肌がたるむ、髪が薄くなる、朝起きられない…。このような症状は、古くなった細胞がリフレッシュできず、機能が低下して起こります。そんな時に効果を発揮する万能薬が「プラセンタ」です。プラセンタと聞くと、美容効果が高く美肌になるイメージをもつ人が多いのではないでしょうか?実はプラセンタは、美肌や美白の効果だけではありません。プラセンタが万能薬といわれているのは、体の基本となる「細胞」を再生したり活性化する力があるからです。そのため肌だけではなく、爪や髪も活き活きとさせるパワーがあります。プラセンタが美容に良いことは知っていても、美肌以外にどのような効果があるのか、意外と知らない人が多いです。今回は乾燥しやすくすぐに欠けてしまう爪や、パサパサでまとまらない髪に悩んでいる人にもおすすめの、プラセンタの効果とその仕組みをご紹介します。
プラセンタとは?
プラセンタとは、人間や動物などの胎盤のことで、受精卵を10ヶ月かけて3kgの赤ちゃんに成長させる、重要な役目を担う器官です。そのため胎盤には、たんぱく質、脂質、糖質の三大栄養素に加え、アミノ酸、活性ペプチド、ビタミン、ミネラル、酵素、核酸といった、生命を育むのに必要なあらゆる栄養成分が含まれています。プラセンタの歴史は古く、紀元前の昔から、病気治療や健康維持、美容のために世界中で用いられてきました。クレオパトラやマリー・アントワネット、楊貴妃は若返りの妙薬として、プラセンタを使用していたといわれ、オードリー・ヘップバーンやマリリン・モンロー、チャーリー・チャップリンが愛用していたことは有名な話です。
●プラセンタのもつ成長因子とは?
プラセンタには豊富な栄養があるだけでなく、ある特有成分が含まれています。それが「成長因子(GF・グロースファクター)」であり、他の美容健康成分にはない、プラセンタの最大の特長なのです。成長因子とは、細胞分裂を促進するたんぱく質のことで、増殖因子または細胞増殖因子とも呼ばれ、胎盤がもつ偉大なパワーの源となっています。成長因子は私たちの体内でも作られていますが、20歳ごろをピークに減りだし、50代60代ではピーク時と比べ3分の1の量になります。歳とともに、傷痕が消えない、肌のハリがなくなる、髪が薄くなるといったことが増えるのも、成長因子の減少と無関係ではありません。そこで成長因子を外から摂ることにより、細胞を活性化させるというわけです。
●プラセンタに含まれる成長因子
・EGF(上皮細胞成長因子)
ノーベル賞の受賞で知られる成長因子で、皮膚や角膜、気管の上皮細胞の再生を促進します。
・FGF(線維芽細胞成長因子)
皮膚の真皮にある線維芽細胞を再生し、活性化します。
他にもたくさんの成長因子が含まれていますが、代表的なEGFやFGFは美肌作りに直接的に関わることから、パックなど化粧品によく利用されています。
プラセンタの種類
現在使われているプラセンタは主に次の6種類です。これらのプラセンタは、注射剤や内服薬、サプリメント、化粧品に幅広く活用されています。
1.ヒトプラセンタ
医薬品として、医療機関でのプラセンタ注射にのみ使用が認められています。
2.豚プラセンタ
豚は年に数回、10頭近くの子供を出産するため、原料となる胎盤数が多く、価格が手頃です。
3.馬プラセンタ
年1回、1頭しか出産しない馬の胎盤は、栄養価は高いのですが、大量生産ができないためかなり高価です。
4.羊プラセンタ
アミノ酸組成が人間の胎盤と似ているため、人に馴染みやすいのですが、全て輸入に頼っているため数は非常に少ないです。
5.植物性プラセンタ
植物の「胎座(胎盤にあたるもの)」由来のプラセンタは、アミノ酸やビタミンなどは豊富ですが、成長因子が含まれておらず、プラセンタ本来の効果は低くなります。
6.海洋性プラセンタ
魚の「卵巣膜」由来のプラセンタは、アミノ酸やコラーゲンなどの栄養がありますが、植物性と同様に成長因子が含まれていません。
