セルフジェルネイルは、慣れてくると「次はどんなネイルカラーやデザインにしようかな」と楽しみになりますよね。回数を重ねるうちにクオリティがアップするので、まるでネイルサロンに行ったかのようなジェルネイルも夢ではありません。しかし、見た目のクオリティは高くても、「ジェルネイルの持ち」はなかなか改善されず、お悩みポイントになりやすいです。ケアをして、ベースジェル→カラージェル→トップジェルと塗り重ねているはずなのに、数日で剥がれるというケースが多いのではないでしょうか。今回の記事では、セルフジェルネイルで根元が剥がれるのはなぜなのか、根元と同じく起こりやすい「爪先の剥がれ」と合わせて、理由と対策をご紹介します。
セルフジェルネイルはキレイにできても剥がれやすい?
「ネイルが好きだから」という人はもちろん、「ネイルサロンに通っていたけど、自分でやってみたい!」「ジェルネイルができたら楽しそう!」などの理由から、セルフジェルネイルを始める人は年々増えています。筆者も最初はとあるネイルサロンに通うお客さんだったのですが、段々とネイルデザインやカラーを考えることが好きになり、「自分でネイルをやってみたい!」と思い立った結果、OLからネイリストに転身しました。ネイリストになるとまではいかなくても、自分のネイルをセルフジェルネイルで楽しんでいる人はたくさんいます。InstagramやYou Tubeなどの投稿でもよく見かけますよね。セルフジェルネイルは、最初は上手く行かなくて時間がかかるかもしれませんが、回数を重ねることで、道具やジェルの扱い方に慣れていきます。だんだんクオリティが上がるので、キレイに仕上がった後は喜びもひとしおです。
しかしセルフジェルネイルは、キレイに仕上げることはできても「持ちが悪い」「根元から剥がれる」「爪先のジェルが欠ける」といったお悩みがなかなか解決しにくい面もあります。「セルフだと2週間持たない」「下手したら1週間しないで剥がれる」という方もいるのではないでしょうか。ジェルネイルを始めたてでは仕方がないことではありますが、せっかくのジェルだからこそ、長期間剥がれずに持ってほしいですよね。そこで今回は、セルフジェルネイルが剥がれやすい「根元」と「爪先」の原因・対策について、ネイリストの観点からご紹介してまいります。
セルフジェルネイルで根元から剥がれるのはなぜ?
ジェルネイルはマニキュアに比べて持ちがよく、通常は3~4週間経過した頃が付け替え時です。つまり付け替え時期までは根元や爪先から剥がれず、ジェルが爪にしっかりと密着している状態が望ましいのです。しかし1週間どころか、数日でジェルが剥がれてきてしまうこともありますよね。まずは、根元から剥がれてくる理由にはどんなものがあるかチェックし、しっかりと対策していきましょう。
●甘皮ケアができていない
根元から剥がれる原因で最も多いのが、「甘皮のケア不足」です。ジェルネイルを塗る前には、基本的に爪の長さや形の成形、甘皮ケアを行いますが、甘皮ケアが不十分だと根元からジェルが浮いて剥がれてしまいます。「ちゃんとプッシャーとキューティクルリムーバーを使って甘皮を押してるのに!」という方は、今一度、下記の点を見直してみましょう。
・爪に張り付いている「ルースキューティクル」を捉えて、しっかり押し上げる
爪の根元にある甘皮は、キューティクルリムーバーをつけた後に、メタルプッシャーやストーンプッシャー使って押し上げていきます。この時、爪に張り付いている「ルースキューティクル」も押し上げなくてはなりません。ルースキューティクルとは爪や甘皮の角質です。乾燥して白っぽくなったルースキューティクルはわかりやすいのですが、どこが爪でどこが角質なのかわかりにくい、透明なものもあります。ルースキューティクルが張り付いたままだと、爪とジェルの間に隙間ができてしまい、ジェルが爪から剥がれる原因になります。
まずはしっかりとルースキューティクルを捉えるために、爪を見る角度を変えたり、手元を照らすライトを用意しましょう。ルースキューティクルを見つけたら、キューティクルリムーバーを塗り、プッシャーで押し上げていきます。この時、手に力を入れるのはNGです。軽い力で、爪に対してプッシャーが50度前後になるよう、角度をつけて軽く押すのがポイントです。メタルプッシャーの場合、後ろについているかき出し部分を使うのも効果的ですよ。
ルースキューティクルは、基本的にプッシャーで押し上げるだけでもキレイになります。しかし張り付きっぱなしで塗る時に邪魔になる部分は、キューティクルニッパーでカットしていきましょう。プッシャーもキューティクルニッパーも鋭利な刃がついているので、慎重に取り扱ってくださいね。
ネイリストのおすすめポイント:内海のプッシャーはプロのネイリストでも使用している人が多い、大人気のロングセラー商品です。
ネイリストのおすすめポイント:ストーンプッシャーは、甘皮の押し上げとサンディングが同時にできます。
●水分と油分を徹底的に除去
