「ささくれができると親不孝」そんな言葉を耳にして、不思議に思ったことはありませんか?
指先にぴりっとした痛みを感じる小さなささくれ。
つい無理やり引っ張ってしまい、かえって悪化させてしまった経験がある方も多いのではないでしょうか。
実は、ささくれには昔ながらの言い伝えや現代に通じる健康サインとしての意味が込められています。
この記事では「ささくれ=親不孝」と言われる理由をはじめ、ささくれの原因・正しいケア・予防法まで知っておきたい情報をわかりやすく解説していきます!
親指や指の周りにささくれができやすい方は、ぜひ最後まで読んでセルフケアに役立ててくださいね。
「ささくれがあると親不孝」の由来とは?
ささくれを見た誰かが「親不孝だね」と言っているのを聞いたことはありませんか?
日本には昔から『夜に爪を切ると親の死に目に会えない』『茶柱が立つと良い事がある』など、言い伝えられている迷信が沢山ありますね。
こういったものは、科学的根拠はないにしても、昔の人々が日々生活の中での気付きを伝えていこうとしたものが、今日まで迷信として残っています。
『ささくれがあると親不孝』ですが、これもまさに語り継がれている迷信の一つです。
ささくれがあるだけでも気になるのに、さらに親不孝だなんて認定されてしまったらショックですよね。
なぜ親不孝とささくれが関係するのでしょうか?
由来を調査しました。
家の手伝いができなくなるから
一つ目は、ささくれができてしまうと痛くて手伝えないことから
「家の手伝いが出来ない子=親不幸である」という説です。
昔の日本は、子どもが家事や農作業を手伝うのが当たり前でした。
そんな中ささくれができてしまうと、痛みが気になってしまい、手伝いもおろそかになってしまう、という説からささくれができると親不孝ということに繋がりました。
今のように様々なケア用品がある世の中ならまだしも、昔は絆創膏やネイルオイルなどがなかったので、ささくれの適切な対処もできません。
痛い状態のまま放置することしかできず、結果的にささくれが痛くて手伝いや農作業ができなくなるというわけです。
不摂生で親を心配させるから
もう一つは、ささくれが栄養不足や睡眠不足などによる不摂生な生活からくる症状だと考え、
親を心配させることから「親を心配させる=親不幸者」という説。
こちらの意味の方が現代の私たちにはしっくりきますね。
ささくれができやすくなる理由には、栄養不足や睡眠不足など生活習慣も関係します。
つまりささくれが栄養・睡眠不足のサインとなり、子どもの健やかな成長を願っている親を心配させてしまうということから来ていると考えられるのです。
以上のことから、「ささくれがあると親不孝」というのは、やはり俗説です。
もしささくれができてしまったら、正しく処理をし、日頃からできないようにケアを続けるようにしましょう。
なぜささくれができるの?
ささくれとはどんなものかと言うと、主に爪回りの皮膚の表面が勝手にむけてしまった状態のことを指します。
「さかむけ」と言う人もいますが、症状としては同じものです。
では、なぜささくれはできてしまうのでしょうか?
ここでは原因を解説します。
頻繁な手洗いや水仕事が原因
手洗いや水仕事を頻繁に行う人は、ささくれができやすくなります。
手洗いや水仕事で最も影響が強いのが界面活性剤の存在です。
界面活性剤は汚れを落としやすくする成分で、ほとんどのハンドソープや食器用洗剤類に入っています。
界面活性剤は便利で強力な成分なので、使うたびに汚れと一緒に皮脂も流れ落ちてしまいます。
普通のハンドソープや食器用洗剤を使っていると、指や手元が乾燥しやすいのはそのせいかもしれません。
激しい乾燥で、結果的にささくれができやすい状態になっているのです。
除光液やリムーバーが原因
マニキュアやジェルを落とす時に使う徐光液やリムーバーが原因になる場合もあります。
除光液やジェルネイルリムーバーには、基本的に「アセトン」という成分が入っています。
アセトンが入っているおかげでマニキュアやジェルネイルを溶かすことができるのですが、皮脂や油分も一緒に溶けてしまいます。
ネイルをオフするときにアセトンが指や手に付くと、指や手の油も一緒に奪ってしまうのです。
ネイルをしている人は除光液やリムーバーを使うので、特に乾燥しやすくなり、ささくれもできやすい、というわけです。
アセトンが爪や指に残留していると乾燥も激しくなるので、除光液やリムーバーを使った後は、早めに水と石鹸で洗い流しましょう。
間違ったネイルケアが原因
