1本だけ爪が折れてしまって長さを揃えたかったり、短い爪をロングネイルにしてジェルネイルを楽しみたかったりする時に役に立つ技術が「長さ出し」です。
長さ出しとは、人工爪によって自爪の長さを長くする技術の総称で、様々な種類があります。
本記事では3種類の長さ出しの方法を紹介していますよ!
ネイルサロンだとかなり料金が高額になる長さ出しですが、セルフネイルなら費用を抑えて長さ出しをすることができます。
最初のうちは難しく感じるかもしれませんが、練習を重ねることで美しいフォルムのロングネイルにすることができますよ。
今回の記事では、セルフネイルでの長さ出しのやり方をご紹介していきます。
3種類のやり方をご紹介するので、自分に合っているやり方で長さ出しをしてみてくださいね。
セルフネイルの長さ出しのやり方
セルフネイルの長さ出しには3種類があります。
どの方法も美しく仕上げるためには練習と慣れが必要ですが、回数を重ねることで少しずつ上手にできるようになりますよ。
ジェルスカルプチュア
ジェルスカルプチュアとは、ジェルとネイルフォーム(長さ出しをするためのシール状の土台)を使用した長さ出しのやり方です。
ビルダージェルという固めのテクスチャーのジェルを使用します。
ソフトジェルでは短めの長さ出しができ、ハードジェルを使えばロングネイルも可能です。
普段からセルフジェルネイルをしている方であれば、フォームの付け方さえマスターできれば比較的早くできるようになるでしょう。
アクリルスカルプチュア
アクリルスカルプチュアは、アクリルパウダーとアクリルリキッドを混ぜてミクスチュアを作り、ネイルフォームの上に人工爪を作って長さ出しをする方法です。
アクリルは強度が高いのでかなり長めの長さ出しをすることもできます。
ミクスチュアの扱い方はジェルとは異なるので慣れるまで時間がかかるかもしれません。
また、リキッドのニオイが強いので、しっかりとした換気が必要です。
ポリジェル
ポリジェルによる長さ出しは、前述した2つの長さ出し方法よりも新しい技術です。
非常に固いテクスチャーのポリジェルをチップフォームと呼ばれる専用のネイルチップに出して、自爪に貼り付けて長さ出しを行います。
チップの通りの形ができあがり、表面もつるんと出来上がるので初心者の方におすすめのやり方です。
ジェルスカルプチュアで必要なものとやり方
まずはジェルスカルプチュアで必要なものとやり方をご紹介していきます。
必要なもの
- ベースジェル
- トップジェル
- ビルダージェル
- ネイルフォーム
- ジェルブラシ
- 硬化用のライト
- ネイルファイル
- スポンジバッファー
- 消毒用エタノール
- コットン
100均のジェルやネイル道具を使っている方は多いと思いますが、ビルダージェルは100均では販売がないので、ネットのネイルショップで購入するのがおすすめです。
ネイルフォームやその他のグッズは100均でも販売されています。
下準備
長さ出しをする前に必須の下準備について解説します。
持ちを良くしたり、きれいな仕上がりにしたりするために大切な工程なのでしっかりとできるようになりましょう。
プレパレーション
エメリーボードで自爪の長さを整え、甘皮処理を行います。
サンディングが必要なベースジェルを使用する場合はスポンジバッファーで自爪の表面を軽く擦って全体的に傷を入れましょう。
消毒用エタノールで爪表面の油分除去をして下準備の完了です。
ネイルフォームの準備
ネイルフォームがしっかりと爪先にはまるように調整します。
真ん中のシールをくり抜いて、土台になる部分の裏側に貼り付けます。
このようにすることで土台部分が分厚くなるのではめ込みやすくなります。
指先の皮膚が引っかかってしまってストレスポイントまでフォームが入らない場合は、ハサミで引っかかっている部分をカットしましょう。
ジェルスカルプチュアのやり方
1.ベースジェルを塗る
まずは自爪にベースジェルを塗ります。
全体に塗って、表面がつるんとしたらライトで硬化します。
2.フォームを付ける
フォームは指の真上から見てまっすぐ、横から見て水平になるように付けます。
フォームの先端が上がりすぎていると、ジェルでハイポイントを作るのが難しくなり、先端が下がっているとサイドストレートも下がってしまうので注意してください。
3.先端を作って仮硬化する
まずは先端を作ります。ジェルを爪先かかるくらいのところに置き、バブルが入らないように注意しながらジェルを両方のストレスポイントまで誘導します。
ストレスポイントとは以下の写真の赤丸の部分です。
