ネイルはメイクという範囲から見ると、「ポイントメイク」に含まれます。アイメイクやリップメイクもポイントメイクの1種で、特にこだわりが強い方は、何色ものアイシャドウやリップカラーを持っていたり、新しい商品が出ると気になって買ってしまうという方も多いです。しかし、ネイルはポイントメイクとして挑戦するにも、マニキュアとジェルネイルとでは難易度が異なります。マニキュアは自然乾燥で固まりますし、アートが少ないデザインなら道具をたくさん揃える必要がありません。ですがジェルネイルをするとなると、ジェルに加えてジェルネイル用のライトや、筆、ケア道具も必要になってきます。それでもジェルネイルが人気なのは、持ちの良さやツヤ感がマニキュアよりも優れているからではないでしょうか。ベーシックなジェルネイルなら3週間以上、人によっては1ヶ月以上持つこともあります。長い期間つけっぱなしでいられるので、毎日忙しい主婦や働く人達にもぴったりなのです。企業で働く人たちの中には、ネイルのカラーやデザインが就業規則によって決まっているという方も多くいます。そういった方々はオフィスネイルという系統で、ピンクやベージュの肌なじみが良いカラーやシンプルなデザインをつけているのですが、果たしてオフィスネイルには限界があるのでしょうか?今回はそんな疑問にお答えするべく、どこまでがオフィスネイルとして楽しめるのか、参考になるデザインや、見た目に関する就業規則の考え方ついてをご紹介します。
オフィスネイルという言葉に決まりはない?
なんとなく使われている「オフィスネイル」という言葉ですが、そもそもどんなカラーやデザインがオフィスネイルとされているのか、明確な基準はありません。「オフィスでつけていても問題のないネイルデザインやカラー」として認識されていることがほとんどなので、具体的なカラーやデザインはないのです。ですが、暗黙のルールとして以下のようなネイルが当てはまりそうです。
[オフィスネイルで使われるカラー]
・ペールトーンや白みがかったピンク
・ベージュ全般
・グレージュやグレー
・ホワイト
・クリアネイルやクリアベースにプラスして上記の色を使ったもの
[オフィスネイルで使われるデザイン]
・ワンカラー
・グラデーション
・フレンチネイル
・ラメやパールは無しまたは控えめ
・ポイントアートやストーンは無しまたは控えめ
上記の条件に加えて、「地爪やスカルプによるロングネイル」もオフィスネイルとして相応しくないとされることが多いです。こうしてみると、オフィスネイルってバリエーションが少ない気がしますよね。
オフィスネイルの限界はどこまで?このポイントを押さえましょう
就業規則によってネイルのカラーやデザインが具体的に決まっている場合、やはり規則を守らなくてはなりません。ですが、「華美・派手でないもの」「業務に支障をきたさないもの」という大まかな規則であれば、その範囲を超えなければネイルを楽しめるのです。せっかくネイルをつけるのであれば、自分の好みやトレンドに合わせて楽しみたいですよね。そこで以下では、筆者の個人的な見解にはなりますが、華美でないネイルにするにはどこを重視すればいいのかをご紹介してまいります。
●肌なじみの良いカラーはオフィスでも浮きにくい
ネイルは体において非常に小さなパーツですが、ふと他人の目に止まるようなカラーを使っていれば、やはり目立ってしまいます。そこで活躍するのが、肌なじみの良いピンク系やベージュ系カラーです。ピンクやベージュは手肌の色や地爪の色に近いため、ネイルに用いてもそこまで目立たないのです。だからと言って、濃いピンクであるマゼンタやフクシャピンク、ローズといったカラーや、ベージュを濃くしたダークブラウンなどは明らかに浮いてしまうので注意しましょう。
肌なじみの良いカラーであれば、ワンカラーやグラデーション、フレンチにしても悪目立ちしません。さらにピンク系やベージュ系をベースに、アートを付けてもそこまで派手すぎる雰囲気にはなりません。ちょっとしたアートを楽しみたい方は、ベースカラーでどうなるかというのを考えてからチョイスしましょう。
●ホワイト系は意外と肌なじみ◎
ピンクやベージュの次に、ホワイト系のネイルもおすすめです。透け感のないホワイトをワンカラーにしてしまうとかなり派手になりますが、シアーな色合いにしてみたり、グラデーションやフレンチに取り入れてみてください。清潔感も相まって大人かわいいネイルになるはずです。
特に白のフレンチネイルは、王道のデザインでネイルをしている感がありながらも、洗練されたイメージになるので、どんなシーンでも合わせやすいです。一度フレンチネイルにしてみたら、なんだか馴染みがよく続けているなんて方もいるほど。まだしたことがないという方は、一度試してみては。ただしフレンチの幅が広いとかなり目立ってしまうので、極細フレンチや爪先の白い部分を覆う程度の幅がおすすめです。
●クリアネイルはパーツをつけても馴染む
