世界にはたくさんのスーパーフードがあります。栄養価の高いスーパーフードは美と健康のために欠かすことのできない食物ですね。日本にも古くから食べられているスーパーフードがいくつもあります。そのうちの一つは「海苔」です。あまりにも身近な食材のため、スーパーフードとして認識されていることに驚いた方もいるのではないでしょうか。海苔には食物繊維やビタミン、タンパク質などその他にもたくさんの栄養が詰まっています。爪や髪に必要な栄養素も多く含んでおり、海苔は健康面だけではなく美容にも良いとされています。普段当たり前に食べている海苔は、女性に嬉しい栄養素がいっぱいです!そんな海苔ですが、近年続く暖冬の影響で国産の海苔は不作が続き、現在日本で食べられている海苔のほとんどは輸入品になっています。そして2020年のコロナウイルス流行による自粛規制で、コンビニの利用客が激減しました。日本の海苔消費の半分を占めていたコンビニのおにぎりが売れなくなったことで、今度は不足していた国産海苔が余るようになり、2021年に海苔は値崩れの危機を向かえようとしています。なんてことでしょうか・・・。そこで日本が誇るスーパーフードである海苔を、美と健康の観点からも意識的に取り入れてみませんか?意識することで美しくなると共に、国産海苔業界も救えるかもしれません。今回はそんな海苔の栄養と効能をご紹介していきます。
海苔がスーパーフード??
今や健康意識の高い人々には欠かせないスーパーフード。このスーパーフードですが、主に一般的な食品よりも突出して栄養価の高いもの全般を指します。自然の物から少しの量で効率的に有効成分が取れるので、健康意識の高いハリウッドセレブから火が付き、広く知られることとなりました。スーパーフードと聞くと新しい特別な食品のように感じますが、そうではありません。各国・地域で昔から食べられているものがほとんどです。例えば昔、米が食べられなかった貧しい農民達は、粟(アワ)や稗(ヒエ)などの雑穀を食べて生活していました。しかし現代では米よりも雑穀の方が栄養価はずっと高いので、スーパーフードとして特別に扱われています。このように、古来より人々に取り入れられてきたものが改めて見直されています。そして栄養価の高いものはスーパーフードと呼ばれ、海苔もそのうちの一つになりました。それはなぜかというと、海苔は海藻からできていますよね。海藻は海の栄養をたっぷりと吸収しながら大きくなります。そのため海苔には9種類のミネラルの他、たくさんの栄養素が含まれ、それらを干すことでさらに栄養価があがります。海苔がスーパーフードに入るのも納得ですよね。
海苔の栄養素とその効能
では海苔には具体的に一体どんな効能があるのでしょうか?
●海苔に含まれる栄養素
・タンパク質
・ミネラル類(ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、リン、鉄、亜鉛、銅、マンガン)
・ビタミン類(A、B1、B2、C)
・食物繊維
・EPA
海苔にはこれだけの栄養素が詰まっています。これを見ると栄養の宝庫だということがわかりますね!
●海苔の栄養素が持つそれぞれの効能
・タンパク質
海苔は40%がたんぱく質でできています。そして必須アミノ酸を全て含んでいるため、筋肉や血液などの合成に役立ちます。
・ミネラル
ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、リン、鉄、亜鉛、銅、マンガンの9種類のミネラルが含まれています。中でもカルシウムとマグネシウムは、骨粗しょう症予防の黄金比率である2:1の割合で含まれており、健康な骨の形成に役立ちます。
・ビタミン
A、B1、B2、Cとビタミン類を豊富に含んでいるため、新陳代謝を促し、シミの予防など美肌へ導く効果が期待できます。
・食物繊維
海苔に含まれる食物繊維は水溶性食物繊維と言い、水に溶けます。そのため身体の中でゲル状になり、スムーズな排便を促す効果が期待でき、便秘の改善に役立ちます。
・EPA(イコサペンタエン酸)
イワシなどの青魚に含まれる油脂で中性脂肪を減らす効果が期待できます。生活習慣病の予防に役立ちます。
海苔で爪や髪が健康になるの?
