セルフでジェルネイルを楽しむには、専用の道具が必要です。道具が少なくてもジェルが楽しめる物はありますが、自分でアートを描いてみたい方や、よりハイレベルなデザインを作りたい方は、やはり数種類のジェルや、筆、パーツが必要になります。
ネイリストは実際に様々な道具を用意してからネイルの施術を始めます。ネイルサロンに行ったことがある方なら、施術用のデスクの上や近くのワゴンに、様々な道具が入っているのを見たことがあるのではないでしょうか。
では、ジェルネイルを始めるために必要なものはどんなものなのでしょうか?また、ベースジェルがないからといって、カラージェルから塗りはじめるのはNGなのでしょうか。
今回の記事では、ジェルネイルに必要なものや、ベースジェル、トップジェルの役割、道具の使い方について解説してまいります。ネイリストが解説しているので正しい使い方や代用できるものがわかりますよ。
ジェルネイルに必要なもの
ジェルネイルは推奨されている手順を守り、必要な道具を用意して正しく使わないと「持ちが悪い」「剥がれやすい」「キレイに仕上がらない」といったことが起こりやすいです。
マニキュアのように蓋にハケがついているボトルタイプや、ジェルネイル風の仕上がりが楽しめるマニキュアなど、手軽さを重視したアイテムもあります。
しかし、ネイルサロンに行ったかのような仕上がりのジェルネイルを楽しみたいなら、基本の道具を揃えておく必要があります。
以下では、セルフジェルネイルを始めるための道具をご紹介します。
ベースジェル
ジェルネイルは、自爪から近い順に「ベースジェル」「カラージェル」「トップジェル」が層のように重なってできています。ネイルに詳しくない方からすると、「なぜそんなにジェルの種類が必要なの?」「カラージェルだけで完成できないの?」と思う方もいるようです。
ベースジェルには、自爪を守りジェルの持ちを良くするという、まさに縁の下の力持ちのような役割があるのです。
ベースジェルは、柔軟性、自爪への定着力、オフのしやすさなどを考慮して作られています。自爪とジェルは柔軟性があまりにも異なると、力を加えた時にジェルが欠けたり、自爪が折れたりすることがあるため、自爪にフィットするように作られているのです。
また、カラージェルは発色の良さが重視されているので、顔料がたくさん含まれています。顔料の多いカラージェルを自爪につけてしまうと、色素沈着が起こる可能性もあります。
自爪にジェルの色がつかないように守るのも、ベースジェルの役目です。
そして、ベースジェルはこの後に塗るカラージェルとトップジェルを、しっかり密着させる役割も持っています。「カラージェルだけ塗る」「トップジェルだけ塗る」では、自爪に密着するという効果が期待できず、すぐに取れてしまうのです。
トップジェル
トップジェルには耐久性を高め、光沢を与えるという役割があります。
カラージェルを塗っただけでは強度や耐久性がなく、ジェルネイルの特徴でもあるガラスのようなツヤは維持できません。
カラージェルを塗った後にはトップジェルを爪全体に塗ってコーティングしましょう。
トップジェルには未硬化ジェルの出ないノンワイプトップジェルと、未硬化ジェルが出る2種類があります。
未硬化ジェルは硬化した際に硬化されずに表面に残ってしまうジェルのことです。
未硬化ジェルが残ったままだとベタつきの原因になったり、ジェルネイルアレルギーを引き起こす要因になったりすることがあるので必ず拭き取りましょう。
セルフジェルネイルの場合は、未硬化ジェルが出ないノンワイプがおすすめです。
カラージェル
どのメーカーも豊富なカラーバリエーションで販売されています。
コンテナという蓋付きの容器に入っているものと、マニキュアのようにハケがついているボトルタイプがあるので、手軽さを求めるならボトルタイプ、収納のしやすさを重視したり、筆を数種類使ったるする人はコンテナタイプを使いましょう。
また、カラージェルにはラメやグリッター、マグネットパウダーなどが入った特殊な物もあります。ラメやパウダーが入るだけで印象がガラッと変わるので、様々なテイストのネイルが楽しみたい方におすすめです。
セリア、キャンドゥ、ダイソーの大手100均で販売されているジェルはどれも発色が良く、塗りやすいのでワンカラーにはもってこいです。
ネイル用ライト
ジェルネイルは可視光線という光で固まるので、ライトも必要です。
UVライトとLEDライト、どちらも兼ね備えているハイブリッドライトがありますが、手持ちのジェルや使いたいジェルがどの種類のライトで固まるのか、事前に確認してから購入しましょう。
