍数、血圧が低下する
・胃腸の働きが活発になる
・認知症の症状の軽減
・自閉症の症状の軽減
このようにオキシトシンの効果は実に多岐にわたりますが、さらに嬉しいことに美肌効果もあるというのです。
●オキシトシンが肌質を向上させる
花王は、「こころで感じるスキンケア研究」として、次の研究知見を発表しています。行われた実験は、対象の女性グループにハンドプレスを行うスキンケアをしてもらい、体内のオキシトシン量の変化を調べるというもの。まず顔を両手で包み込んでハンドプレスを30秒間行い、次に手を離して30秒間待つ、この動作を5回繰り返したところ、唾液中のオキシトシン量の増加が確認されました。そしてオキシトシン量が多いと、肌のキメの整い感やつや、なめらかさが向上することが分かったのです。では、オキシトシンはどういう仕組みで肌質を改善してくれるのでしょうか。
●肌の幹細胞を活性化
オキシトシンの美肌効果は肌の再生力を高めることにあります。脳から分泌されるオキシトシンは、血液に乗って肌まで到達し、表皮と真皮でIGF-1(インスリン様成長因子)を分泌させます。IGF-1には細胞のもとになる幹細胞を活性化する働きがあり、そのため肌の生まれ変わりが活発になるのです。幹細胞の活力が低下すると、肌は衰え始めます。オキシトシンを増やすことで、元気を取り戻すことができるのです。
●オキシトシンは肌でも作られている?
資生堂リサーチセンターが行った肌の解析では、特殊な顕微鏡によって意外なものが確認されています。肌の表皮部分にオキシトシンがたくさん存在していることが分かったのです。このオキシトシンは脳から分泌されたものではなく、皮膚細胞自身が作り出したものではないかと考えられています。つまり肌に触れて生まれるオキシトシンは、脳だけでなく皮膚においてもたくさん分泌され、直接美肌効果を高めているといえるのです。
●オキシトシンの更なる美容健康効果
オキシトシンの効果にはさらに嬉しいものがあります。オキシトシンは血液に乗って体中を巡り、各組織の幹細胞を活性化するため、「骨粗しょう症の予防・改善」や「若々しい筋肉の維持」にも役立ちます。また、オキシトシンには迷走神経を活性化して食欲を抑える作用があることも分かっており、「ダイエットや肥満治療」への効果が期待されているのです。特にダイエット効果では、肥満マウスを使った興味深い実験報告があります。実験は、オキシトシンを投与したグループと、投与しないグループに分け、10日間にわたって行われました。その結果オキシトシンを投与したマウスはわずか2日で体重が大きく減少し、その後も体重を維持したのに対し、投与なしのグループでは体重に変化はなかったそうです。ダイエットで大切なのは、体重を落とすだけでなく、適正体重が維持できること。この点で、オキシトシンには理想的なダイエットが期待できるのです。
オキシトシンを増やすには
オキシトシンは、一部では自閉症や知的障害の治療に注射や点鼻剤として使われており、良好な結果が報告されています。その一方、オキシトシンの美肌・若返り効果については、科学的に解明されてはいるものの、残念ながら実用化はまだまだ研究段階です。しかしオキシトシンは脳から分泌されるホルモンなので、外から補充しなくても、何歳になっても自分で増やすことができるのが強みです。では、どうすればオキシトシンをたくさん分泌させることができるのでしょうか。
●マッサージ
オキシトシンを増やす最も効果的な方法は、好感や信頼感を持っている人とのボディタッチやマッサージです。スウェーデンでは、「オキシトシンタッチ」という背中を撫でるマッサージ法が開発され、慢性的な痛みの治療に活用されています。確かに背中を撫でられると、気持ちが落ち着いて気分が良くなるものですが、特にオキシトシンタッチは、オキシトシンの分泌量が格段にアップするそうです。やり方は、まず相手の背中に両方の手のひらをぴったりつけます。そして背中の中心から外側に広げながら、円を描くように優しく撫でていきます。時間は10分ほどでいいのですが、ポイントは手のひらを密着させること、力を入れないこと、リラックスして行うこと、そして撫でるスピードです。オキシトシンの分泌が最も高まるのは、秒速1~10cmのゆっくりしたスピードでタッチされた時。このスピードが、脳への刺激の伝わりを最も強くするのだそうです。実践する時は、間をとって秒速5cmを目安にするといいでしょう。では、ゆっくりしたスピードがなぜ脳をよく刺激するのかというと、その理由は「C触覚繊維」と呼ばれる神経にあります。C触覚繊維は皮膚の表面近くにあり、触覚の刺激を脳に伝える仕事をしていますが、その活動はゆっくりした触感の時に活発になるからです。オキシトシンタッチの嬉しいところは、マッサージされた人はもちろんですが、むしろマッサージした人の方がオキシトシンの増加量が大きいこと。相手を思いやりながら触れることで、自身もオキシトシンの分泌が促進されるのです。オキシトシンタッチは日本でも介護の現場で活用され、良い結果を得ているそうです。パートナーやご家族と、オキシトシンタッチを毎日の習慣にしてみてはいかがでしょうか。