しっかりとストレスポイントまでジェルが届いたら数秒間ライトに当て、仮硬化します。
4.全体にジェルを塗って硬化する
先端を作ったジェルとの境目を繋げられる位置にジェルを乗せます。
爪の真ん中から真ん中より少し下のあたりにハイポイントができるようにしながら、ジェルを爪全体に塗りましょう。
横から見てハイポイントができていること、先端側から見て厚みが均一であることを確認してライトで仮硬化します。
5.未硬化ジェルを拭き取りピンチを入れる
仮硬化したらコットンに消毒用エタノールを染み込ませて未硬化ジェルを拭き取ります。
爪のストレスポイントあたりを横から指で抑え込んで「ピンチ」を入れましょう。
ピンチを入れることで爪先のカーブが深くなるため、きれいなシルエットになったりフィット感がアップしたりしますよ。
6.ファイル類で形を整える
180Gのネイルファイルでサイド、先端、表面を削ってフォルムを整えます。
ジェルは柔らかいため、どんどん削れてしまいます。
形を整えようとするあまり削りすぎないようにしましょう。
ネイルファイルでフォルムを作ったら、スポンジバッファーで表面がなめらかになるように軽く整えます。
7.トップジェルを塗って硬化する
特にカラーを塗ったりアートをしたりしない場合は、トップジェルを塗ってライトで硬化すれば完成です。
アクリルスカルプチュアで必要なものとやり方
次にアクリルスカルプチュアで必要なものとやり方について解説していきます。
必要なもの
- アクリルパウダー
- アクリルリキッド
- ダッペンディッシュ
- アクリル用ブラシ
- キッチンペーパー
- 消毒用エタノール
- プライマー
- ネイルフォーム
- ネイルファイル
- スポンジバッファー
- シャイナー
ダッペンディッシュは折りたたんだキッチンペーパーの上に置きます。
アクリルリキッドを4分の1くらいの量入れて使用します。
リキッドはなくなってきたら継ぎ足すようにし、最初からたっぷりと入れないようにしてくださいね。
下準備
アクリルスカルプチュアもジェルスカルプチュア同様に下準備がどれだけしっかりできているかが仕上がりの美しさや持ちの良さに繋がりますよ。
プレパレーション
エメリーボードで自爪の長さを整え、甘皮処理を行います。
自爪の長さは白い部分が1ミリ以下になるように整えましょう。
180Gのネイルファイルで自爪の表面を軽く擦って表面全体に傷を入れ、ミクスチュアの定着が良くなるようにします。
消毒用エタノールで爪表面の油分除去をした後、さらに密着を高めるためにプライマーを塗って下準備の完了です。
ネイルフォームの準備
ネイルフォームの準備はジェルスカルプチュアと同じなので割愛します。
ミクスチュアの作り方
ミクスチュアとは、アクリルリキッドとアクリルパウダーを混ぜてできたとろっとした状態のものです。
ダッペンディッシュにリキッドを入れ、ブラシによくリキッドを馴染ませます。
しっかり染み込ませた後、ダッペンディッシュの縁でリキッドの量を調整してアクリルパウダーを取りましょう。
リキッドとパウダーの配分が非常に重要なので、始めのうちはリキッドに対して丁度いいパウダーを取れるようになるため、ミクスチュアを取る練習をするのがおすすめです。
アクリルスカルプチュアのやり方
1.フォームを付けます。
しっかりストレスポイントまでフォームがはまるようにカットして調整してくださいね。
2.1ボール目で先端を作る
ブラシにリキッドを含ませ、パウダーを取ります。
程よい固さのミクスチュアを多すぎず少なすぎず、ちょうどいい量を取れるようにしましょう。
ミクスチュアがゆるすぎたり、パサパサだったりするときはキッチンペーパーにミクスチュアを捨て、再度リキッドを含ませてパウダーを取るようにしましょう。
ミクスチュアをフォームに乗せ、数秒待ちます。
待つことでミクスチュアがレベリングして、つるんとします。
ブラシでミクスチュアを優しく潰して、左右のストレスポイントまで動かしましょう。
リズミカルにトントントンと触って動かしていくイメージです。
ストレスポイントをしっかり覆いつつ、厚みが出すぎないように注意してください。
3.2ボール目で先端から真ん中をつなげる
1ボール目につながる場所に2ボール目を置いて、ハイポイントを作りつつ、1ボール目との境目がないようにつなげましょう。
ミクスチュアの量は爪の大きさによって異なりますが、2ボール目は1ボール目よりも少な量になることが多いです。
4.3ボール目で根元から真ん中をつなげる
3ボール目を爪の生え際の少し上に置き、立ち上がりの段差が大きくならないように軽く潰しながら真ん中とつなげます。