ジェルネイルは水分や油分がついていると、爪にしっかり密着せず、剥がれる原因になります。ジェルを塗る前にお風呂に入ったり、水仕事をすると、どんなにタオルで拭き取っても多少は水分が残ります。ジェルを塗る前は、水に触れるのは避けたほうが良いでしょう。また、ジェルを塗る前にハンドクリームやネイルオイルを塗るのもNGです。油分が爪に残って、せっかく塗ったジェルも弾いてしまいます。そして、ネイルケアが終わってジェルを塗り始める前に、プレプライマーで爪表面を拭き取るのがおすすめです。消毒用エタノールやアセトンで拭き取っている人もいますが、しっかり除去するためにも、専用の事前拭き取り剤であるプレプライマーを使うと、よりジェルの持ちが良くなりますよ。
ネイリストのおすすめポイント:大人気のパラジェルは、塗る前にパラプレップで爪を拭き取ることが推奨されています。
●ベースジェルの変更も選択肢の1つ
ベースジェルは様々なメーカーから販売されていますが、同じメーカーでも「オフのしやすさ特化」「持ちの良さ特化」「柔らかい仕上がり」「固めの仕上がり」など、様々なタイプを販売しています。例えば爪が薄く柔らかい人は、硬化しても柔らかいベースジェルを使うことで、爪とジェルが一緒にしなるので、衝撃を受けても剥がれにくくなります。また爪が硬い人は、柔らかいベースジェルを使うと、ジェルだけが衝撃を受けてもしまうので、固めのベースジェルを使ったほうがよいでしょう。短期間で何度もベースジェルを変えると、どの商品が自分の爪に合っているかわからなくなるので、4~5回付け替えても剥がれやすいと感じた時に、ベースジェルを変えてみてはいかがでしょうか。
セルフジェルネイルが爪先から剥がれるのはなぜ?
ジェルネイルは爪先からも剥がれることがあります。上記でご紹介したような、水分・油分除去や、ジェルと爪の相性も関係しますが、それ以外の理由もあるので、下記で詳しくご紹介します。
●ジェルが爪先まで覆えていない
爪先はボタンを押したり、物をつまんだり、シールを剥がしたりなど、生活する上で意外と使っている部分です。つまり私達が想像している以上にダメージを受けており、摩耗しやすいのです。ジェルを塗る時に、根元や爪表面だけでなく、爪先までしっかり塗らないと、爪先からジェルが摩耗して剥がれてしまいます。ベースジェルだけでなく、カラージェル、トップジェルも、根元から爪表面を塗り終えた後は、筆先を使って、爪の先端もしっかり塗りましょう。軽い力でふわっと塗るのがポイントです。
●爪にバリがついている
爪の長さや形を整えるときは、エメリーボード(爪やすり)で削っていきますよね。この時、完全に削りきれていないと、爪先に薄く「バリ」が残ることがあります。バリが残ったままだと爪先にジェルが塗りにくいですし、無理やり塗ってしまうとバリとジェルに隙間ができて、爪先からジェルが浮く原因になります。バリはエメリーボードの目が細かい面を使うか、バッファーというスポンジファイルを使って、優しく削ぎ落としていきましょう。
●ジェルが厚すぎ・薄すぎ
ジェルネイルは程よい厚みが大切で、ジェルを薄塗りにすると強度が足りず、剥がれやすくなります。そして厚塗りにすると基本的に剥がれにくくはなるのですが、ムラや凹凸ができやすいので、仕上がりに悪影響を及ぼします。ジェルの厚みは薄すぎず、厚すぎず、1ミリ前後になるよう調節しましょう。
●プライマーを塗って持ちアップ
ネイル道具の一つに「プライマー」というものがあります。上記でご紹介したプレプライマーは油分・水分除去を目的としていますが、こちらのプライマーは爪に液を塗ることで、爪とジェルをより密着させる接着剤のような役割を持っているのです。基本的にマニキュアの容器のようなハケ付きの商品が多く、ジェルネイルの他にも、アクリルネイルで使うケースもあります。また、プライマー自体にも使い方が異なる商品があり、塗って自然乾燥で乾く物もあれば、ジェルネイルのようにライトで硬化する必要がある物もあります。
プライマーを使うタイミングは、プレパレーションがすべて終わって、油分・水分除去をした後です。つまりベースジェルを塗る前に使用しますが、商品によって「爪全面に塗る」「剥がれやすい部分にだけ塗る」「爪の先端や根元だけ塗る」といったように使い方も異なるので、必ず商品の説明を見てから塗りましょう。間違って、爪先だけ塗る商品を爪全面に塗ってしまい、密着しすぎてジェルオフがとても大変だったというケースもよく耳にします。
ネイリストのおすすめポイント:プリジェルというネイルメーカーはプロのネイリストも愛用者が多く、特にこのマジカルプライマーをお客さんの施術にも使っているという方が増えています。リフトしやすい爪先など一部に塗って自然乾燥させるタイプなので、爪全面に塗らないように気をつけましょう。
ネイリストのおすすめポイント:Harmonyというメーカーのプロボンドは、爪に悪影響を与えやすい酸を使用していない、安心して使えるプライマーです。海外のメーカーですが、日本のネイリストも愛用者が多い商品です。
セルフジェルネイルは、何回も練習することで「このケアなら持ちが良い」「この塗り方や厚みなら持ちが良い」などがわかってきます。セルフジェルネイルは剥がれやすいから・・・と諦めずに、原因を把握し、工夫を加えながらトライしてみましょう!