手の癒し効果と手を使ったセルフマッサージのポイント
人の手に癒しの効果があるといわれているのは何故でしょうか?その理由の1つとして、脳から分泌される「オキシトシン」と呼ばれる分質が関係していると考えられています。オキシトシンは、自分で自分の肌に触れたり、親しい人とのスキンシップによって増えたりすることがわかっています。オキシトシンが増えることで、ストレスの緩和、精神的な安らぎ、人との信頼関係の構築など、社会生活においても重要な効果を発揮します。
以下で、オキシトシンの分泌を促し、癒しの効果を高めるために、意識した方がいいセルフマッサージのポイントをご紹介します。
・深呼吸をしながらマッサージする
ゆっくりと深呼吸することで副交感神経が優位になり、リラックスできます。リラックスした状態で皮膚に触れることで、オキシトシンの分泌が活発になります。逆に、緊張した状態やイライラした状態では、マッサージをしてもオキシトシンによる癒しの効果はあまり期待できません。
・触れている部分に集中する
何かをしながらの「ながらマッサージ」ではなく、自分の手が触れたところに意識を集中させ、皮膚の感覚を感じ取りましょう。意識的に触感を感じることで、オキシトシンの分泌を促すことができます。
・オイルやクリームを使って滑りを良くする
皮膚への強い刺激は覚醒効果があり、シャキッとしたい時には効果的です。しかし、癒しの効果を得るには、ゆっくりと優しいタッチで皮膚に触れる必要があります。そのため、オイルやクリームを使って、肌の滑りを良くし、心地良くマッサージしていきましょう。
●心が満たされることをする
オキシトシンは一人でも増やすことができます。
・感動できる映画や小説、音楽で、思い切り自分の感情を出す
・人に親切にする、感謝の気持ちを持つ
・犬や猫など動物や、大自然と触れ合う
・大好物を食べる
つまり心が満たされ、心地よくなることをすれば、オキシトシンはどんどん分泌されるのです。
●好きな香りを嗅ぐ
良い香りや好きな香りは脳を心地よくし、オキシトシンの分泌を高めます。メナード化粧品は、特にローズ、オレンジフラワー、バイオレットなどの天然精油の香りに、オキシトシン分泌を増やす働きがあることを発見しました。実験では、血液中のオキシトシン濃度が香りを嗅いだ後で1.8倍にアップするという結果が出ています。メナードからは、これらの香りを配合したオーデパルファムが出ており、香りの品格の高さとリラックス効果が好評だそうです。
くすみネイルカラーで、いつものネイルも生き生きとした美しさに
ネイルパーツやアートがたくさんついたギラギラのネイルデザインや、鮮やかなレッドやブルーの派手なネイルは、かわいいけれど、ちょっと今の気分に合わない・・・。そう感じた結果、いつもの肌馴染みの良いピンクやベージュ、またはダークなブラウンやブラックのネイルにしたという経験はありませんか?おしゃれのためにネイルをするのは、基本的に嬉しい気持ちになるものですが、色選びがマンネリ化してしまうとなんだかテンションが上がらなくなってしまいます。そしてマンネリ化した上でナチュラルすぎるピンクやベージュ、ダークなブラウンやブラックのネイルカラーにするのは、ネイルやおしゃれへのモチベーションが少しずつ減ってしまうかもしれません。派手すぎず、おしゃれなネイルでテンションを上げたい!そんなときにおすすめなのがくすみネイルカラーです。近年くすみカラーは安定の人気を誇っており、様々なメーカーからマニキュアが発売されています。くすみカラーなら、強い印象になりやすいバイオレットやブルーも扱いやすくなり、大人っぽく美しい手元に演出することができるのです。まずは気軽に使えるマニキュアから試してみてはいかがでしょうか。
ネイリストのおすすめポイント:ラミナエのネイルポリッシュは発色と塗りやすさが好評です。こちらのシオンというカラーは一見するとグレーにも見える、淡いバイオレットが美しいですね♪
ネイリストのおすすめポイント:エクセルのネイルカラーは手に入れやすい価格とおしゃれなカラーバリエーションが人気です。こちらのソルティレイクというくすみブルーには偏光パールが入っており、控えめなキラキラ感がかわいいです!
まとめ
現代生活は何かとオキシトシン不足に陥ることばかりです。キーボードやスマホ画面にどれだけ触っても、残念ながらオキシトシンは分泌されません。例えば飼っているペットにはつい赤ちゃん言葉で話しかけてしまう飼い主さんも多いようですが、無垢な小さな命が無条件に愛しいのは、赤ちゃんと母親の関係と変わりないと言えるのではないでしょうか。そんな気持ちでいる時、オキシトシンは泉のように湧き出て、美肌を育み全身を若々しくしてくれます。他者を大切に思いやる気持ちは、そのまま自分に還ってきて、自らも究極の幸せホルモンで満たされるのです。幸せそうな表情は、大人女性を美しく見せる何よりの秘訣。オキシトシンは、加齢により減少するのは他のホルモンと同様ですが、他者を慈しむだけで、いくつになっても増やせるのが大きな違いです。ぜひオキシトシンパワーをアップし、幸せと若さに溢れた毎日を楽しんでいきましょう。