ささくれができる原因のひとつに、「間違ったネイルケア」があります。
たとえば甘皮を無理に押しすぎたり、乾燥した状態のままプッシャーで甘皮処理をするのはNGです。
皮膚を傷つけてしまい、そこからささくれが発生しやすくなります。
ジェルネイルのオフの時に強引に剥がしたり、粗いファイルで何度も同じ部分を削ってしまうのも避けたい行為です。
このような摩擦や刺激は爪や爪周りの皮膚にダメージを与え、ささくれの原因になることも。
特に親指や人差し指は日常生活の中で使用頻度が高いため、摩擦や負担が集中してささくれができやすい傾向があります。
正しいネイルケアを行うためには、甘皮処理はお湯やキューティクルリムーバーでしっかりふやかしてから優しく行いましょう。
プッシャーやニッパーも「力を入れすぎない」「乾いた状態で処理しない」など基本を守ることが大切です。
栄養不足が原因
ささくれができやすい理由のひとつに、栄養バランスの乱れも大きく関わっています。
皮膚の健康を保つには、ビタミンB群(特にB2・B6)・ビタミンC・タンパク質・鉄分・亜鉛などの栄養素が欠かせません。
これらの栄養素が不足すると肌のターンオーバーがうまくいかず皮膚が乾燥しやすい状態になったり、傷の回復が遅くなったりしてささくれができやすくなります。
特にビタミンB群は皮膚や粘膜の健康を支える重要な栄養素なので、不足すればささくれができやすくなるだけでなく治るまでに時間がかかることも。
また、鉄分や亜鉛は皮膚の修復を助ける働きがあるため、慢性的に不足すると日常生活で受けた細かな刺激が回復しきれず肌に負担が蓄積しやすくなります。
保湿など外側からのケアだけでなく栄養バランスの取れた食事を心がけ、内側からも皮膚の健康を整えることを意識していきましょう。
乾燥肌が原因
もともと乾燥肌の人は、ささくれができやすい傾向にあります。
乾燥肌は皮膚のバリア機能が弱まっており、外部からの刺激に対してとても敏感。
指のまわりの皮膚も薄くデリケートなためほんのわずかな刺激でも皮膚が裂けてしまい、ささくれの原因になります。
特に空気が乾燥する冬場は要注意。
暖房や手洗いの回数が増えることでさらに水分が失われやすくなり、親指や人差し指など、よく使う指先からささくれができやすくなります。
乾燥肌の人は、日頃からネイルオイルやハンドクリームを使ってこまめに保湿することが重要です。
また、刺激の少ないスキンケア用品や保湿力の高いアイテムを選ぶなど、自分の肌質に合った対策を意識するようにしましょう。
ささくれができた時のケア方法
実は爪の周りの皮膚はとても弱く、簡単にむけやすくなっています。
指先が物にぶつかるなどして小さな傷ができると、皮膚がむけてしまい、放置しておくとどんどんささくれが増えてしまうのです。
また、固くなったささくれが洋服などに引っかかると、より傷が深くなって流血してしまうこともあります。
ささくれができてしまったら、これ以上ひどくならないように適切な処理をしておきましょう。
キューティクルニッパーや爪切りで切る
もしささくれを見つけたら、手を清潔にして爪切りやキューティクルニッパーで必ず根元からしっかりカットしましょう。
少しでもささくれを残すと、またそこからすぐに乾燥して固くなっていきます。
固くなると痛みも出ますし、引っ掛けてしまったらさらに深い傷になってしまいます。
すでに炎症していたり、血が滲んで傷になっていたら、痛くても同じように根元からしっかりカットし、消毒をして絆創膏でなどで傷をカバーしましょう。
できるだけ乾燥させずに保護を続けると、跡が残りにくくなります。
保湿する
ささくれをカットしたあとは、保湿ケアをしっかり行うことがとても重要です。
乾燥が原因でできたささくれは、放っておくと再び皮膚がめくれて悪化してしまうこともあります。
指先の皮膚はとても薄くデリケートなので、こまめな保湿でダメージを防ぎましょう。
おすすめはネイルオイル+ハンドクリームのダブル使いです。
ネイルオイルは爪周りにピンポイントで塗りやすく、指先のキワまでしっかり潤いを届けてくれます。
特にオイルは乾燥によって硬くなったささくれ部分を柔らかくし、肌の回復を助ける効果が期待できますよ。
そしてハンドクリームで保湿することで油分と水分のバランスを整え、外的刺激から指先を守ることができます。
就寝前は少し多めに塗って、綿の手袋をして寝るとより効果的。
痛みや炎症がある場合は、ワセリンなど刺激の少ない保湿剤を使いましょう。
保湿は「ささくれ予防」にもなるので、毎日の習慣にしておくと安心です。
ささくれを予防する方法は?