クリアネイルはただクリアのジェルを塗っておしまい!というものから、クリアベースの上にアートやパーツを付けて楽しむものまで様々です。筆者はネイルを自由に楽しんでいますが、時々クリアのみのジェルネイルをつけたりもしています。爪表面がジェルやマニキュアでコーティングされているだけでも、清潔感やきちんと感があってかわいらしく見えるのです。上の写真のようにパーツをシンプルに配置したものなら、派手にならずスタイリッシュに仕上がります。
●くすみカラーを使おう
ピンク系やベージュ系以外でも、派手になりにくいカラーはあります。それが「くすみカラー」です。トーンの明るい色や、原色系のネイルカラーはどうしても派手に見えがちですよね。しかし、少しグレーが混ざったかのようなくすみカラーを使えば、寒色系の色やイエロー、オレンジなども肌に馴染みやすくなります。くすみカラーでも、暗すぎたり明るすぎたりすると目立ってしまうので注意。写真のようなくすみカラーがオフィスネイルの限界ではないでしょうか。
●アートやストーンの本数は片手につき2本程度がおすすめ
アートやストーンを付ける指の本数が多ければ多いほど、派手なネイルになりやすいです。種類にもよりますが、肌なじみの良いカラーで、片手につき2本程度に収めておけば、華美なネイルにはなりにくいようです。ネイルデザインは足し算だけじゃなく引くことも大事。あえて控えめにして、スタイリッシュな仕上がりを目指せば、大人かわいいネイルに仕上がります。
●ラメ、ミラー、マグネットは範囲と色次第
ラメを使ったり、ミラーネイルやマグネットネイルなどのキラキラと輝くアートを施す時は、爪全面にたっぷりと使わないようにしましょう。これらのアートは、たくさんつけてしまうと光が反射してかなり目立つ手元になってしまいます。上の写真のように控えめに使うことで、キラキラのアートがかなり目立ちにくくなりますよ。ミラーやマグネットは、トライしたいけど派手にならないか不安・・という方も多いはず。色の組み合わせと使う範囲で、限界よりも控えめな印象になるので挑戦してみてください。
●爪の長さは短めで
ロングネイルはどんなに地味な色を使っていても、オフィスネイルらしくなくなり、限界を超えてしまいます。地爪の長さはなるべく短めをキープし、伸びてきたら付け替える時にその分爪切りでカットしたり、爪やすりで削って整えましょう。アクリルやジェルで長さだしをするときは、指先から5ミリ以上の長さは出さず、なるべく短めがおすすめです。
参考にしたい!限界までいかない肌なじみの良いネイル
フラワーのフラットアートは、取り入れることでフェミニンな雰囲気や季節感が出ます。しかしアートはつけてもいいの?と迷っている方も多いはず。上の写真のように、大きめのフラワーをシンプルなカラーで配置し、他の指はピンクやクリア、ベージュでとにかく肌なじみよく仕上げれば、会社でもOKなフラワーネイルが楽しめます。
ラメフレンチとベージュの組み合わせは、通常のフレンチよりも一味違って華やかさがよりアップします。極細フレンチにすることでラメでも目立ちにくいですし、ちゅるんとした色合いなのでかわいらしさもプラスしています。他のラメとベースカラーで組み合わせても間違いなくかわいいデザインですね。
マグネットネイルは、キラキラを集める方向と、ベースカラーを工夫するだけで派手にならずに済みます。シアーなものを使えばより肌なじみ良く仕上がるので、マグネットネイルにもどんどん挑戦していきましょう。
就業規則にはネイルについての記載がある会社も多い
就業規則とは、簡単に言うと雇用主と雇用されて働く人たちに向けた「働く時のルール」です。一定の条件を満たした会社は作成する必要があり、就業規則に最低限記載しなくてはならないものは法律(労働基準法)によって定められています。例えば、始業時間や終業時間、賃金の支払い方法や支払日、休暇などは、必ず書かれていなければなりません。その一方で、服装や髪型、メイクなどは法律上書かなくても良い=定めなくても良いものとされています。つまり、就業規則によって人のネイルを制限することは法律上難しいのです。
しかし、会社の業務上、ネイルや服装、髪について就業規則を定めたほうが良いと見なされる場合、従業員は規則を守った上で働く必要があります。それは安全面や衛生面において、見た目に関する規定を定めなくては業務を円滑に進められないというケースです。食品や薬品、衛生用品に関わるお仕事や、医療・介護従事者、接客・サービス業の方は、ネイルや服、髪によって安全や衛生、サービスが侵されることがないように就業規則が定められていることがほとんどです。
さらに、ネイルのカラーやデザインが就業規則によって決まっているという企業は、安全面や衛生面を守って仕事をしなくてはならない業種や職種だったり、自由なネイルをして、取引先やお客さんからの信用を損なわないように、ということを理由に制定しています。
ネイルを含む、働くときの服装や見た目に関しては、企業が従業員に対して規則遵守を強いることはできませんが、業務上不都合がある、安全や衛生に問題がある場合は別です。雇い主も従業員も、就業規則がなんのためにあり、なんのために守らなくてはならないのか、改めて理解しておくことが大切ですね。