量は2ボール目までと比べるとかなり少なめです。
ブラシの先端を使って、はみ出したり流れたりしないようにしながら動かしましょう。
5.ピンチを入れる
ミクスチュアが硬化しきる前に作った爪先部分にピンチを入れて、カーブを整えます。
ピンチを入れることでスッキリとした見た目に仕上がります。
ピンチを入れるときは爪のストレスポイントの辺りを側面から指で抑えてギュッと痛みを感じない程度の力加減で押さえましょう。
6.ファイル類で形を整えて磨く
まずは150Gのネイルファイルで先端、サイド、表面を削り、大まかなフォルムを整えます。
ある程度形が整ったら、180Gのファイルに持ち替えてフォルムのディテールを整えたり、厚みを均一にしたりしましょう。
形が決まったらスポンジバッファーで磨いていきます。
180G⇒220G⇒280Gと少しずつ目の粗さを細かくします。
1箇所をやりすぎるとフォルムが崩れることもあるので注意してください。
最後にシャイナーで磨いてピカピカにしたら完成です。
カラーを塗る場合はシャイナーは不要です。
アクリルスカルプチュアで必要なものとやり方
最後にポリジェルでの長さ出しに必要なものとやり方をご紹介します。
必要なもの
- ベースジェル
- トップジェル
- ポリジェル
- チップフォーム
- ジェルブラシ
- 消毒用エタノール
- 消毒用エタノールを入れる小さめの容器
- コットン
- 硬化用のライト
- ネイルファイル
- スポンジバッファー
ポリジェルはチップフォームに出した後、ジェルブラシで薄く塗り伸ばします。
この時に、ジェルブラシにポリジェルがまとわりついてしまうことを防ぐため、消毒用エタノールを付けてジェルを広げます。
ジェルがまとわりついてポリジェルを上手く動かせないときは消毒用エタノールをたっぷり付けてチャレンジしてみてくださいね。
下準備
プレパレーション
エメリーボードで自爪の長さを短めに整えます。
メタルプッシャーで甘皮を押し上げ、キューティクルニッパーで甘皮を除去しましょう。
サンディングが必要なベースジェルを使用する場合は、自爪の表面をスポンジバッファーで軽く擦って表面に傷をつけてください。
これによりジェルの密着が良くなり、持ちが良くなりますよ。
消毒用エタノールをコットンに染み込ませて自爪の表面の油分を拭き取ったら下準備の完了です。
チップフォームの準備
チップフォームのサイズを調整します。
ネイルチップのサイズを調整するときと同じように、ネイルファイルとスポンジバッファーでチップフォームを削って調整します。
特に根元のラインがきれいに一致するように調整するのが、きれいな仕上がりにするためのコツです。
ポリジェルのやり方
1.ベースジェルを塗る
まずは自爪にベースジェルを塗ります。
しっかりとエッジまで塗るようにしましょう。
爪全体にベースジェルを塗れたらライトで硬化します。
2.フォームチップにジェルを出す
チップフォームにちょうどいい量のポリジェルを出します。
継ぎ足しをするとバブルが入る原因になるのでできるだけ一発で適量を出せるようにするのがポイントです。
多く出しすぎた場合は長さに持っていくようにしましょう。削れば短くできますよ。
3.ジェルブラシでジェルを伸ばす
消毒用エタノールを付けたジェルブラシでジェルを伸ばします。
チップを爪に乗せた時にはみ出さないように少し余白を残しておくとはみ出しが少なくきれいに仕上がりやすいですよ。
4.チップフォームを爪に乗せる
爪の根元から位置を合わせてチップフォームを爪に乗せます。
空気が入らないようにゆっくりとチップフォームを下ろしていきましょう。
5.はみ出しを整えたらライトで硬化する
根元やサイドにポリジェルが溢れてしまった場合は、ウッドスティックやジェルブラシで拭ってください。
また、爪の裏側も確認して、ジェルが溜まっているときは、ジェルブラシを使ってジェルを爪先側に塗り伸ばしましょう。
きれいに整ってから規定の時間、ライトで硬化します。
6.フォームを外し未硬化ジェルを拭き取る
硬化できたら、チップフォームをひねるようにして取り外します。
未硬化ジェルが出ているので、コットンに消毒用エタノールを染み込ませて拭き取ります。
7.ファイル類で形を整える
ネイルファイルで爪先の形や長さを整えます。
ポリジェルの場合、爪の表面はきれいなフォルムに整っていることが多いのであまり触らないようにしたほうが上手に仕上がりやすいですよ。
カラーを塗ったりアートをしたりしない場合は、ノンワイプトップジェルを塗って仕上げれば完成です。
長さ出しをした時のオフの仕方