ささくれは一度できると痛みが伴ったり、服に引っかかって悪化したりと厄介な存在です。
ですが、日頃のケアやちょっとした習慣の見直しによって、ささくれは十分に予防することができます。
ここでは、ささくれを防ぐために意識したいケア方法や生活習慣を具体的にご紹介します。
「いつも親指や指先にささくれができてしまう…」という方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
ネイルオイルとハンドクリームを使う
ささくれ予防の基本は、なんといっても保湿です。
指の乾燥を防ぐために、ネイルオイルとハンドクリームを組み合わせて使うのが効果的とされています。
ネイルオイルは、特に乾燥しやすい爪の根元(キューティクル周り)に潤いを与えてくれるアイテムです。
軽くマッサージをしながら塗り込むことで血行も促進され、健康的な爪と皮膚を育てやすくなります。
ハンドクリームで手全体を包み込むように保湿すると油分と水分がしっかり肌に閉じ込められ、乾燥によるダメージをしっかり防ぐことができるでしょう。
特に寝る前の保湿ケアは翌朝の指の状態に大きく影響するので、毎日の習慣に取り入れるのがおすすめですよ。
ゴム手袋をつけて水仕事をする
ささくれを予防したいなら、水仕事をするときは必ずゴム手袋をつける習慣をつけましょう。
水や洗剤に長時間触れると指先の皮脂や水分が流れ落ちてしまい、乾燥によって皮膚がめくれやすくなります。
特に食器用洗剤や掃除用洗剤には汚れをしっかり落とすための強い洗浄成分(界面活性剤)が含まれていることが多く、これが指先にとって大きな刺激になります。
水よりもお湯の方が皮脂を溶かしやすいため、お湯での洗い物はさらに乾燥しやすくささくれのリスクが高まります。
ゴム手袋は手荒れやささくれの予防になるだけでなく、ネイルのもちも良くしてくれる心強いアイテムです。
洗い物や掃除の際には、ぜひゴム手袋をつけて手指を守ってあげましょう。
食生活の改善
ささくれを防ぐには、日常の食習慣そのものを見直すことも大切です。
たとえ保湿ケアをしっかりしていても、食生活が乱れていれば爪や指先のトラブルは起きやすくなってしまいます。
外食やコンビニ食が続いていたりダイエットで食事量を極端に減らしていたりすると、知らず知らずのうちに肌や爪をつくるために必要な栄養が不足してしまうおそれも。
特に朝食を抜いたり同じものばかり食べていたりすると肌の再生やターンオーバーがうまくいかず、ささくれができやすくなる原因になります。
毎食しっかり食べる・なるべく自炊を心がける・野菜やたんぱく質をバランスよく摂るなど、基本的なことから見直してみましょう。
忙しいときは具だくさんのスープやおにぎりなど、簡単でもいろいろな食材を組み合わせる工夫をしてみてください。
日々の食事の積み重ねが、指先の健康にもつながっていきますよ。
手指を刺激から守る
ささくれを予防するには、手指をできるだけ外的刺激から守ることも重要です。
特に注意したいのが、日常的に使っているハンドソープや食器用洗剤などの洗浄剤。
これらには洗浄力の強い成分が含まれており、使うたびに必要な皮脂まで洗い流してしまいます。
さらに、水ではなくお湯で手を洗ったり洗い物をしたりすると皮脂がより多く奪われて乾燥が進み、結果的に指先の刺激となってささくれを引き起こす原因になります。
お湯は一見やさしく感じられますが、実は水よりも肌への負担が大きいのです。
対策としては、刺激の少ない低刺激処方のハンドソープを選ぶ・お湯ではなくぬるま湯を使用する・そして水仕事の際はゴム手袋を着用するなど、日常の中で手指を守る工夫を取り入れていきましょう。
まとめ
「ささくれがあると親不孝」といった言い伝えには、家事を手伝えなくなる・不摂生を心配させるといった生活に根差した理由がありました。
現代では迷信とされることが多いものの、ささくれが生活習慣や体調のサインであるという点には納得できます。
実際、頻繁な水仕事や除光液の使用・間違ったネイルケア・栄養不足・乾燥などは、指のまわりの皮膚を傷めやすくささくれの原因になります。
特に親指や人差し指などのよく使う指は摩擦や衝撃が多く、ささくれができやすい部位です。
できてしまったささくれは無理に引っ張るのではなく、キューティクルニッパーなどで根元から清潔にカットしてしっかりと保湿ケアを行うことが大切です。
また、ネイルオイルやハンドクリームの習慣的な使用・水仕事時のゴム手袋・食生活の見直しなど、日々の積み重ねが指先の健康を守ります。
指先の小さなトラブルも、普段から丁寧にケアすることで大きな悩みに発展させずに済みますよ。
ささくれの予防と正しい対処法を知って、健康的で美しい指先をキープしていきましょう。