「JESSICA」というブランドをご存じでしょうか?
ネイルケアのパイオニアであるJESSICA
実は、先日このJESSICAの創設者である、ジェシカ バルトギアン氏が永眠されました。
この記事では世界中にネイルサロンを広げ、ネイルケアを始めとして沢山の女性の美をサポートしてきたジェシカ氏を追悼し、今だからこそ見直すべきネイルサロンの状況をお伝えしたいと思います。
JESSICAとネイルサロンのはじまり
提供:Fodiop真由(NailSalon mayunail)
今でこそ、当たり前のように町中にあふれるネイルサロン。
ネイルだけをメインとしたスタイルを世界で初めてオープンさせたのは、何を隠そう、そう!「JESSICA」です。
まず1969年にネイルだけをメインとしたサロンが誕生します。
それまでもネイルサロンはありましたが、美容院の一角で爪の色塗りだけというようなスタイルでした。
今が2025年なので、56年の歴史です。
えー?56年もあるの?というよりも、56年しかないんだ。という感じでしょうか?
この20年くらいで世界中で急成長をしているネイル業界ですが、きっかけを作ったジェシカ氏は本当にすごいなぁと改めて感じますね。
JESSICAのネイルポリシー
ナチュラルネイルを一番大切にしていたのにはジェシカ氏の生い立ちにあります。
ジェシカは裕福な家庭に育ち、両親がマニキュアを身だしなみとしているのを常に見て育ちました。
そう、マニキュアっていうのは、「爪のお手入れ」のことです。
お母様はネイルポリッシュも楽しんでいたのだと思います。
ジェシカ氏は「爪を髪の毛や、皮膚のようにそれぞれにタイプがある。
だからこそ、タイプ別のトリートメント商品(ベースコート)が必要。」と考えました。
私も25年以上現場でネイリストとしてお客様に施術をしていますが、本当にその通りだなと感じることが多いです。
爪の乾燥、ダメージは人それぞれ。
こういう考えを元にタイプ別に商品化したジェシカブランドは世界で30か国以上取り扱われているんですよ。
JESSICAの興味深い歴史
提供:Fodiop真由(NailSalon mayunail)
ジェシカの歴史を見てみると、とっても興味深いものがあります。
【1969年】
世界初のネイル専門サロンをオープン。
ネイルサロンなんですけども、「クリニック」と名づける。
ネイルケアをメインとするサロンを創設し、爪の修復する「ナチュラルネイルトランスプラント®」を発明。
なんと、この時代でも主流のスタイルはアクリルネイルで、スクエアスタイル!
爪の装飾って、いつの時代も女性には魅力的だったんですね。
だからこそ、ダメージの爪というのが当時から考えられていたというならなんだかわかる気がします。
【1971年】
ニューヨークタイムズ紙から「ネイル界のファーストレディ」、「スターご用達のマニキュアリスト」と称される。
現在のフレンチマニキュアである「ナチュラルマニキュア」を考案。
爪だけで店を運営するなんて、当時はとても画期的なこと。
来日したジェシカ氏と直接お会いした時に、本当に綺麗な指先でカラーもネイルポリッシュでとても美しかったのを覚えています。
【1978年】
カスタムカラーを発売。
さらに、乾燥爪、弱い爪、普通の爪、ダメージの爪の4タイプに合わせたトリートメント「ベースコート」を開発し、「ナチュラルネイルカルティベーションシステム®」を開発。
1978年…私、この年生まれです。
偶然だけども、運命を感じたいくらい!
私が生まれた時に爪のこと、こんなに研究して、爪をメインとした職業を確立し、今に続いてきてくれてた!
「ネイルサロン=爪の装飾のみ」と思っているのは実は間違いです。
JESSICAのネイルは「身だしなみの1つ」
提供:Fodiop真由(NailSalon mayunail)
※一番右側がジェシカ氏、ジェシカ氏が2015年に来日。
私が日本でジェシカのマスターエデュケーターを取得した時です。
ネイルサロンに行きたいな。。。と思うと、
色塗りたいな。かわいいデザインにしたいな。と思うことが多いと思います。
もちろん、それもアリです。
が、
本来のネイルサロンというのは、「身だしなみの1つ」として指先のお手入れを意味します。
マニキュア、ペディキュアっていうのは手のお手入れ、足のお手入れという意味ですから。
お手入れがあって、綺麗になったから、色を付ける。
というのが正しいイメージだと思います。
ここ数年で、華やかなデザインを求めるというよりもシンプルを意識する人が増えてきています。
そして、ネイルカラー(ジェルネイル、スカルプチュアを含む)よりも「指先を綺麗に整えたい!」という方も増えています。
プロが勧める爪のお手入れとは?