ちなみに、近年販売されているジェルの多くは、UVライトでもLEDライトでもどちらでも固まるように出来ています。
しかし、LEDのほうが固まるのが早かったり、UVのほうが固まる時に温度が高くなる「硬化熱」が出にくいなど、ちょっとした特徴の違いがあるので、考慮した上でライトを選ぶのがおすすめです。
ジェルブラシ
ジェルネイルを爪に塗るための筆です。
コンテナタイプのジェルを使う時は、ジェルブラシが必須となります。
筆先の形は「スクエア」「オーバル」「フレンチ」「細筆」など様々な物がありますが、特にアートをしない場合は「スクエア」か「オーバル」のどちらかがあればOKです。
ジェルネイル用の筆を用意しないと、キレイに塗れなかったり、筆がすぐだめになってしまうかもしれません。また、アートの用途に合わせてジェルブラシを用意すると、スムーズにネイルが完成しますよ。
1本のブラシをその都度洗って使用しても問題ありませんが、ベースとトップのクリアジェル用、カラージェル用で分けるのがおすすめです。
ジェルネイルメーカーのオンラインショップで様々な種類のブラシが販売されているほか、100均でもスクエアや細筆は購入できます。
エメリーボード
自爪を削って長さや形を整えるための爪やすりのことです。
木の板に紙やすりが貼り付けられています。
目の粗さは180Gくらいのものがおすすめです。
爪切りを使うと割れや二枚爪の原因になるのでエメリーボードで爪の長さは調節するようにしてくださいね。
100円ショップやバラエティショップ、ドラッグストアのネイル用品コーナーで販売されています。
メタルプッシャー
甘皮を押し上げるためのアイテムです。
ジェルネイルのオフの際にも、ジェルをこそぎ落とすのに使用します。
ペンを持つように持ち、小指を支えにして爪の表面を滑らせるように動かします。
力を入れてしまうと自爪が傷ついたり、皮膚を切ってしまったりするので注意しましょう。
キューティクルニッパーとセットの以下の商品は初心者の方も使いやすいようにカラー説明書が付いているのでおすすめです。
スポンジバッファー
スポンジにやすりが貼り付けられているアイテムで、自爪のサンディングに使用します。
サンディングとは、自爪とジェルの密着を高めるために自爪を軽く削る工程のことです。
目の粗さは180G程度のものを使用しましょう。
消毒用エタノール
自爪の油分除去や、未硬化ジェルの拭き取りに使用します。
ネイル用品メーカーではネイルクリーナーやネイルクレンザーという名前で販売されています。また、100均で揃えたい場合はノンアセトンリムーバーでも代用できます。
ワイプ
油分除去やジェルブラシに付いたジェルを拭うことに使用するので、毛羽立たない素材のシートなら何でもOK!
ネイルサロンではカットしたキッチンペーパーか、不織布シートを使用していることが多いです。
ジェルリムーバー
ジェルをオフする時に必要なのがジェルネイル用のリムーバーです。
マニキュア用の除光液ではなく、ジェルネイル用のものを使用しましょう。
除光液との違いはアセトンというジェルを溶かすための成分の濃度です。
写真のジェルリムーバーはセリアやキャンドゥで販売されている商品で、十分にジェルを落とすことができるので初心者の方にはおすすめです。
ネイルファイル
ジェルネイルをオフする時にジェルの表面を削る時に使用します。
目の粗さは150G〜180Gのものを使用しましょう。
目の粗すぎるものだとすぐにジェルが削れてしまって自爪を傷つけてしまうことがあるので注意が必要です。
ネイルメーカーのオンラインショップやバラエティショップ、100円ショップのネイルコーナーにて販売されています。
コットン
ジェルリムーバーを染み込ませてジェルオフをする際に使用します。
このままでは大きすぎるので爪の大きさ程度に小さくカットしておきましょう。
アルミホイル
コットンを爪の上に乗せた後に、コットンが動かないように指ごと包むのに使います。
アルミホイルは指先が包み込めるくらいの大きさに切っておきます。
ダイソーやセリアといった100均でコットンとアルミホイルが一体になったジェルネイルオフ用の便利なアイテムが販売されているのでコットンやアルミホイルをカットするのが面倒な方におすすめです。
あると便利なもの
ジェルネイルをする時に必須ではありませんが、あったほうがスムーズにジェルネイルを進めることができたり、よりきれいな仕上がりにできたりする便利なアイテムを3つ紹介します。
キューティクルリムーバー
甘皮をふやかして柔らかくするアイテムです。
甘皮処理がスムーズにできるようになります。また、しっかり押し上げられるようになるので縦長の爪になって見た目もスッキリしますよ!