海苔は、美容と健康を得るために必要な栄養素をふんだんに含んでいるスーパーフードであることがお分かりいただけたと思います。そして中でも注目すべきはタンパク質の量です。爪や髪の主成分はタンパク質(ケラチン)になりますが、海苔100gのタンパク質の含有量は、なんと鶏の胸肉や大豆よりも多いのです!海苔ならば鶏肉や大豆と違って調理の必要がなく、いつでも手軽に食べることができますよね。さらに海苔が爪や髪に良いとされるのは、タンパク質の量だけではありません。タンパク質は、それだけを摂取しても残念ながら爪や髪になることはありません。ビタミンやミネラル、鉄など他の栄養素と一緒に摂ることで機能して健康な爪や髪を作ります。海苔には、爪や髪を健康に保つために必要な栄養素が全て含まれているのです!普段からネイルをして爪が弱っている方や二枚爪になりやすい方、また髪が痛んでいる方などは積極的に海苔を食べましょう。海苔が健康な爪や髪を育成する手助けをしてくれます。
海苔の食べ過ぎが良くないと言われるのはなぜ?
海苔のことを調べていると食べ過ぎが良くないという検索予測が出てきたり、注意を呼びかけたりすることに気づいた方は多いのではないでしょうか。このような注意喚起がされているのは以下の2つが主な理由です。
・ヨウ素を過剰摂取するのを心配している
・塩分過多になるのを避ける
海苔には多くの栄養が含まれていることは既にお話しましたが、海苔には「ヨウ素」という成分が含まれています。人の体においてほとんどのヨウ素は甲状腺に集中していますが、過剰にヨウ素を摂取すると甲状腺の働きが低下してしまいます。すると、甲状腺機能低下症を起こすことがあるので注意が必要なのです。しかし、ヨウ素過剰摂取になるほどの海苔の量は何十枚も食べる場合です。普通の食生活で食べる量であれば過剰摂取は気にしなくて良いでしょう。
塩分過多になるのを避けるということに関しては、海苔そのものの塩分が高いということではありません。ただし、これは焼海苔の場合であって、味付き海苔や韓国海苔のようなものは別です。海苔を食べる時、多くの人はそのままではなく、醤油や塩などの調味料をかけて食べるはずです。おにぎりにする場合も、具を入れたり塩をふりかけたりするので同様です。このように海苔に濃い味付けをすると塩分過多になってしまうので注意しましょう。
海苔はどうやってできるの?
おにぎりに巻いたり、お蕎麦にのせたりいろいろなところで食べられる海苔ですが、意外とどのように生産されているのかは知らない方も多いのではないでしょうか。海苔の産地は佐賀県、福岡県、香川県、千葉県などです。現在、海苔は養殖されて生産されていますが、その歴史は古く、江戸時代から始まりました。
海苔はまず、牡蠣の殻にフリー糸状体という海苔の胞子のようなものを植え付けて海の中で培養します。海苔は温度の低い海では生育できなので3月~9月の温かい水温で行われます。9月になると、海苔網という大きな網に海苔の胞子をくっつけます。そして10月中旬の水温が下がってくる頃まで一旦冷凍庫に入れて保管され、丁度よい冷たい温度の海になったら再び海に戻されます。海苔は太陽光を浴びることで育っていきます。
収穫は海苔網についた海苔芽が15センチ~20センチになったころだそうです。そして摘まれた海苔は四角い海苔の形にすかれ、乾燥機で水分を乾燥させるのです。さらに海苔は検査場で検査が行われて品質によって格付けが行われます。この格付は重さ、色、ツヤ、欠けがあるかなど様々な観点から分けられます。こうして販売場に出され、競売にかけられて問屋さんに購入されます。入札された海苔は味付き海苔や焼海苔に加工されて食卓に並ぶのです。海苔ができるまでにはたくさんの工程があり、時間をかけて作られているのがわかりますね。
海苔のおいしい食べ方
最後に、海苔のおいしい食べ方を紹介します!
・おにぎり
海苔はおにぎりで食べる人が多いのではないでしょうか。おにぎりの巻く海苔は細長いですよね。正方形の海苔を切って使うのもいいですが、初めから長方形になっている海苔も販売されています。
・磯辺餅
醤油とお餅の香ばしさがおいしい磯辺餅も海苔を使う料理の定番です。お餅を買えば簡単にできる手軽さもいいですね。側面に切り込みが入っているのでふっくら焼けるお餅で磯辺餅を作ってみてはいかがでしょうか。
・手巻き寿司
ひな祭りの時に食べることが多い手巻き寿司には海苔が欠かせませんよね。でもなかなか海苔が噛み切れなくて結局まるごと食べたらむせてしまいそうになる……ということ、ありませんか?手巻き寿司におすすめの海苔は噛み切りやすい以下のような海苔です。
まとめ
特に意識もせず手軽に美味しく食べていた海苔は、想像以上にたくさんの栄養素が詰まっています。一日2枚を目安に食べると必要な栄養を補うことができるとされ、健康維持に効果的です。美容と健康、そして丈夫な爪と艶やかな髪を目指し、意識して海苔を食べてみてはいかがでしょうか。