ハードジェルは正しい方法でオフをしないと自爪を痛めたり薄くなる原因となってしまいます。そこでここからはハードジェルの正しいオフの仕方をご紹介します。
1.先端をネイルニッパーでカットする
長さ出しをした部分をネイルニッパーでカットします。自爪までカットしてしまわないように気をつけましょう。
2.ネイルファイルでトップジェルとハードジェルを削る
100G〜180Gの粗目のネイルファイルでトップジェル、ハードジェルを削ります。
ベースジェルまで削ると自爪を痛める原因となるため、ある程度削ったらリムーバーを使用しましょう。
3.ジェルリムーバーをコットンに染み込ませる
コットンを爪よりひとまわり大きめにカットしたらジェルリムーバーを染み込ませます。
4.コットンを爪の上に乗せてアルミホイルで巻く
アルミホイルを先ほどのコットンより更にひとまわり大きめにカットしておきます。爪の上にジェルリムーバーを染み込ませたコットンを乗せたらその上からアルミホイルを巻き爪に密着させ15〜20分置きます。
5.プッシャーでジェルを落とす
アルミホイルを外しプッシャーでふやけたジェルを落とします。この時もプッシャーで無理に落とそうとすると自爪を痛めてしまうため、落ちきれないジェルは4の工程を繰り返し、ジェルが完全にふやけてから落とします。
長さ出しに関してよくある質問
長さ出しに関してよくある質問に回答していきます。
ポリジェルの長さ出しにネイルチップを使える?
ポリジェルの長さ出しに普通のネイルチップを使うのはあまりおすすめできません。
ポリジェル用のチップフォームは柔らかい素材でできているので硬化した後に簡単にパカッと外すことができますが、ネイルチップだと難しいです。
使用することは可能ですが、硬化後に外す時にせっかく作った長さ出し部分が折れたり欠けたりしないように注意しましょう。
100均のセリアやキャンドゥのポリジェルは使える?
100均のセリアやキャンドゥでもポリジェルが販売されています。
どちらもしっかり強度のある長さ出しができますが、特におすすめはキャンドゥのポリネイルジェルです。
ちなみに2024年5月時点でダイソーでは長さ出し用のジェルは販売されていません。
キャンドゥのポリネイルジェルやセリアのフォームジェルについては、こちらの記事で詳しく紹介しています。
https://www.nailjoshi.com/80742/
https://www.nailjoshi.com/80800/
短い爪や深爪での長さ出しでおすすめの方法は?
短い爪や深爪での長さ出しは少々難しいですが、セルフジェルネイルで行うならおすすめはポリジェルです。
ジェルスカルプチュアだと、ネイルフォームを爪先に装着しなければなりませんが、短い爪だと一筋縄ではいきません。
もしジェルスカルプチュアで長さ出しをしたい場合は、ネイルサロンで長さ出しメニューを予約するのが良いでしょう。
ただし、どうしても深爪や短い爪に長さ出しをするとすぐ取れることが多いです。
長持ちはしにくいのでその点は注意してくださいね。
ソフトジェルとハードジェルの違いは?
ソフトジェルとハードジェルの違いは、ジェルリムーバー(アセトン)で溶けるかどうかです。
ソフトジェルはジェルリムーバーで溶かしてオフできますが、ハードジェルは溶けないため、すべて削ってオフしなければなりません。
ハードジェルは粘度が高く強度も高いため、割れた爪の亀裂補強や厚さのある仕上がりにするのに向いています。
しかしクリアジェルとして普段から使ってしまうとオフが大変になってしまうので気をつけましょう。
ネイルサロンでの長さ出し料金はどのくらい?
ネイルサロンでの長さ出しは、地域差も大きいですが、1万円~1万5千円ほどのことが多いでしょう。
安いのがウリのサロンでは5000円程度でできることもあるようです。
ネイルサロンで長さ出しをする最大のメリットは美しいフォルムに仕上がり、持ちが良いこと。
最近長さ出しの人気が再燃しているのでできるサロンも増えていますよ。
ちなみに、少しだけ長さを出す場合と、ロングネイルにする場合で料金が異なる場合もあります。
行きたいサロンに値段や時間を問い合わせるのが安心です。
まとめ
今回の記事では、セルフネイルでできる長さ出しの方法を3種類ご紹介してきました。
最もセルフネイルでおすすめの長さ出し方法はポリジェルを使ったやり方です。
ロングネイルするならアクリルスカルプチュア、短めの長さ出しならジェルスカルプチュアでももちろんOKです。
自分に合っていると思う長さ出し方法で理想の長さのネイルに仕上げてみてくださいね。