オレンジウッドスティック
はみ出したジェルを拭ったり、パーツを付けたりする時に使用します。
また、メタルプッシャーの代わりにオレンジウッドスティックで甘皮の押し上げを行うこともできます。
ネイリストは2〜3本常に用意しているアイテムなのでぜひ取り入れてみてくださいね。
100均で数本入りで販売されています。
ネイルオイル(キューティクルオイル)
爪の保湿にはハンドクリームよりもネイルオイルが適切です。
こちらはペンタイプですが、他にもボトルタイプやロールオンタイプ、スポイトタイプなどがありますので自分の使いやすそうな容器のオイルを使うのがおすすめです。
ジェルを付け終わった後だけでなく、起床時やお出かけ前、お風呂上がり、手洗い後などのタイミングで1日5回程度塗ることを習慣にすると、健康的な自爪を維持しながらジェルネイルを楽しめます。
ジェルネイルのやり方
ジェルネイルの下準備、塗り方、オフの仕方を紹介していきます。
セルフジェルネイルのやり方はこちらの記事で詳しく紹介しています。
⇒【初心者向け】セルフジェルネイルの方法|準備・道具・塗り方を徹底解説
下準備のやり方
基本的にジェルネイルは塗る前にプレパレーションというネイルケアが必須です。
ジェルネイルのプレパレーションに使う道具はエメリーボード、メタルプッシャー、スポンジバッファー、ワイプ、消毒用エタノールの5つです。
プレパレーションのやり方を簡単にご紹介します。
まず、エメリーボードで爪の形や長さを整えたあと、メタルプッシャーを使って、甘皮を押し上げ、ルースキューティクルを取り除きます。
サンディングが必要なベースジェルを使う場合は、スポンジバッファーを使って表面を軽く擦って削りましょう。
削りかすを落としたらワイプに消毒用エタノールを染み込ませて自爪の表面を拭き取り、油分除去をします。これでプレパレーションが完了です。
ちなみに、エメリーボードを使った時に、爪の切れ端である「バリ」があったら、バッファーでこするとキレイに取れますよ。
塗り方
ジェルの塗り方を解説していきます。
今回はボトルタイプのジェル(セリアにて購入)を使用しているのでジェルブラシは使用していません。
最初にベースジェルを塗ってライトで硬化します。
爪先のエッジ(爪の厚み分)までしっかり塗ってください。
次にカラージェルを塗ります。
爪の根元のラインが揃っていると仕上がりがきれいになるので揃えるように塗りましょう。
はみ出しがないことを確認してライトで硬化。
カラージェルを2度塗りします。
色ムラにならないように均等に塗ってライトで硬化します。
サイドにトップジェルで爪全体をコーティングしてライトで硬化したら完成です。
セリアのトップはノンワイプなので拭き取りは不要ですが、未硬化ジェルが出るタイプのトップジェルを使用している場合は消毒用エタノールを染み込ませたコットンでよく拭き取ってくださいね。
オフの仕方
まず、ジェルネイルの表面をファイルで軽く削っていきます。
その後、ジェルネイルリムーバーを含ませたコットンを爪にのせて、アルミホイルで指先とぐるっと巻き、密閉状態にしましょう。
ジェルネイルリムーバーは揮発性の高いアセトンが主成分なので、アルミホイルにスキマがあったり、コットンに含む量が少なかったりするとすぐに乾いてしまいます。
10分程度待ったら、アルミホイルとコットンを指から外します。
ジェルがリムーバーによってやわらかく、ホロホロと崩れていることを確認したら、メタルプッシャーで除去していきましょう。
この時、爪に密着しているジェルを無理やり剥がすのは絶対にNGです。
自爪が傷つき、亀裂や欠けの原因になります。
どうしても取れないジェルは、ファイルで少し削って、再度ジェルネイルリムーバーで浸して・・・を繰り返しましょう。爪にジェルが付いていないことが確認できたら、オフは完了です。
ジェルネイルを時短でする方法
ジェルネイルを少しでも時短して行うための方法をご紹介します。
どちらもジェルオフで削りとリムーバーを使う工程をしなくて済むのでジェルネイルがより手軽にできますよ。
ワンステップジェル
こちらのワンステップジェルはサンディング、ベースジェル、トップジェル、未硬化ジェルの拭き取りが不要で、カラージェルを塗って硬化するだけで完成する画期的なアイテムです。
カラーバリエーションが豊富で、発色もいいので時短でジェルをやりたい人にうってつけと言えます。
ピールオフジェル
ピールオフジェルはいつものベースジェルの代わりに最初に塗ることでジェルをシールのように剥がせるようにすることができるアイテムです。
持ちは3日程になりますが、ジェルオフをする手間が省けるので数日間だけジェルがやりたいときや、週末だけネイルをしたい方におすすめです。
100均のものも十分使えますが、ネイルサロンでもよく使われることのあるプリジェルというメーカーのピールオフジェルは使い勝手が良いですよ。
まとめ
今回の記事ではジェルネイルに必要なものと使い方、代用できるものについてお話をしてきました。安く揃えるなら100均で購入することも可能です。逆にプロ志向の方はネイルメーカーで探してみててもいいですね。自分に合ったものを購入してジェルネイルを始めてみてくださいね。