ジェシカ氏の生い立ちや、商品のコンセプト、ネイルケアなどのサロンワークとしての手順や知識を
色々考えていると、思うことが沢山あります。
まず、爪だけじゃないという事。
ネイルサロンなのですが、爪だけ変わればいいというわけではありません。
お肌から美しい状態を提供するために手のエステも取り入れた内容が、プロが提供する、、、というよりもプロに求めるサロンメニューなのだな。という事。
そもそも、ネイルサロンに来店して綺麗を求めるときって、気分が上がりますよね。
ナチュラルネイルによる本物の綺麗な爪
提供:Fodiop真由(NailSalon mayunail)
綺麗な爪って、形だけじゃないですよ。
厚みもあって、欠けにくい。
フリーエッジ部分が伸びて長さがあるわけではなく、ピンクの部分が長い爪。
付け爪とかで、ネイルチップを見たことないですか?
まさに、あの形が綺麗な整っている爪です。
提供:Fodiop真由(NailSalon mayunail)
別にね、長さがなくちゃいけないってことはないんです。
指先ギリギリでもね、綺麗に整ってる指先、爪先って清潔感があってとても上品ですよ
整っているっていうのは、爪の先端じゃなくて、爪の生え際を整えるという事。
2週間に1度のペースでサロンにウォーターケアをしてもらいに行くっていうのがお手入れしている人。
そして、SNSでは伝わりきらないのが、このお手入れ。
なぜか?
定期的にお手入れしている人は実は多いんだけども、毎回わざわざSNSに投稿しない人のほうが多いから。
ジェシカのスタイルがネイル検定の原点
ネイリストになるために、検定試験を受けた人なら知っているかもしれませんが、ナリッシュっていうピンクの保湿クリームを使いませんでしたか?
私が取得した時代は使ってました。
そう、それがジェシカのナリッシュ。
ジェシカスタイルのケアセミナーでは、ナリッシュを使用します。
日本にネイル協会が出来る前に、今のトップネイリスト(協会を立ち上げた時にいた先生方)は渡米して、ジェシカのスクールに通い、ケアの技術を学んで日本に広めた。
ケアについて、セミナーが再熱し始めていますが、実はきちんと3級、2級をマスターしていたら
お客様にもケアで喜んでいただけるわけです。
ケアの需要というのは、サロンワークでは基本の基本。
だからこそ、ケアだけで帰る方もいる。
美容室のシャンプーみたいな感じでしょうか。
でも、ネイルサロンだと、シャンプーの要素もあるし、カットの要素もあるんです。
ケアが出来たら、言い換えると、ニッパーが使いこなせたらそれだけで食べていけるのがネイリストだと私は思います。
ネイルポリッシュ、ジェル、スカルプ、パラフィンパック、マッサージなどっていうのはオプション。
それらが出来るとさらにいいね!
ケアができるってことは、手も足も出来るし。
老若男女のお客様が対応可能なんですよ。
ジェシカのマスターエデュケーターとは?
ジェルが主流になってきているネイル業界ですが、実はお客様の本音は「爪を綺麗にしたい」と思う人が多いんです。
ネイルサロンでケアだけしてくれるの?
それは知りませんでしたという人のパーセンテージは実際に多いです。
爪の悩みを持つお客様が増えていることをもっと受け止めて、いち早く基礎に注目し、サロンメニューに導入していくことをお勧めします。
ジェシカマスターエデュケーターは、日本でジェシカ氏に直接学び、指導を任された先生方のこと。
その先生方から、ネイルケアを再度サロンワークに照らし合わせて、直接学ぶことは、今後の財産になることは間違いないでしょう。
もちろん、私もその一人。
一人でも多くのネイリストさんに、ケアメニューをサロンに導入してほしいと常に思っています。
ジェルネイルでマシンケアをすることを100%NGとは思いません。
しかし、必要以上の施術工程によりダメージを受けたお客様の爪は、生え変わるまでは元に戻りません。
せっかくお洒落の為にジェルネイルをしたのに、ジェルネイル=爪が傷むものというレッテルを張られた状態が通常化している現状を、私たちネイリストはもっと真摯に受け止めるべきです。
ジェシカのセミナーを含む、サロンワークの基礎セミナーについてはインスタグラムよりご案内しています。
まとめ
提供:Fodiop真由(NailSalon mayunail)
一人でも多くのお客様が健康的で美しい指先を求めている事実。
それを感じ取り、表面だけの施術メニューで終わらすサロンではなく、身だしなみとして、ケアを取り入れるネイルサロンが増えていくことを願っています。