プラセンタの効果
豊富な栄養成分と成長因子により、プラセンタは万能ともいえる多くの効果を発揮します。まずはよく知られる美肌効果から、詳しく見ていきましょう。
●美肌効果
・美白作用
プラセンタは厚労省認可の美白成分の一つで、メラニンを作るチロシナーゼ酵素を抑制する働きがあります。さらに、成長因子EGFが肌の表皮のターンオーバーを促進し、沈着メラニンを排出し、シミやくすみのない透明肌を作ります。
・ハリを与える作用
FGFが線維芽細胞を活性化し、コラーゲンやヒアルロン酸を増やしてシワやたるみを改善します。
・抗酸化作用
プラセンタには抗酸化酵素やビタミンC、ビタミンEが含まれており、活性酸素を除去してシミやシワを予防します。
・シワ、たるみ改善効果
プラセンタが他の美容成分と違うのは、成長因子が細胞そのものに作用し、美肌を維持する自前の力を強化することです。ですから単にコラーゲンやヒアルロン酸を補うのとは、効果の実感と持続力が全く違います。
・育毛効果
髪は見た目年齢の大きなポイント。プラセンタは、豊富な栄養と、毛母細胞の活性化、血行促進、女性ホルモン調整などの作用により、加齢による抜け毛や薄毛を改善します。
●疲労回復、滋養強壮
疲労の原因は、偏った食生活による栄養不足、ストレスによる自律神経の乱れ、肝機能や代謝機能の低下など様々です。プラセンタの豊富な栄養素や成長因子がこれらの原因に働きかけ、細胞そのものを元気にしてくれます。
●便秘解消
自律神経を整えて副交感神経を優位にし、蠕動運動を活発にして便通を良くします。
●ダイエット効果
プラセンタは細胞を活性化するので、代謝が上がります。また、豊富なアミノ酸によって筋力がついて消費エネルギーが増え、痩せやすい体になる効果があります。
●冷え性改善
代謝を高めて体温を上げ、また自律神経を整えて血管を広げ、抹消の血液循環を良くします。
健康な爪とは
ツヤのある若々しく健康的な爪と、年齢よりも老けて見える爪の違いは何でしょうか?健康的に見える爪の条件は、
・爪にツヤがある
・爪に透明感があり、きれいなピンク色をしている
・爪に縦筋や凹凸がない
爪にツヤがあるのは、爪が乾燥せずにしっかりと潤っていて透明感があるからです。また健康な人は血流がよく、指先まできちんと血液が流れています。その血管の色が爪から透けて見えるため、きれいなピンク色になります。そして爪の悩みで一番多いのは、爪にできる縦筋です。若い時にできる爪の筋は、乾燥によってできることがほとんどなので、保湿ケアをすれば改善されます。しかし年齢を重ねると、肌にシワが増えてくるように、爪も老化現象を起こしている可能性があります。潤いや爪を形成する栄養の不足から、爪にもシワや凹凸ができてしまうのです。このような加齢による爪のシワの場合、外からの保湿では限界があり、体の中から改善していく必要があります。
爪とプラセンタの関係
プラセンタには様々な有効的作用がありますよね。その中で、老け見えする爪に効果的なのが、プラセンタの持つ高い保湿効果と血行促進効果です。つまり、健康な爪にとって大切な、「体の中からの保湿」と「血行促進」を一度に得ることができるということです。特に血行促進作用は、細胞を活性化させ、爪をどんどん生まれ変わらせます。筋や凸凹ができてしまった爪は、生え変わるまで待つしかありませんが、プラセンタを摂ることで、すぐに潤いのある健康な爪が生える効果があるのです。
まとめ
プラセンタは、生命のパワーが凝縮したものです。老け感いっぱいの法令線、乾燥して筋の入った爪、コシのない髪、ハリのない肌・・・、大人の女性は悩みが尽きません。しかし、諦めてウツウツと過ごすのはもったいないです。プラセンタのパワーを取り入れて、ハツラツとした毎日を目指してみてはいかがでしょうか。